今年も大盛況だったジョブフェアとスポンサーブースの様子を紹介! PyConJP2019レポート

2019年12月3日(火)
菅原 健人花井 宏行

PyCon JPとは

PyCon JPはPythonユーザーが一堂に会し、交流を深める場所として毎年開催されている国際カンファレンスです。2019年は9月14~17日の4日間で約1,160人の来場があり、会場は熱気に包まれていました。本記事では、カンファレンスの中からジョブフェアとスポンサーブースの模様をレポートします。

Pythonに関わる仕事が分かるジョブフェア

PyCon JPでは、毎年仕事について話ができる場を目指してジョブフェアを開催しています。今年はPythonに関係する仕事をテーマとして、スポンサーLTが開催されました。

株式会社GMOインターネット 元内氏

「GPUクラウド by GMO上でKubeflowを動かすには?」というタイトルでの話でした。今年3月にリリースされたGPUクラウド by GMOでMLOpsについて紹介していました。Kubernetes上にML基盤を完結させることで再現性のある環境を作ることができ、前処理などでいくつも環境を作る際にはこの再現性が力を発揮するとのことでした。

ただし、Kubeflowは安定版とはいえ開発途中であり、コンポーネントを使うにはサポートが切れていないか確認が必要など、設計・運用の苦労があるようです。Kubernetes+MLOpsのメリットや大変さを知れるとても良いLTでした。

株式会社GMOインターネット 元内氏

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 吉政氏

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会による、Python試験と稟議に使える市場データの紹介でした。IT関連のグローバルベンダー系資格でも受験者数は2~3年で1,000人がやっとのところを、Python試験の基礎試験では2年間ですでに受験者数が5,000人を突破しているそうです。この数字からもPython試験の人気が伺えますね。さらに今年のPythonの求人は昨年比252%増の2万件を超えるという伸び率で、他の言語から比べても非常に高い数値です。

皆さんもPythonicを学び、認定も受けられるPython試験でエンジニアとしての価値を高めることに挑戦してみてはいかがでしょうか。

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 吉政氏

Enthought Inc 髙味氏

続いては、SciPyで有名なEnthought Incの取り組みについて紹介がありました。Enthought Incはサイエンスに特化したサービスを世の中に提供し、開発・研究スピードを上げることでデジタルトランスフォーメーションを実現していくという目的で作られた会社です。

所属するエンジニアの8割は大学院を出ており、様々な分野の専門家が集まってツール開発を行っているそうです。サイエンスにバックボーンを持つメンバーが集まることで、サイエンティストのことを考えたサービスを提供できるという強みがあります。

Enthought Incの日本支部では一緒に働ける方を探しているとのことなので、SciPyに興味がある方は応募してみてはいかかでしょうか。

Enthought Inc. 髙味氏

GROOVE X株式会社 林氏

「らぼっと開発におけるPythonとGo」というタイトルでの話でした。LOVOTは、人と一緒に暮らしてコミュニケーションが取れるロボットを作ろうという目標から生まれました。

LOVOTにはGO、Python、C/C++といった言語が使われており、中でもPythonは画像認識やタッチ認識など計算処理の部分で使われています。GROOVE XにおけるPython開発の特徴としてはC拡張による効率化、IDEを活用、並行処理のアーキテクチャを採用している部分です。

LOVOTの中の技術を言語という観点で覗ける興味深いLTでした。

GROOVE X株式会社 林氏

各企業の色と持ち味を存分が出た企業ブース紹介

今年の企業ブースは合計21社! 工夫を凝らしたノベルティや仕事内容の話を聞ける機会として、楽しみにしている方も多かったのではないでしょうか。以降では、各企業ブースを訪問し、インタビューした様子を紹介します。

GMOインターネット株式会社

最初に紹介するのはGMOインターネット株式会社です。

◇今回の出展の目的はなんでしょう?
機械学習・ディープラーニング向けの新サービス「GPUクラウド by GMO」のお披露目と、Pythonエンジニアとの交流です!
◇出展の推しポイントはどこですか?
各所で話題のCMも流しています。広いブースなので、皆さんの目に留まりやすいというのもポイントです。
◇Pythonエンジニアにひとことお願いします!
渋谷に点在していた拠点をセルリアンタワーと渋谷フクラス(2019年12月開業予定)に集約していますので、これまでよりさらに働きやすい環境を整備しています。会社としては機械学習のアプローチを中心に取り組んでいます。エンジニアを募集しているので、皆さんだけが頼りです!

