写真で見るKubeCon Europe 2019ショーケース
バルセロナで開催されたKubeCon+CloudNativeConは、7700名という多くの参加者が集ったカンファレンスとなり、ショーケースと題された展示ブースも大変な賑わいとなった。そもそもスポンサーの名前を見れば、そのカンファレンスにベンダーがどれだけ力を入れているのかは分かるものだ。今回の最も上のクラスのダイアモンドスポンサーに並んだCisco、IBM、Microsoft、Oracle、Red Hat、VMwareは、いずれも単独のプライベートカンファレンスを開くことができる規模のベンダーである。Red Hat以外は、Kubernetesのコミュニティにおいて、より存在感を示したいというベンダーの意図を感じることとなった。
ダイアモンドスポンサーである各社はブースにも力が入っており、Red HatはデモステーションでもOpenShiftを最大限に推していた。
Oracleもカンパニーカラーの赤を抑えて「Phippy goes to the zoo」のイラストにインスパイアされた感じのプレゼンテーションを実施していた。この辺りは、Kubernetesコミュニティに良い感じにジョインしたいという意思を感じる。
逆に常にカンパニーカラー推しなのはCanonicalとSUSE、それぞれオレンジとグリーンが目立つ。
VMwareは買収したHeptioのCEOであり、Kubernetesの初期の開発者の一人であるJoe Beda氏を最大限に活用していた。ショーケースの中に突然長い列ができていると思ったら、その先ではJoe Beda氏が本にサインを入れるのを待つ列だった。
GoogleとAWSは会場の中庭に設置された休憩スペースにもスポンサードをしているようで、多くの参加者が好天の下で休憩を取っていた。Googleの休憩スペースには記念撮影をできる場所もあり、KubernetesがGoogleの社内で立ち上がるまでの歴史を読み解くボードも設置され、Google発のKubernetesというこだわりが垣間見えた格好となった。
変わったところでは、ITとはあまり関係ない企業もブースを出展していた。目立っていたのはAdidasのブース。スニーカーにBluetoothで接続できるセンサーを取り付けて、計測を行うデモを実施していた。
このカンファレンスで最も注目されていたと言えるサービスメッシュについても、LinkerdのBuoyant、Aspen Mesh、EnvoyをベースにしたAPIゲートウェイのAmbassador、NGINXをベースにしたAPIゲートウェイのKongなどが熱心に訴求を行っていた。
またサービスメッシュのエコシステムで注目が集まりつつあるSolo.incのGlooや、WeaveworksのFlagger、Ballerinaなども多くの参加者が説明を聞きにブースを訪れていた。
今回のカンファレンスでは参加者向けのノベルティであるTシャツが初日で在庫切れ、2日目にも在庫は復活せずに、最終日に初日のものとは別のTシャツが配られるという事態になった。しかしオフィシャルストアに並んだCNCFのプロジェクトのTシャツやフーディーを買い求める列がなかなか切れなかったことからも、参加者がKubernetesや各プロジェクトに愛着を感じていることを実感できた。
ちなみにCNCFのExecutive DirectorであるDan Kohn氏も、オフィシャルストアでKubernetesの5周年記念のTシャツを購入していた。
日本からの出展社としては、Yahoo!ジャパンが社内で開発したPulsarとAthenzをメインに熱心に説明を行っていた。
とにかく会期中は、キーノートセッションの時間帯以外では人が絶えることなくあふれていたショーケースの会場であった。こんなところにも、Kubernetesを中心としたクラウドネイティブなソフトウェアに対するモメンタムが来ていることを感じられるカンファレンスとなった。
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