保存したプログラムが消える恐怖
保存したプログラムが消える恐怖
2つ目のお話は20代 SEのO氏が上司から聞いた懐かし系の怖い話だ。
「うちの会社の上司にPさんという人がいるんですけどね、ネットワーク経由じゃなくてデータを渡すときに、どんな重要度の低いものでも結構値段の高いメディアに保存しているんですよ。それも自腹で。
会社で使うデータだから自費で購入する必要はないのに、他の人に聞いても『Pさんはああいう人だから』っていうだけなんですよ。だからPさんか らデータをもらうのに気が引けてしまって、ついつい『あ、このUSBメモリに入れてください』って、僕の私物のUSBメモリを渡す始末ですよ。こういう のって気になりません?
それで、ある日飲み会の席で聞いてみたんですよ。『なんでそんな高いメディアを、しかも自費で購入してまで使うんですか?』って。最初はしぶっていたMさんでしたが、とにかくお酒を飲ませて話させてやりましたよ」

「そしたら『いや、昔ね、1週間がかりで入力したプログラムをテープに保存したんだけど、そのテープがあまりいいものじゃなくて、次の週にはもうロードできなくなっててねぇ。それからどうも安いメディアって信用できないんだよ』だって。
そんなにテープストレージって、品質悪かったんですかね? え、テープ違い?」
なおP氏は、「雑誌に載っていたソースコードに印刷ミスが原因のバグがあって、そのままじゃ動かないものが多かった」とか「意味もわからずにと にかくそこに書かれているプログラムを入力するだけだったのは、拷問だ」などなど、世代の差を感じさせるパソコン談義上戸ぶりを披露したとのこと。
「ああいう人だから」にはそういう意味も含まれていたようだ。
これは30代後半の人なら、1度は体験しているだろう懐かしくも怖い話だ。ちなみに筆者はテープレコーダを買い換えたら、保存してあったプログ ラムが全部ロードできなくなって途方にくれた経験がある。その後もノーブランドのフロッピーディスクや生産国不明のDVD-R、怪しげなSDカードなどで も同じ目を食らっている。
やはり大切なデータはそれなりのメディアで保存しておきたい。決してP氏は私のことではないので注意してほしい。
さて、次ページではこれまでとは赴きが異なる「本当に怖い」バグ話をお届けしたい。
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この記事の筆者
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2004年の開設当初からOSS(オープンソースソフトウェア)に着目、近年は特にクラウドを取り巻く技術動向に注力し、ビジネスシーンでOSSを有効活用するための情報発信を続けています。クラウドネイティブ技術に特化したビジネスセミナー「CloudNative Days」や、Think ITと読者、著者の3者をつなぐコミュニティづくりのための勉強会「Think IT+α勉強会」、Web連載記事の書籍化など、Webサイトにとどまらない統合的なメディア展開に挑戦しています。
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