最新Eclipse 3.1によるEclipse再入門 1

ちょっとうれしい新機能

ちょっとうれしい新機能

Eclipse3.1は、J2SE5.0の新機能対応に限らず、IDEとしても機能強化されており、その中でも筆者が「ちょっとうれしい」と感じるものをいくつか紹介します。

エディター内のハイライト表示

コード上で変数やメソッド、クラス名などをクリックすると、エディター内で参照されている箇所がすぐさまハイライト表示されます。これにより、コードの流れを追いやすくなっています。また、catch節内の例外クラス名をクリックすると、その例外をスローするコード部分をハイライト表示してくれます。

ハイライト表示された変数

public static void main(String[] args) {
   System.out.println(args);
}

Ant対応機能の大幅な機能強化

これまではechoを利用してちまちまデバッグしていたビルドファイル作成作業ですが、新たに追加された「Antデバッガー」を使ってブレークポイント設定やステップ実行、プロパティー値の表示などが可能になっています(図1)。


Antデバッガー
図1:Antデバッガー

このほかにも、Javaエディターと同じくハイライト表示や、「Conrol」キーを押しながらクリックすることで定義箇所にジャンプするといった機能強化もなされています。

デバッグ機能の強化

デバッグ関連の新機能では、今までは有償ツールなどに頼ることの多かった、モニター取得の状態表示とデッドロック検出ができるようになっています。 Javaアプリケーションの実行を一時停止した状態で、「デバッグ」ビューのドロップダウン・メニューで「モニターの表示」を切り替えることで、「デバッグ」ビューのインラインで表示できます。デッドロックに含まれているスレッドおよびロックは、赤色で強調表示されます(図2)。


モニター取得の状態表示とデッドロック検出
図2:モニター取得の状態表示とデッドロック検出

Genericsへのリファクタリング

図3左側のようにGenericsを利用していないコードがある場合、エディターを右クリック→「リファクタリング → 総称型引数の推測」と選ぶことで、図3右側のようにGenericsを利用したコードへとリファクタリングできます。


Genericsリファクタリング
図3:Genericsリファクタリング

例では、List→List、ArrayList()→ArrayList () 、Iterator→IteratorのようにGenericsを使ったコードに、iter.next()で取得したオブジェクトのキャストGenericsに沿った形でリファクタリングされます。

foreachテンプレート

拡張for文に対応したテンプレートforeachが追加されました。繰り返し処理をさせたい箇所でforeachと入力し、「Control+Space」キーで表示される"foreach"を選択することにより、図4のように拡張for文のテンプレートが生成されます。


foreachテンプレート
図4:foreachテンプレート

なお、J2SE1.4のforとの重複を解決するため、テンプレートの名称はforeachですが、実際のコードはforとなります。

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オープンソースの統合開発環境として定番の地位が揺るぎないEclipse(エクリプス)。プラグインによりその機能を自由に拡張することができるアーキテクチャによって、今ではJava開発環境の枠を越えて汎用的なアプリケーションフレームワークとして利用されている。2005年末に正式リリースされたサーバサイドWebアプリケーション開発環境Web Tools Platform(WTP)、Webを超えたユーザーインターフェースを提供するEclipse RCP(Rich Client Platform)など、Eclipseの最新版3.1とその周辺技術にスポットを当て、最新情報を余すことなく解説!

発売日:2006/02/02発売
定価:\2,079(本体 \1,980+税)

 

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