もはや必須スキル!? 英文Eメールが上手く書けるようになる「3つ」の方法
はじめに
コロナ禍もあり、海外とのやり取りでZoomやTeamsを使う事も増えてきたと思いますが、それでも日頃のやり取りで圧倒的に多いのはEメールではないでしょうか。
今回は、シーズン4の第7回『「伝わる英文Eメールを書く際に意識したい「3つ」のポイント』の続編となります。前回は主にEメールの「形」に焦点を当てたものとなっていました。Eメールの形に自信がない方は、ぜひそちらの記事から読んでみてくださいね。
今回は、前回からさらに1つ先のステップである「本文」を書けるようになるために必要な知識やポイントを紹介します。また、ここ1年ほどで有名になったChat GPTを活用して英文Eメールを書く方法についても触れていきます。
1. 英文Eメールを書くために必要な知識
まずは、英文Eメールを書くために必須となる知識です。これは第7回でも触れた点ですが、英文Eメールを書く際に大変重要なものなので、再度確認しておきましょう!
語彙力
英文Eメールを書く上で「語彙力が必要である」ことを否定する方はいないと思います。単語を知らなければ何も伝えられませんし、知識が乏しければ伝えたいことを正確に伝えることも困難になります。
そんな重要な語彙力を高めるには時間がかかる上に、意味だけでなく品詞(名詞、動詞や形容詞等)も理解した上で「どのように使うか」も知っておく必要があるので、学習者からするとかなり面倒なものです。
語彙力は無理をして詰め込むのではなく「1週間に50語覚える」といったペースを決めて、しっかりと意味と品詞、使い方を覚えていくのがお勧めです。また「語彙が増えてから〇〇に取り掛かろう」ではなく、語彙の学習は「常に何かと並行して行うものだ」と考えるようにしましょう。
文法
英文Eメールを書くためには、間違いなく「文法」も必要ですよね。英文Eメールを書いた場合、当然ですが、読み手が情報を得られるのはその文字からのみです。会話であれば相手の反応を確認し、理解できていない場合は言い直したり、追加でさらに説明したりできます。
しかし、英文Eメールを含むライティングではそれができないため、伝えたい情報を正確に伝えるために文法が必要となるわけです。
料理を例にすれば、単語が材料で文法が調理方法です。いくら材料が揃っていても、調理する順番やタイミング、分量を間違えれば美味しい料理はできません。英文も同じで、単語を知っていても、それを好きなように並べてしまっては理解してもらえなかったり、誤解が生じたりします。
「文法に自信がない」「最初から復習してみたい」という方は、1冊英文法の本を購入して、最初から最後まで読むことを数回繰り返してみてください。そこでよく分からない事項があれば、その部分をピンポイントで文法書で確認したり、ネットの解説記事を読むといった方法でも効率的に学ぶことができます。
定型文と表現
英文Eメールを書くために必要な3つ目の知識は「定型文」と「表現」です。定型文とは、例えばEメールに返信がほしいのであればI look forward to your reply.といった、内容に関わらず使える文のことを指します。
こういった定型文は数多くあるので、それらを覚えておくと英文Eメールを書くことが楽になるのはもちろん、自分で考えなくてはいけない文量が減るため、メールを書く時間を短縮できます。
定型文を知る方法としては、下記のようなものがあります。
- 受け取った英文Eメールから覚える
- 英文Eメールの書籍から覚える
- ネットで調べて覚える
もう1つの表現は、May I ask you …?といった、空欄にさまざま情報を入れて使うものを指します。英文Eメールを書く際は、使う表現によって丁寧さを調整することができます。
例えば、「何かをできるか」尋ねる際にはCan you …?よりCould you …?を使う方が丁寧ですが、先ほどのMay I ask you to …?やWould you be able to …?といった表現を使えば、より丁寧になります。
他にもWould it be possible for you to …?等の表現もありますが、読み手にどのような印象を与えたいのかによって使い分けられるよう、様々な表現を覚えておくと良いですよ!
ここで紹介した3つは英文Eメールを書くために必須の知識なので、「足りない」と感じられる方は強化していきましょう。
2. 英文Eメールを書くために必要なポイント
英文Eメールは、決まった表現だけで全てを書くことはできません。本文は自分で考えて書く必要があるからです。前述した語彙力や文法等の知識は必須ですが、それらに加えて英文Eメールを書くために特に意識してほしい大切なポイントがあります。
結論を先に述べる
英語によるコミュニケーションについて学習したことのある方は、「結論が先」と聞いたことがあるのではないでしょうか。英語で何かを伝える場合、基本的に「結論」を先に述べることが求められます。この結論をより分かりやすく言い換えると「相手が一番知りたいこと」「話し手が一番伝えたいこと」です。
例えば、日本語で下記のような文があるとします。
スミスさんが出張のため、本日の打ち合わせは来週に変更となりました。
これを英語で表現する場合、下記のようにすることができます。
The meeting today was postponed to next week, because Mr. Smith is on a business trip.
