サーバクラスタ(MSCS)
サーバクラスタ(MSCS)
Wolfpackの流れを組むのがこのサーバクラスタであり、最初に詳細を紹介します。サーバクラスタは、表2のWindowsサーバOSでのみで利用可能で、データベースなどの基幹アプリケーションに対して高い可用性とスケーラビリティを提供します。
クラスタを構成するノードの1つが、メンテナンスのための予定されたダウンタイム、または障害による予定外のダウンタイムのいずれかによって使用不能となった場合は代わりに別のノードがエンドユーザにサービスを提供します。
このプロセスはフェイルオーバーと呼ばれます。フェイルオーバーが発生した場合、クラスタサービスにアクセスしているユーザはそのままサービスにアクセスでき、そのサービスが別のサーバ(ノード)から提供されていることに気付かずに利用できます。
Wolfpackという名前に負けていたものが、Windows Server 2003でその名前があらわす規模にようやく追い着いたといえるでしょう。
| Windows OS | ノードの最大数 |
| Windows NT Enterprise Edition(WLBS) | 2 |
| Windows 2000 Advanced Server | 2 |
| Windows 2000 Datacenter Server | 4 |
| Windows Server 2003 Enterprise Edition(64bit含む) (注1) |
8 |
| Windows Server 2003 Datacenter Edition(64bit含む) (注1) |
8 |
クラスタの構成として各稼動サービスをリソースといい、それをグルーピングしたものをクラスタグループといいます。

図1:4ノードクラスタ構成の例
図1のネットワーク側はアプリケーションから通常1つのアドレスへのアクセスとなるように仮想アドレスを利用します。この単一クォーラムデバイスクラスタのモデルは前述した表2であげた全OSで利用できる構成となります。
一方、Windows Server 2003ファミリーからマジョリティノードセットサーバクラスタが追加されました。図1の各ノードにそれぞれクォーラムデータを持つ構成ですが、障害を起 こしたノード数が一定数に達するとクラスタが機能しなくなるという欠点があります。
ただし、マジョリティノードセットサーバクラスタは遠隔地で構成することもでき、3ノードはA拠点、5ノードはB拠点というような構成を組むことが可能です。ご興味がおありの方はぜひ下記URLを参照してください。
地理的に分散したクラスタ
サーバクラスタにはサポート済み構成を利用するべき
サーバクラスタ構築後に問題となる点として最も多いのがハードウェア構成についてのサポートですので、構想段階に必ず採用しようとしているハードウェア構成がサポート済み構成かどうかを確認してください。次にFAQ(よくあるご質問集)から一文を抜粋します。
認定済みのソリューションは、http://www.microsoft.com/hwdq/hcl/(※対象ページ閉鎖)で公開されているMicrosoftハードウェア互換性リスト(HCL)に記載されています。マイクロソフトによってサポート済みのクラスタ ソリューションは、HCLに記載されているもののみです。
マイクロソフトのクラスタ対応アプリケーション
OSに含まれるサービスでクラスタに対応しているのはDHCP/MSDTC/IIS(注2)/ファイル共有/メッセージキュー/MSMQトリガ/印刷スプーラ/WINSです。その他にクラスタに対応しているマイクロソフト製品は次の通りです。
- SQL Server 6.5/7.0/2000およびそれ以降
- Exchange Server 5.5およびそれ以降
- Services for UNIX 3.0およびそれ以降
これら以外にもクラスタ構築に関して疑問が多く寄せられるのがサーバクラスタです。ぜひ下記URLの資料を参考にし、ハードウェアを購入するベンダーとよく相談していただければスムーズなクラスタ構築が行えます。