JBoss Enterprise Application Platformの全貌 4

Webコンテナ

Webコンテナ

Apache Tomcatをベースに開発されているためTomcatと互換性があり、Tomcatで動作しているアプリケーションをJBoss Webにそのまま移行した場合でも、ほとんど問題なく動作させることが可能です。なお、JBoss EAP 4.2.0.GAではTomcat 6.0.10がベースとなっています。

クラスタリング

エンタープライズレベルの高速キャッシュ機能を提供するJBoss Cacheを利用して、エンタープライズレベルのセッションリクエストのレプリケーションを処理できるように強化されています。なお、過去のJBossクラスタリングではスケーラブルに性能が伸びないという問題がありましたが、クラスタリング機能にJBoss Cacheが採用された新しいバージョンからはこの問題が解消されています。

トランザクション

トランザクション機能としてはJBoss Transactionsが利用されています。JBoss Transactionsはトランザクションの分野で多くの実績を持ち、かつ定評が高かったArjuna Transaction Serviceがベースとなっており、すでにJBossコミュニティに参加して進化を続けています。ほかにも分散トランザクション管理機能だけではなく、完全なリカバリソリューションも提供されています。

コネクタ

リレーショナルデータベースやレガシーシステム、JMSサーバなど、外部のシステムとの連携時に利用されるコネクタ機能については「JBoss JCA」が利用されています。これにより、ユーザは特に意識することなく信頼性の高いデータソースや接続ファクトリを利用することができます。

管理機能

JBossマイクロカーネルを利用することにより、JMXベースの管理機能に対して一元化することができます。EJBやJMSといった J2EE/Java EEの機能を利用する場合、JBoss EAPに付属するモジュールを利用することができます。もちろん、使用しない場合はこれらの機能を削除したり、削除した後に再び追加することも可能です。

JBoss Webの設定

次に、JBoss Webの設定について説明します。JBoss Webは「/jboss-as/server/サーバ名>/deploy」直下にある「jboss-web.deployer」というディレクトリに配置されています。このディレクトリ以下にJBoss Webの設定およびJBoss Web上で動作するWebアプリケーションの設定を行うためのXMLファイルが存在します。

これらのXMLファイルを編集することで、設定の変更などができるようになっています。ただし、これらの設定はTomcatとほぼ同等であるため、Tomcatを利用されたことがあるならば、容易にJBoss Webの設定を習得することができるでしょう。


JBoss Webの設定ファイル
図2:JBoss Webの設定ファイル

ファイル名 概要
server.xml JBoss Webの動作を定義するための設定ファイル。jboss-web.deployerディレクトリ直下に配置。外部コネクタの設定やスレッド数、ロギングの設定など、さまざまな設定を行うことが可能。もっとも頻繁に編集される設定ファイル。
jboss-service.xml JBoss Webをマイクロカーネルのサービスとして設定するためのファイル。jboss-web.deployer/META-INFディレクトリ直下に配置。
web.xml サーブレットの仕様で定義されているWebアプリケーションの定義ファイル。デフォルトではjboss-web.deployer/confディレクトリ直下に配置。
context.xml Webアプリケーションで適用されるデフォルトのコンテキスト設定を定義したファイル。jboss-web.deployerディレクトリ直下に配置。
表2:Webアプリケーションの設定を行うためのXMLファイル

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