ウェブマスターツールを導入しよう
検索エンジンでの登録状況、把握できていますか?
現在、過半数以上のインターネットユーザーが日常的に検索エンジンを利用して、興味や関心のあるサイトを探し出し、訪問しています。数百億以上も存在するWebページの中から目当ての情報をキーワード1つで探し出せるのですから、当然ながら利用者はたくさんいますし、またWebにおける唯一のナビゲーション手段といっても差し支えないでしょう。
さて、ホームページを運営している個人や団体、企業など情報発信側にとってみると、単にWebに公開するだけでなく、それを必要な人に、必要なタイミング(=検索した時)で届けることが必要です。つまり、発信した情報を、見つけやすくする(findable)にする作業が必要です。その1つの手段が「SEO(検索エンジン最適化)」という手法です。
SEO、つまり発信情報の検索性を高めるためにはクローラビリティ(Crawlability)、ファインダビリティ(Findability)、レリバンシー(Relevancy)の3つが必要ですが、今回は最初のクローラビリティを中心に紹介していきます。
さて、クローラビリティとは、公開したWebページが適切に検索エンジンに巡回(クロール)され、登録されるか、その適応性を表します。検索エンジンは、クローラと呼ばれるWeb巡回ロボットを使用して世界中のWebページを機械的に収集していますが、どんなに優れたコンテンツ(内容)を公開しても、技術的にクロールできないものや、そのページの在りかを示すURLが見つけられなければ、登録されませんし、従って検索結果にも現れないのです。
「良いコンテンツを公開すれば、自然と検索エンジンにヒットする」は検索会社が掲げる理想ですが、現実はクロールできないページや、ページの在りかがわからなければインデックス(Web検索のデータベース)に登録されないので、いくらキーワード検索しても見つけられないのです。
では、どうやって検索エンジンに登録するか、自分のサイトが検索エンジンに適切に登録されているかを判断するにはどうすれば良いでしょうか。それが、検索各社が提供するウェブマスター向けツールです。
検索各社がデータ提供するウェブマスター向けツール
「ウェブマスター向けツール」とは、具体的にはGoogleの「ウェブマスターツール(https://www.google.com/webmasters/tools/)」、Yahoo! JAPANの「サイトエクスプローラー(http://siteexplorer.search.yahoo.co.jp/)」、Live Search(MSN)の「ウェブマスターセンター(http://webmaster.live.com/)」の3つです(名前が混乱しますので、以下、検索会社名を先頭に入れて表記します)。
3社それぞれが提供するツールは、提供される機能や仕様がすべて異なります。しかし、「自分が管理するサイトが検索エンジンにどのように登録され、分析されているかを確認するためのツール」というコンセプトは共通しています。つまり、このツールを通じて、ネット上に公開したWebページが検索エンジンに認識されているか、クローラが自分のサイトをどのくらいの頻度で巡回し、クロールしているのかといった情報を取得できるのです。
これら管理者向けツールは、何もSEOの導入を進めているユーザーにだけ関係するものではありません。例えば、データベースと連携してWebページを動的に生成しているサイトの場合、クローラのアクセス過負荷によってサーバー全体が重くなり一般訪問者のサイト閲覧に支障が出る場合があります。この時、各社のウェブマスター向けツールを使用してクローラのアクセス頻度をコントロールして、サーバー負荷を下げるといったことが可能です。
また、サイトの一部に不特定多数のユーザーに公開することを望まない情報や、検索エンジンでヒットさせたくないものがあった時、robots.txt(クローラに対し命令を記述するファイル)を使って特定ファイルやディレクトリをインデックスから除外する措置を行うことがあります。このケースでは、万が一、robots.txtの記述方法が間違っていると、クローラはそのままアクセスしてしまいます。ウェブマスターツールを使用すると、robots.txtをどのように解釈したかの確認レポートを閲覧できますので、万が一の事故を避けることができます。