要注意! 日本人が間違えて覚えている&使っている英単語

2021年10月15日(金)
山口 秀子(やまぐち ひでこ)

はじめに

カタカナ英語や和製英語の影響か、多くの日本人が間違って覚えている・使っている英単語があります。その中でも、筆者が特に気になる4つについて、英語での正しい伝え方を解説します。例文も多数紹介するので、参考にしてください。

本人は正しい単語を使っているつもりでも、相手の外国人には意味がちんぷんかんぷん…なんてことにならないように、正しい単語で覚えておきましょうね。

1. アポ/アポイント ≠ appointment

「アポを取る」「アポイントがある」というビジネス表現、よく使うという方も多いと思います。でも、appointmentは本来「予約」や「約束」という意味で、英語でもそのまま伝わると思っていたら、ちょっと危ない!

まず、アポ(appo)という英単語はありません。“I have appo.”と言ったら、おそらく相手は、“Apple?”と聞き返してくるでしょう(笑)。

アポイント(appoint)は「任命する」「指名する」という意味の動詞です。例えば、下記のような文で使われます。

We need to appoint a new team leader.
(新しいチームリーダーを任命しなければならない。)

「予約」「約束」と伝えたい場合は、英語ではappointmentという名詞を使い、下記のように表現できます。

●「アポがある」have an appointment
I have an appointment with Mr. Smith at 10am.
(私はスミスさんと10時にお約束しています。)

●「アポを取る」make an appointment / have an appointment
I’d like to make an appointment with you to discuss the schedule.
(スケジュールについて話し合うために、アポを取らせていただきたいのですが。)

ちなみに、歯医者や美容院など「人」と会う約束の場合、同じくappointmentを使います。一方、レストランやホテルなど「場所」を予約する場合は、reservationを使いますよ。

2. オブジェクト ≠ objective

「目標」「目的」を意味するobjectivepersonal development objectives(個人開発目標)やproject objectives(プロジェクト目標)など、外資系企業やプロジェクト管理でよく使われる単語です。

The objective of this project is to increase sales.
(このプロジェクトの目的は、売上を伸ばすことです。)

また、objectiveには「客観的な」という意味もあり、反意語はsubjective「主観的な」です。

I appreciate his objective opinion.
(彼の客観的な意見をありがたく思う。)

これと似ているのがobject。似てはいますが、意味はまったく違うので、注意が必要です。objectは「物」「対象」を意味し、下記のような文で使われます。

The engineer put an object in a box.
(エンジニアは、物体を箱に入れました。)

語尾の-iveが抜けるだけで、まったく違う意味になってしまいます。誤解を招くことのないよう、意味の違いを理解し、使い分けるようにしましょうね。

3. キャラ/キャラクター ≠ characteristic

ゲームの登場人物のこと、または人の性格を「キャラ」や「キャラクター」と表しますが、これはそのまま英語でもcharacterと言います。

He has a cheerful character.
(彼は明るい性格です。)

ちなみに、キャラ=charaという単語を辞書で調べてみると、「シャジクモ属(藻類の1属)」という意味であることが分かりました(笑)。

「ゆるキャラ」はmascot charactersのように英訳されるようです。また、「漢字」のことをChinese characterと表現したりします。

一方、characteristicsは「特徴」を意味します。下記のように、複数形で使われることが多いです。

The characteristics of our new product are speed, accuracy and operability.
(新商品の特徴は、速さ・正確性・操作性です。)

ここまでの例を見ていると、長い単語を略して使う「カタカナ英語」が、日本人が英語を正しく使うことの妨げになってしまっているように感じます。カタカナ英語については、こちらの記事でも紹介しています。

4. choiceとchooseは違う

「選ぶ」という動詞にchoiceを使うのは、レッスン受講者が間違うことがとても多いものです。「チョイス」という言葉を聞く機会が多いためかも知れませんが、choiceは「選択」という名詞です。

I have no other choice.
(私には他に選択肢がありません。)

「選ぶ」という行為を表す場合は、動詞のchooseを使います。また、過去形はchose、過去分詞はchosenです。

You can choose whichever you like.
(あなたが好きな方をお選びください。)

They chose her as the team leader.
(彼らは彼女をチームリーダーに選びました。)

Option A was chosen by the client.
(顧客により、オプションAが選ばれました。)

スペルが似ていて分かりにくいかも知れませんが、ビジネスの場面でもよく使われる単語なので、正しく覚えておきましょう。

おわりに

今回は、日本人が間違って覚えている・使っている英単語をまとめて紹介しました。日頃使っている日本語の知識が、英語を正しく使うことを邪魔してしまうことがあります。そのことを頭の片隅で意識しつつ、例文を参考に、正しい伝え方を覚えていただければと思います。

皆さんも、「これって合っているのかな?」というカタカナ英語・和製英語を思いついたら、ぜひご自身で調べてみて、正しい英語での伝え方を学ぶきっかけにしていきましょう!

著者
山口 秀子(やまぐち ひでこ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン マネージャー。学生時代、ガーナに1年間留学。外資系自動車メーカーにて、南アフリカへの2年の駐在やグローバルプロジェクトのPMO、役員通訳を勤める。日系商社にて海外メーカーとの取引・交渉も経験。現在は、ビジネス英会話等のレッスンカリキュラム・教材作成を担当し、オンライン学習プログラムMOVAEICを企画・運営。TOEIC985点。

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