実践!ビジネス・プロセス・インテグレーション 4

ビジネスプロセスの修正ステップ

ビジネスプロセスの修正ステップ

変更点は、以下の3箇所になる。

  1. 社内の注文管理システムに注文情報を入力後、CRMシステムに対して注文情報の更新を行う処理連携を追加する(図1の4)
  2. カード決済システムにおいて決済処理が完了後、CRMシステムに対して注文処理の進捗状況を「決済済み」としてステータス情報を更新すると同時に、受注してから決済処理が完了するまでの時間を送付する(図1の7)
  3. 発送管理システムにおいて発送処理が完了後、CRMシステムに対して注文処理の進捗状況を「発送済み」としてステータス情報を更新すると同時に、受注してから発送処理が完了するまでの時間を送付する(図1の14)
表1:ビジネスプロセスの変更箇所

これらの変更を反映させた、新しいビジネスプロセスは以下のようになる。

なお、従来のビジネスプロセスのステップは青色の箱であらわしており、新しく追加したステップは灰色の箱であらわしている。そして、新しく追加したCRMシステムとの連携部分は赤い点線で囲って示している。

O社のネット注文システムのビジネスプロセス改訂版
図1:O社のネット注文システムのビジネスプロセス改訂版
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

なお、上記の新しい連携以外の従来のステップの処理内容に関しては、前回の「第3回:ビジネスフローの修正」に記述されている。

以上のように、従来のビジネスプロセスに処理連携の追加を行うことで、従来のシステムとの連携に影響を与えることなく、新しいCRMシステムとの連携を実現し、ビジネス戦略に新しい価値を付加することが可能になる。

ただし、現実的には新しい処理の呼び出しを単に追加するだけでは実現は困難であり、ビジネスプロセスで処理するデータとCRMシステムで処理するデータのセマンティックレベルでの変換なども必要になる。

この辺も含めて実際にはどう実装するべきなのかを次項で説明する。

ビジネスプロセスの実装

以下ではCRMシステムを導入したことによるプロセスへの変更を実装するために具体的にどのような手順が必要となるのかを見ていこう。

CRMシステムへの連携が追加される箇所は次の3箇所である。

  1. 注文情報入力後の注文情報更新処理
  2. 決済処理完了後のステータス情報更新処理
  3. 発送処理完了後のステータス情報更新処理
表2:CRMシステムとの連携箇所

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