SGIDビッドとスティッキービットの設定例
SGIDビッドとスティッキービットの設定例
次にSGIDビッドがない場合とSGIDビットがある場合、そしてSGIDビットとスティッキービットがある場合を比較した設定例について紹介していきます。
1:SGIDビットをセットしない場合
chown root.presales /work1; chmod 770 /work1
このようにセットすると、presalesグループに所属する全ユーザが/work1にファイルを書き込み、保存、削除が可能ですが、/work1にあるファイルは、そのファイルを更新したユーザの所有、グループ所有になります。
- ユーザkogaがユーザtanakaのファイルを更新すると、そのファイルは、ユーザkoga、グループkogaの所有に更新されます
- presalesグループに所属する他人のファイルを上書き、削除できます
2:SGIDビットをセットした場合
chown root.presales /work2; chmod 2770 /work2
このようにセットするとpresalesグループに所属する全ユーザが/work2にファイルを書き込み、保存、削除が可能ですが、/work2にあるファイルの所有権は、グループの所有権(=presales)であり、そのユーザの所有にはなりません。
- ユーザkogaがユーザtanakaのファイルを更新しても、そのファイルのユーザとグループ名に変更はありません。そのファイルはpresalesグループに所属したままです
- presalesグループに所属する他人のファイルを上書き、削除できます
3:SGIDビットとスティッキービットをセットした場合
chown root.presales /work3; chmod 3770 /work3
このようにセットするとpresalesグループに所属する全ユーザが/work3にファイルを書き込み、保存、削除が可能ですが、そのファイルの所有権は、グループの所有権(=presales)であり、そのユーザの所有にはなりません。
- ユーザkogaがユーザtanakaのファイルを更新しても、そのファイルのユーザとグループ名に変更はありません。そのファイルはpresalesグループに所属したままです
- presalesグループに所属する他人のファイルを上書き、削除できます
このように、ディレクトリにSGIDをセットすることにより、そのディレクトリに置いたファイルはグループの所有となります。またスティッキービットを設定した場合はファイル作成者以外のユーザが上書きは可能ですが、削除はできない点に注意してください。