改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 管理編 2

SGIDビッドとスティッキービットの設定例

SGIDビッドとスティッキービットの設定例

次にSGIDビッドがない場合とSGIDビットがある場合、そしてSGIDビットとスティッキービットがある場合を比較した設定例について紹介していきます。


1:SGIDビットをセットしない場合

  chown root.presales /work1; chmod 770 /work1

このようにセットすると、presalesグループに所属する全ユーザが/work1にファイルを書き込み、保存、削除が可能ですが、/work1にあるファイルは、そのファイルを更新したユーザの所有、グループ所有になります。

 

  • ユーザkogaがユーザtanakaのファイルを更新すると、そのファイルは、ユーザkoga、グループkogaの所有に更新されます
  • presalesグループに所属する他人のファイルを上書き、削除できます
表3:SGIDビットをセットしない場合

2:SGIDビットをセットした場合

chown root.presales /work2; chmod 2770 /work2

このようにセットするとpresalesグループに所属する全ユーザが/work2にファイルを書き込み、保存、削除が可能ですが、/work2にあるファイルの所有権は、グループの所有権(=presales)であり、そのユーザの所有にはなりません。

  • ユーザkogaがユーザtanakaのファイルを更新しても、そのファイルのユーザとグループ名に変更はありません。そのファイルはpresalesグループに所属したままです
  • presalesグループに所属する他人のファイルを上書き、削除できます
表4:SGIDビットをセットした場合

3:SGIDビットとスティッキービットをセットした場合

  chown root.presales /work3; chmod 3770 /work3

このようにセットするとpresalesグループに所属する全ユーザが/work3にファイルを書き込み、保存、削除が可能ですが、そのファイルの所有権は、グループの所有権(=presales)であり、そのユーザの所有にはなりません。

  • ユーザkogaがユーザtanakaのファイルを更新しても、そのファイルのユーザとグループ名に変更はありません。そのファイルはpresalesグループに所属したままです
  • presalesグループに所属する他人のファイルを上書き、削除できます
表5:SGIDビットとスティッキービットをセットした場合

このように、ディレクトリにSGIDをセットすることにより、そのディレクトリに置いたファイルはグループの所有となります。またスティッキービットを設定した場合はファイル作成者以外のユーザが上書きは可能ですが、削除はできない点に注意してください。

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