最新Eclipse 3.1によるEclipse再入門 3

Deprecatedアノテーション

Deprecatedアノテーション

Deprecatedアノテーションは、その名前から想像できる通り、バージョンアップや仕様変更などによって古くなり、使用を非推奨としたいメソッドに注釈付けするために使います。

Overrideアノテーションと同じように非推奨としたいメソッド(ここではdeprecatedMethod)に@Deprecatedと記述します(図5)


Deprecatedアノテーションを記述
図5:Deprecatedアノテーションを記述

Eclipseの機能で、エディターに表示されているメソッド名に取り消し線が付き、グラフィカルに非推奨であることがわかります。

Deprecatedアノテーションの動作を見るため、「AnnotationsTest」クラスを作成し、deprecatedMethodを呼び出してみます(図6)。ファイルの保存と同時にコンパイルされ、deprecatedMethodが非推奨メソッドであり、呼び出すべきではないことが 警告として表示されます。



Deprecatedアノテーションを記述したメソッドの呼び出し
図6:Deprecatedアノテーションを記述したメソッドの呼び出し

SuppressWarningsアノテーション

J2SE 5.0から機能追加されたGenericsによって、あらゆる種類コレクションがタイプセーフ操作できるようになります。しかし、Genericsのために、コレクションがタイプセーフの宣言なしに使用されると、コンパイラは警告を投げるようになりました。

これは、J2SE 5.0用に書かれたコードには便利なのですが、J2SE1.4やそれ以前のバージョン用に書かれたコードに対しては頻繁に警告を受けるため、わずらわしく感じます。

そんな時に役に立つのがSuppressWarningsです。次のようなタイプセーフではないソースコードを記述すると、警告が表示されます(図7)。



タイプセーフではないコード
図7:タイプセーフではないコード
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

ここに@SuppressWarnings("unchecked")と記述すると、エラーを抑止できます(図8)。SuppressWarningsアノテーションは、Override、Deprecatedアノテーション(この2つはマーカーアノテーションと呼ばれ ます)とは異なり、値を持っています。

例では「unchecked」を使用しましたが、他にも「all」「boxing」「dep-ann」など様々な値を定義することが可能です。様々な値があるといっても、用途や定数を覚える必要はありません。



SuppressWarningsアノテーションで警告を抑止
図8:SuppressWarningsアノテーションで警告を抑止

なぜなら、Eclipseにはクイック・フィックスという機能があり、警告に応じて適切に値を設定してくれるからです。エディターに警告がでている状態で「Control+1」キーを入力するかメニューから「編集→クイック・フィックス」を選ぶと、クイック・フィックス機能によって適切な @SuppressWarningが設定されます(図9)。



クイック・フィックス機能で適切なSuppressWarings
図9:クイック・フィックス機能で適切なSuppressWarings
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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