これは守ろう! 伝わる英文Eメールを書く際に意識したい「3つ」のポイント
はじめに
皆さんは、業務上のやり取りは何でしていますか。「電話よりEメールのほうが圧倒的に多い」という方が多いのではないでしょうか。これが海外とのやり取りとなると、さらにEメールでのやり取りは多くなりますよね。
今回は、海外とのやり取りで必要不可欠な英文Eメールを書く際に、「これは意識してほしい」という3つのポイントを紹介します。これらのポイントを意識することで、伝えたい情報を正確に伝えられるようになるのはもちろん、受け取る英文Eメールも理解しやすくなります。
それでは、英文Eメールを書く際に意識すべき点を見て行きましょう!
前提として強化すべき3つのポイント
英文Eメールを書く際に意識すべき点を見て行く前に、まずは英文Eメールを書くために強化すべき3つのポイントを紹介します。これらのポイントが身についていない場合、英文Eメールを書くこと自体が難しい可能性があります。もし「できていない」と感じるポイントがあれば、それらを強化するようにしましょう。
単語
英文Eメールを書く際に必要不可欠なものが単語です。単語の知識が不足している場合、情報を正確に伝えることはほぼ不可能です。これは英文Eメール以外でも言えますが、絶対に避けて通れないものです。
ただ、単語は一朝一夕で増やせるものではありません。少しずつで良いので、日々単語を増やす努力をしましょう。
文法
英文Eメールの本文では、伝えたい情報を自分で文にして書く必要があります。そのためには、当然ながら先述した単語も必要ですが、それらの単語をつなげるための文法の知識も必要です。特に英語の語順や時制といった部分は、最初にしっかりと理解するようにしましょう。
また、英文法は、知識として持っていても使えない可能性が高いので、学習した文法事項を使った文を書いてみるといった実践的な練習もしながら、文法を強化して行きましょう。
定型表現
英文Eメールでは、実は繰り返し使える定型表現が多く存在します。例えば、添付ファイルを送る際にはPlease see the file attached.といった表現を覚えるだけで、一から文を考えて作る必要はありません。こういった定型表現を多く覚える、または覚えられない場合にはPC上でリストを作成しておくだけで、断然英文Eメールが書きやすくなります。
参考書やネットから英文Eメールで使える定型表現を見つけて覚えることもできますし、すでに英文Eメールを受け取る環境にいる場合、その中から何度も出てくる表現を見つけ、使って覚えるのも良いでしょう。
英文Eメールの正しい構成を意識する
ここから、英文Eメールを書く際に意識すべき3つのポイントを見て行きます。3つのポイントを守ってEメールを書くことで、英文Eメールが書きやすくなるだけでなく、読み手にも分かりやすいEメールが書けるようになるため、ビジネス上での信頼度も上がります。
英文Eメールの正しい構成を意識する
英文Eメールを書く際に、正しい構成を意識することはとても重要です。なぜなら、構成がしっかりしていれば、どこにどのような情報が書かれているか、読み手がすぐに分かるからです。
とても親しい仲の人や社内でのやり取りの場合、教科書通りの構成にしない場合もありますが、特にお客様や取引先の人達には、この構成を守った英文Eメールを書く方が、相手からも信頼できる人と見られ、スムーズに仕事が進むようになります。
それでは、「正しい構成」とはどのようなものか、下記の例を見ながら確認していきましょう。
今回、しっかりと頭に入れていただきたい点は、下記の4つです。
①件名
②敬辞
③結辞
④署名
英文Eメールの構成は、日本語のEメールと大きく異なるわけではありません。しかし、英文Eメールで使う敬辞や結辞等を正しく覚えて使えるようにしましょう。
ここからは、4つのポイントを簡単に見て行きます。
①件名
件名は、Eメールを受け取った人がそれをすぐに開くか判断する上でとても重要な役割を持っています。知り合いであれば、送信者の氏名を見てすぐに開けてくれる可能性はありますが、そうでない場合、受け手が「優先する必要がある」と思う件名でなければ後回しになり、場合によってはそのまま開いてもらえないことも考えられます。
件名を書く際は、下記のような点を意識しましょう。
- 大事な情報(キーワード)は前の方に持って来る
- 日時や行動を含む具体的な内容を書く
- 分かりやすい単語で書く
- 伝えたいことを簡潔に書く
これらを踏まえ、「打ち合わせの変更」を伝えるEメールの件名には、下記のようなものが良い例と言えます。
Meeting Schedule Change for May 10
②敬辞
日本語のEメールを書く際は「〜様」と書きますが、英文Eメールでも決まった敬辞があります。基本的には、Dearの後に、下記の表に示した敬称+苗字を書きます。特に女性の場合、敬称は複数ありますが、どれを使うべきか迷った場合はMs.を使うようにしましょう。