GROOVE X株式会社

続いては、昨年に引き続き出展していたGROOVE X株式会社です。

◇今回の出展の目的はなんでしょう?
LOVEをはぐくむ家族型ロボット「LOVOT」(らぼっと)のお披露目です!
◇出展の推しポイントはどこですか?
とにかく「LOVOT」です。会社の技術力と社員が読んで「面白い!」と思った技術書も紹介しています。
◇Pythonエンジニアにひとことお願いします!
Web領域以外でPythonを活用してプロダクトを開発できるチャンスがあります。We are hiring!

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会

ノベルティが大人気の一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会です。

◇今回の出展の目的はなんでしょう?
Python試験とPythonicの認知向上を目的に出展しています!
◇出展の推しポイントはどこですか?
ハズレなしの大抽選会を行なってます。参考書やオリジナルポロシャツ、マグカップ、ぬいぐるみを景品として用意しています。
◇Pythonエンジニアにひとことお願いします!
Pythonicを知らない人は、Python試験を通して学んでみてください!

Enthought

PyCon JPでは初出展となるEnthought。長年SciPyコミュニティへの支援を続けています。

◇今回の出展の目的はなんでしょう?
去年日本支部ができたので、日本のエンジニアとの交流と会社の紹介を目的にしています!
◇出展の推しポイントはどこですか?
Webではなく、Science領域でのPythonの活用事例などを紹介しています。
◇Pythonエンジニアにひとことお願いします!
EnthoughtはScientificとエンジニアリング、ビジネスの融合を追求している会社です。エンジニアの皆さん、ぜひお越しください!

株式会社SQUEEZE

自社でホテルも運営している株式会社SQUEEZE。クイズの正解者から、抽選で無料宿泊券のプレゼントをしていました。

「モバイルワークを推進しているので、時間や場所にとらわれない働き方ができます。興味のある方ぜひお越しください!」

アイシン精機株式会社

今年もILY-Aiの試乗で人気のアイシン精機株式会社。人工知能に興味のあるエンジニアとの交流と技術の紹介を目的に出展しています。

「Pythonを活用して、新しいモビリティ社会を実現する技術開発を行っています。スマートファクトリー、自動運転へのAI活用に興味がある方は、ぜひ、当社へお越しください!」

株式会社スカラコミュニケーションズ

BtoBで数多くのWebサービスを展開する株式会社スカラコミュニケーションズ。

「弊社は複数のサービスにより収益が安定しており、新たなサービスを開発するための土台が整っています。更に機械学習やビッグデータ解析、IoTなどの技術を取り入れたサービスを展開し、チャレンジする人を会社が後押しする環境があります。挑戦してみたいことがあるエンジニアの方、ぜひご応募お待ちしております!」

株式会社いい生活

今年で4回目の出展となる株式会社いい生活。Pythonで作られたテクノロジーで、不動産市場をより良いものにしていく支援サービスを紹介しています。

「クラウドサービスの基幹に関わるサーバーサイドでもデータサイエンスでもPythonを使っています。不動産の物件情報でリコメンド周りのサービス作ってみたいというエンジニアも募集しています!」

OLTA株式会社

創業3年目、2019年6月にサービスをリリースしたOLTA株式会社。クラウドファクタリング(請求書を売却して資金調達する)というユニークなサービスを展開しています。企業ロゴを模したクッキーも配っていました。

「Webプロダクトや機械学習を用いた与信モデルの構築にPythonとDjangoを利用しています。業界初の与信モデルで中小企業が力を発揮できる社会を実現するために、既存の枠組みにとらわれないプロダクトを一緒に創っていただけるエンジニアを絶賛募集中です!」

