日本IBM、国土交通省「電子防災情報システム」の開発を受注
日本IBMは7月7日、国土交通省国土地理院の「電子防災情報システム開発業務」を受注したことを発表した。本年7月から構築を開始し、平成27年度の稼働開始を予定している。
大規模災害発生時は、リアルタイムに集まる現場情報、被災者情報、各種支援活動状況、現地画像等の各種情報を迅速に把握し、これに基づく的確な対応を可能とすることが国民の生命、身体及び財産を守る上で重要となる。今回、国土交通省国土地理院では、災害発生前に整備された基本情報及び災害発生時に各情報源からオンラインで提供される各種情報を集約し、リアルタイムに電子地図上に統合表示して共有し迅速に把握することができるフレームワークとして、電子防災情報システムを構築する。
本システムで収集する情報としては、各種被災状況、防災ヘリによる上空からの画像、SAR画像などが対象となる。これらの情報を電子地図に重ね合わせ、複数人で同時にオペレーションすることにより、被害状況の把握・共有の高精度化・迅速化、人材等の派遣計画策定の早期化が期待できる。また、担当職員が本来業務である連絡調整などを円滑に行うことができるとともに、TEC-FORCE派遣がより速やかに行われ、二次災害防止や陸海空の輸送ルート確保に向けた作業に早く着手できる。これらにより、より多くの人命救助や二次災害防止、被災者・被災地支援に資することが期待される。
本システムの構築においては、ベースとなる背景地図には地理院タイルを採用し、地図情報表示基盤として、オープンソースのLeafletを採用。実績のある基盤地図である地理院タイルと、ライブラリサイズが小さくモバイルでも処理速度が速いLeafletを採用することで、各組織や現場などから得られる大量の情報を、高速に電子地図上に表示することが可能となる。地図タイルデータ作成に関しては、地理情報システム・ソフトウェアとして世界中で多数の実績のあるEsri社のArcGISを利用する。
また、システム基盤として、「IBM業務支援Webプラットフォーム」ソリューションを採用。本ソリューションは、官公庁向けの実績のある標準化されたWebシステムパターンを提供し、地図連携、モバイル対応も容易に可能となり、さまざまな業務で使用するWebシステムを迅速かつ容易に構築できる。さらに、既存のExcelデータをそのまま入力データや出力帳票として活用でき、Excelの項目追加や変更にも柔軟に対応できる。各情報を登録する際は、位置情報を付加することで地図上に情報を表示できるため、分かりやすく直感的にシステムを利用できる。また、パソコンだけでなく、さまざまなモバイル端末に標準で対応している。
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