また、ときどき海外の方からのメールでも、敬称なしでフルネームが書かれているものを見ることがありますが、こちらから送る場合には、敬称+苗字と覚えておけば失敗しません。もちろん仲の良い方にはファーストネーム(John等)のみで「Hi John,」といった形にすることもできます。
③結辞
結辞は、英文Eメールを締めくくる際に重要なものです。数多くありますが、大体の場合、下記の表の中から1つ選んで書いた後に、改行して送り主の氏名を書きましょう。
種類 | 相手 | 表現 |
---|---|---|
丁寧な結辞 | 目上の人 初めてのお客様 |
Sincerely, Best regards, |
少し砕けた結辞 | お客様 | Best regards, Kind regards, Best wishes, |
フレンドリーな結辞 | ファーストネームで 呼び合えるお客様 |
Have a nice day, Take care, Speak to you soon, |
ビジネスライクな結辞 | 仕事上での取引等 | Sincerely yours, Yours truly, |
ちなみにBest regards,は一番使われている結辞で、フォーマルな英文Eメールでも少し砕けたEメールでも使えます。
④署名
署名は自分がどこの誰なのかという情報を伝える大切なものです。Eメールの例にあるような情報(氏名、役職、会社名、住所、電話番号等)をしっかりと書くようにしましょう。これは日本語の署名と同じように、メールソフト上で保存しておけば、毎回書く必要はありません。
英語の署名と同じように、英語版の署名も作成しておくと良いでしょう。
結論を先に伝えることを意識する
英語を話す際に「結論を先に言う」とよく言われますが、英文Eメールを書く際にも全く同じことが言えます。むしろ実際に話している相手とその瞬間に存在する会話よりも、読み進めるかは読み手にかかっているEメールの方が、結論を先に書くことがより重要と言って良いかもしれません。
英文Eメールでは、本文に入ったらすぐに「どのような話について書いているか」、そして「結論がどうなっているのか」を伝えることがルールと言えます。
例えば、下記の流れでEメールを書いた場合、皆さんはどのように感じるでしょうか。
①飛行機が遅延した
②別の飛行機の手配が無理だった
③予定通り到着しない
④打ち合わせの日時を変更してほしい
この順番で情報を伝えた場合、映画を観ているかのように④のクライマックスまで何が起こるか分からない状態ですよね。しかし、英文Eメールは映画ではなく、最初からネタバレしてしまう方が読み手にとってはありがたいのです。
この内容の場合、下記の順番で情報を伝えるようにしましょう。
④打ち合わせの日時を変更してほしい
③予定通り到着しない
①飛行機が遅延した
②別の飛行機の手配が無理だった
一番重要な点は、④の結論です。理由の③や①はその後で良く、④さえ先に来れば、後の順番は①③でも③①でもあまり関係ないと言えます。
英文Eメールを書く際は、このように「結論を先に書く」という点を忘れないようにしましょう。
「3つのC」を意識する
英文Eメールを書く際に意識すべき3つ目のポイントは、「3つのC」を意識するというものです。3つのCとは、下記を指します。
①Clear:明瞭
②Concise:簡潔
③Constructive:建設的
英文Eメールを書く際に、これらを意識することで文が書きやすくなり、かつ読み手にも分かりやすいEメールになります。
Clearは「明瞭である」という意味で、誰が読んでも分かる単語や表現を中心に書くということです。難しい単語や表現を使っても「何だか読解するのに苦労する文を書く人」というレッテルを貼られてしまうかもしれないので、注意しましょう。
Conciseは「簡潔である」という意味です。日本語のEメールでは丁寧に何度もお礼やお詫びを書くこともありますが、英文Eメールでは、そういった部分や情報が重複せず、かつ回りくどい言い方は避けて書くことが大切です。
Constructiveは「建設的」という意味で、Eメールの目的が達成できる書き方になっていることが重要です。何となく書き手が求めていることを察して貰うような文を書くのではなく、伝えたいことをはっきりと書くようにしましょう。また、できるだけ肯定文やポジティブな印象を与える書き方を意識しましょう。
この3つのCを意識することで、読み手にとって読みやすく、しっかり意図も伝わるEメールが書けるようになります。
おわりに
今回は、英文Eメールを書くために意識してほしい点を紹介しました。相手に情報が正確に伝わるEメールを書くためには、単語や表現、そして文法の知識は絶対に必要です。
それらに加え、今回書いた3つのポイントを意識することで、誰が読んでも情報が正しく伝わる英文Eメールが書けるようになります。あとは実際に書きながら、英文Eメールをマスターしていただければと思います。
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