株式会社PR TIMES

プレスリリースの解析やレコメンドするサービスも開発する株式会社PR TIMESです。

「メディアのイメージが強いPR TIMESですが、社内では様々なサービス開発にPythonを活用しています。エンジニアの皆さん、ぜひお越しください!」

デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社

こちらもPyCon JPに初出展となるデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社です。PyCon JPどころか、テックイベントに初めて出展したとのこと。

「Pythonをはじめ、様々なツールを駆使してAI活用やデータ分析を行い、ビジネス課題を解決することに興味がある方を募集しています!」

株式会社アイリッジ

昨年に引き続き出展となった株式会社アイリッジ。PyCon JPをきっかけに会社を知ったという人が多く面談に来ているそうです。

「自社サービス、スマホアプリの両面で大規模な開発を行っています。活躍の場は広くあるので、ぜひ一度話を聞きに来てください!」

株式会社リーディング・エッジ社

「Python 3スキルアップ教科書」の著者も所属する株式会社リーディング・エッジ社。この本をカリキュラムにしたスクールを開催するそうです。

「11月に新規開講予定のStart Python Labの第1期生を募集中です。受講料無料でPythonプログラミングを学べるだけでなく、就職・転職支援も無料で行います。興味のある方はぜひご応募ください!」

JX通信社

公的機関や報道機関も利用するB2B Saas「FASTALERT」や、ニュースアプリ「NewsDigest」などを開発しているJX通信社。エンジニアが半数を占める報道ベンチャーとしてユニークな事業を展開しています。

「エンジニアが自由にストレスなく働けるよう制度を整え、勉強会や働き方など全面的にサポートしています。ぜひ一度お話を聞きに来てください!」

SATORI株式会社

マーケティングオートメーションツールを開発するSATORI株式会社です。

「Python以外にも様々な技術を適材適所で活用しています。エンジニアとして幅広く成長できるチャンスがあります。Pythonを極めたい人も、エンジニアとして成長したい人も一度ぜひ話を聞きに来てください!」

株式会社ビザスク

ビザスクは、約95,000人もの個人と、その個人の知見にビジネス相談や調査ニーズを持つ企業を1時間のスポットコンサルでマッチングする、ビジネス領域に特化した日本最大級のナレッジシェアプラットフォーム「ビザスク」を運営しています。

「サービスの裏側はPythonとDjango、GCPで作っております。マッチングサービスに興味のあるエンジニアの方はぜひ気軽に遊びに来てください!」

Elastic

ElasticsearchやKibanaなどで有名なElasticです。最近ではElastic APMやELASTIC CLOUDなど、簡単に始められて高機能なツールにも注目が集まっています。

「Elastic APMにはDjangoやFlaskを含む人気のある多くのフレームワークに対して、すぐに使えるagentがあります。パフォーマンスのボトルネックやエラーの予防的な発見・修正に役立つ機能があるのでぜひ利用してみてください!」

* * *

PyCon JP 2019スポンサーブースは今年も好評で、多くの人で賑わいました。PyCon JPではPython関連のセッションも人気ですが、スポンサー各社によるブースも人気の1つです。各社独自のノベルティ配布や現場でのPythonの活用方法の紹介など、その内容は様々です。

実際に会場に足を運ばないと聞けない話やグッズが魅力的だったPyCon JP 2019。来年は8月28~29日に大田区産業プラザPioにて開催予定です。ぜひ皆さんも会場に足を運び、熱気を感じてみるのはいかがでしょうか?

スタディプラス株式会社所属。PyCon JP 2019事務局スタッフ。仕事でPythonを扱うことからスタッフに参加。SREとしてマイクロサービス化に向けたプラットフォームの構築に従事。
スタディプラス株式会社所属。PyCon JP 2019事務局スタッフ。Python未経験のまま2018年度からスタッフに参加。スタッフ参加がきっかけでPythonに興味を持ち、日々勉強中。

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