バックアップ
バックアップ
バックアップのとり方は使用する構成管理ツールによって違います。今までは何種類かのツールを用いてプロジェクトを運営していたので、その分だけバックアップを行わなければなりませんでした。
プロジェクトサイトのデータに限らず、VS2005 TFSのデータはすべてSQL Server 2005のデータベースに格納されます。アップロードした成果物やコンテンツの設定などもこの中に含まれます。
このためSQL Server 2005付属のManagement Studioを使って、データをバックアップ、リストアします。データベースごとにバックアップを行っているので、セキュリティ情報、アクセスレベル、サイトコンテンツなどを完全に元の状態まで復元できます。
今回検証を行ったβ3ではバックアップしなければならないデータベースは全部で11個あります(表4)。これらはデータの整合性を保つため、同時期にバックアップをとる必要があるでしょう。
- ReportServer
- ReportServerTempDB
- STS_Config
- STS_TEAMSERVER_1
- TfsActivityLogging
- TfsBuild
- TfsIntegration
- TfsVersionControl
- TfsWarehouse
- TfsWorkItemTracking
- TfsWorkItemTrackingAttachments
データベースのバックアップの実行や復元、スケージュール登録方法についてはSQL Server 2005の範囲になるので今回は触れません。
以上、主に管理者が頻繁に行わなければならない作業であるユーザの管理とバックアップ作業が従来のものより容易に行えることがわかっていただけたかと思います。
プロジェクトサイトの問題点
ここまでプロジェクトサイトの良い面のみをあげてきましたが、悪い面もいくつか持ち合わせています。
Officeのバージョン
ここまでプロジェクトサイトでは、IEとOfficeがあればよいと紹介してきました。しかしOfficeのバージョンが2003でないと、Webブラウザ上からは読み取り専用でしか開くことができないといった制限があります。
このため一度ローカルへ保存し編集してから再度アップロードしなおさなければなりません。制限なくプロジェクトサイトを使うには、Officeのバージョンは2003でなければなりません。
ディスクの圧迫
プロジェクトサイトのバージョン管理機能はとても使いやすく便利なのですが、保存するたびにファイルのコピーを作成するため、ハードディスクの容量を激しく消費します。画像を大量に含むドキュメントなどを頻繁に更新されると、目を覆いたくなります。
よって定期的に過去のバージョンを削除する必要がありますが、管理者がすべてのドキュメントを把握しているわけではありません。結局ドキュメントを更新する人まかせになってしまいます。
このようなことを気にしながら作業をしなければいけないことや、こういった運用を説明し理解してもらわなければならないというのは、はじめての人でも直感で使えるユーザインターフェースになっているプロジェクトサイトの利点を損なってしまっているのではないでしょうか。是非、差分管理が行えるようにしてほしいものです。
まとめ
VS2005 TFSのプロジェクトサイトを用いることで「チーム開発の効率化」「情報共有の効率化」「管理コストの削減」が可能かを説明してきました。若干の問題点を残すものの、プロジェクトサイトを利用した際に得られるメリットに比べたら小さいと思います。
筆者自身、構成管理者として上司の見えないところで影ながら血のにじむような努力をしていますが、周りから見ればできていて当たり前というのが構成管理です。トラブルが起こるとプロジェクトメンバーからメールが飛んできます。そして、自分も対応に飛んでいかなければなりません。
このような作業は思ったよりも時間のかかるものだということはわかってもらえず、通常の業務のかたわらに行わなければならない状態です。ミスでデータの紛失などしてしまったらそれこそ大問題で、もれなく"責任"のみがついてきます。責任の重みを変えることはできません。しかし、VS2005 TFSを用いることでリスクを減らすことは可能なのです。
構成管理を担当する身としては、一刻も早くVS2005 TFSとVS2005の組み合わせに移行したいところです。各々の連携がとれ安心して利用できる状況は、管理者にとってもプロジェクトメンバーにとってもありがたいものですね。
VS .NET2003の時にVS2005 TFSと同等の機能があったら、私はきっと今より5歳は若く見えることでしょう。