Eclipse WTPによる標準開発ツールの提供 1

Eclipse WTPを構成する多彩な機能

Eclipse WTPを構成する多彩な機能

Eclipse WTPから提供されるツールの主な機能をまとめると表1、2のようになります。


機能 概要
HTML、XML、JavaScriptなどの各種エディタ コードアシストや検証機能など強力なエディタ機能
DBサーバーエクスプローラ
SQLスクラップブック
DBの接続を行い、データの操作やSQLの発行が可能
ブラウザ、TCP/IPモニター Eclipse内で使用可能な簡易ブラウザの搭載やTCP/IPの流れをモニタ可能
WSDL/DTD/XSD用のユーティリティ XML/DTD/XSDファイルの生成に用いるウィザードや編集用ツール
WSDL/XSD用グラフィックエディタ
UDDI/WSDL用のエクスプローラ
WSDL/XSDファイルの生成に用いるウィザードや編集用ツール
表1:WSTプロジェクト提供機能

機能 概要
JSP、EJB、Webサービス用エディタ ほかのエディタと同様にコードアシストや検証機能など強力なエディタ機能を提供
サーバツール J2EEサーバの起動、デバック、終了といった管理が可能
ナビゲーションツール J2EE用のパースペクティブ、ビュー
J2EEモジュール管理ツール WAR、EJB-JAR、RAR、EARなど、サーバ配備モジュールに対する操作ツール
ウィザード EJB、Webサービスなどに対応したウィザード
表2:JSTプロジェクト提供機能

主な機能のみ表にしましたが、Eclipse WTPのプロジェクトの趣旨どおり、ServletやJSPのみならずEJB、Webサービス、TCP/IPモニタなどあらゆるWeb/J2EEのアプリケーション開発を想定したツールが提供されています。また各機能は独立しているので、J2EEアプリケーション以外の開発の場合においてもDBクライアントとしての機能のみを利用することも可能になっています。

Web/J2EE開発のデファクトツールになりえるのか?

ここまででEclipse WTPは多くの機能を1つにまとめて提供するプロジェクトだということがわかっていただけたと思います。ここからはWTPを導入していくことの効果について考えることで、Web/J2EEの開発ツールのデファクトスタンダードになるのかを考えてみようと思います。

まず、プラグイン管理にかかるコストの軽減が考えられます。Eclipse WTPによって標準的なプラグインをまとめて提供されることにより、利用するプラグインの総数は確実に減り、プラグイン管理から開放されます。また、利用するプラグインが異なることに起因するコミュニケーションロスも減らすことができます。

次に、UIの統一化があげられます。今まで各プラグインはそれぞれ独自に開発されていたので、UIに関してもバラバラに開発され、統一感というものはあまりありませんでした。しかし、Eclipse WTP内で開発されるものはUIが統一されているので、操作感覚の違いに戸惑うことは少なくなり、より開発の効率が向上します。

最後に各ツールのクオリティの向上があげられます。Eclipse WTPはEclipseの公式プロジェクトとして公開されているため、多くの人の監視を受けることになります。開発のスピードやバグの修正に関して監視が行われるため、開発が迅速に進み、クオリティも高まることが期待できます。

Eclipse自体は使いやすさと高クオリティのため、デファクトスタンダードツールになりました。Eclipse WTPもクオリティは高いと思いますし、さらなる開発でより使いやすくなるでしょう。このように、Eclipseと同様にEclipse WTPはデファクトスタンダードになり得るポテンシャルを持ち合わせているということがいえます。実際、私の周囲のプロジェクトでも徐々にEclipse WTPの利用がはじまっており、さらに今回日本語化も行われたこともあって、今後は国内での利用も進むと予想されます。

Eclipse WTPのツールが使いやすいという点は、実際に触って確かめてもらう以外ないと思うので、是非インストールして触ってみることをお勧めします。

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