下線部分が「結論」で、日本語と英語では文中で来る場所が異なっていることが分かります。この例は短いものですが、ポイントは理解できると思います。
英文Eメールを書く際は「結論を前に持って来ること」を意識しましょう。これは英文Eメール内のもう少し広い範囲でも言えます。例えば、段落においても「一番伝えたいこと」を冒頭に持って来ることが多く、Eメール全体でも最初の段落で結論を述べる形を取ります。
このようにすることで、読み手に伝えたい情報が伝わりやすくなります。
日本語からの直訳を避ける
英文Eメールを書くために必要なポイントの2つ目は「日本語からの直訳を避ける」という点です。厳密には「直訳に頼り過ぎない」という意味です。
英文Eメールを書く際に日本語の文を考え、それを一語一句直訳しようとする人も少なくないと思います。筆者も実際に多くの企業でEメールライティングの研修を行う際に、直訳して英文Eメールを書こうとしている方を多く見てきました。もちろん、中には直訳しても文法的、英語としての自然さに問題がない文に仕上がることもあります。
しかし、英語と日本語は語順が異なるため、日本語と同じ語順で訳した場合に誤解が生じたり、全く意味が通じない文になってしまう可能性が高くなります。他にも多くの違いがあるため、直訳では上手くいかないことが多いのです。
例えば、日本語の「白黒」を直訳した場合、white blackになりますよね。andを入れてもwhite and blackです。しかし、そうした場合、100人のネイティブがいたら100人全員にblack and whiteと修正されます。white and blackを直訳すると英語的に不自然になってしまうのです。日本語で「黒白」と聞いたら「白黒」と直したくなるのと同じですね。
また、日本語でよく登場するカタカナ語もそのまま直訳した場合(直訳と言えるかの判断は分かれると思いますが)、間違って聞こえる英語になることもあります。
例えば、試行錯誤を意味する「トライアンドエラー」を英語で表現するとtrial and errorですが、直訳でtry and errorとした場合、やはり英語圏の人達は違和感を覚えます。他にもカタカナ語をそのまま使った場合、品詞を間違えたりするといったこともあるので注意が必要です。
さらに文化的な観点から、直訳に頼りすぎると良くないこともあります。日本では、ネットでの抽選や店頭での争奪戦が毎年の風物詩となっている「福袋」ですが、これをそのままlucky bagsと直訳しても、海外のほとんどの人達には通じません。福袋という文化がないからです。
このように、直訳しても文化的な理由から通じない可能性があるという点も、英文Eメールを書く際には意識する必要があります。
英語は付け足し
最後のポイントは「英文の作り方」にあります。最初のポイントで「結論は先」と説明しましたが、英文を作る際も「重要な文の要素」から先に入れ、その後に「補足情報を足していく」形となります。
簡単に言えば、下記のようになります。
①I went to Tokyo+②with my family+③last week+④to watch a movie.
この文で最も重要な情報である「誰が何をした」という「主語と述語」を含む①の部分を文の冒頭に持ってきてから、②③④といった追加情報を①の後に付け足していきます。②~④の情報は順番が前後することはありますが、①は基本的に一番前に来ます。
英文Eメールを書くために必要な知識に加え、これらのポイントを意識することで、本文も上手に書けるようになってきます。
3. 英文Eメールを書くために使える「Chat GPT」
最後は、AIのチャットサービスである「Chat GPT」を活用して英文Eメールを書く方法です。Chat GPTには無料版と有料版があり、有料版の方がより長文に対応していたり、正確性が高まるという点があります。しかし、2023年12月時点で月20ドルの使用料がかかるため、気軽に使えるというものでもありません。通常の英文Eメールであれば、まずは無料版で十分かと思います。
では、Chat GPTが英文Eメールを書く際にどのように使えるのかを見ていきましょう。ただし、あくまで筆者が無料版を使った際の方法なので、ぜひ皆さん自身で使ってみて、他の方法も見つけ出してもらえればと思います。また、これは「英文Eメールを自分で書けるようにする」ための活用法のため、日本語で書いたEメールをそのままChat GPTで全て英訳してもらうという方法は含めていません。
単語や表現を確認する
英文Eメールを書く際に、単語や表現で悩むことがあると思います。そういった場合、思いついた英単語や表現を打ち込んで「これはどういう意味ですか?」といったように尋ねてみましょう。また、単語で迷った場合は英文を入力して「この文で〇〇という単語は自然ですか?」と聞いてみると、正しい文か、または修正案を出してくれます。
逆に、英単語が全く思い浮かばない場合は「〇〇を英語で何と言いますか?」と聞いてみるのも良いでしょう。ただし、直訳した単語など文脈に適していないものが出てくる可能性もあるため、1度その単語を使った例文を作ってから確認してみましょう。例文が作れない場合は「この単語を使った例文を3つ作ってください」などと指示してみるのも良いでしょう。
文法を確認する
これは筆者がよく行う方法ですが、書いた文に文法的な間違いがないか、Chat GPTを使ってダブルチェックするというものです。自分で文法を確認しても、間違いを見落としてしまうことはありますよね。そういったことを防ぐために、英文をそのままChat GPTに入力して「この文は文法的に正しいですか?」と聞いてみましょう。問題がある場合はその間違いを修正した文を表示してくれるだけでなく、正しい場合でも、より自然な文があれば教えてくれます。
英文Eメール全体を確認する
最後は、書いたEメールの全文を入力し、添削してもらうというものです。これは、これまでに紹介した単語や表現、文法等を確認して、Eメールが完成した時点で行うようにしましょう。とりあえず書いたものを確認もせずに入力してしまうと、勉強にならないどころか、いつまでもChat GPTに依存することになります。
また、Chat GPTに添削してもらったものでも、こちらが意図した内容とは異なるものに修正されてしまう可能性もあります。そのような可能性もあると理解した上で、必ず自身でも見直すようにしましょう。
Chat GPTはとても便利で活用するにも難しくないので、ぜひ色々と試して慣れてみてくださいね。
おわりに
今回は、英文Eメールを書けるようになるための3つの方法を紹介しましたが、これまで英文Eメールに苦手意識があった方も、少しは「これなら英文Eメールを書けそうだ!」という気持ちになれたのではないでしょうか。
冒頭でも紹介した、第7回も併せて読んでいただくことで、さらにEメールを書くために必要な知識やポイントをよく理解でき、どういった点を学習すれば良いかが明確になります。
今後、英文Eメールの重要性はさらに増していきますので、ぜひこの機会に備えておきましょう!
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