米Microsoftが「ChakraCore」公開、OpenStackでのクラウド基盤構築は2017年ごろから本格化、ほか

2016年1月22日(金)
吉田 行男
25日、米国Mozilla財団は、2014年の財務報告書を開示しました。売上高は、3億3,000万ドルで、前年比4.9%増加しています。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

今週月曜日の東京に続いて、大阪や名古屋などでも初雪を観測し、本格的な冬の訪れを実感した一週間でした。関東では雪の影響で鉄道の運行に支障が出て、首都圏の交通網は相変わらず雪に弱いと実感しました。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

米国Microsoftが「Edge」のJSエンジン「ChakraCore」を公開、Linux移植計画も発表

米国Microsoft社は13日、「Microsoft Edge」の「JavaScript」エンジン「ChakraCore」をオープンソースとして公開しました。ライセンスはMIT Licenseを採用し、Linuxに移植することも予定しています。ChakraCoreはx86/x64/ARM向けにJavaScriptのJITコンパイラ、ガベージコレクションなどをを実装したもので、JavaScript Runtime(JSRT)APIのサポートにより、アプリケーションにChakraCoreを簡単に組み込むことができます。ChakraCoreはスタンドアロンのJavaScriptエンジン技術であり、これを利用して「Windows 7 SP1」上でC++をサポートした「Visual Studio 2013」または同2015でビルドでき、今後はオープンソース形式で開発を進めていくとしています。

(参照記事:https://osdn.jp/magazine/16/01/15/150000

PostgreSQL互換のストリームデータ分析DB「PipelineDB」に商用版が登場

米国PipelineDB社は14日、PostgreSQLをベースにしたオープンソースのデータベース「PipelineDB」の商用版「PipelineDB Enterprise」がリリースしました。PipelineDBは、ストリームデータに対して継続的にSQLクエリを走らせることができるため、リアルタイムでデータを分析することが可能です。また、SQLで定義できるものであればETL(データの取り出し、変形、読み込み)操作なしで利用できます。現在は、PostgreSQL 9.4ベースにしていますが、2016年3月までにはPostgreSQL 9.5との互換性も持たせる予定で開発しています。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1601/18/news040.html

バイドゥの人工知能研究所、オープンソースの機械学習ソフトウェア「Warp-CTC」をリリース

米国Baidu Research社のSilicon Valley AI Lab(SVAIL)は、機械学習ソフトウェア「Warp-CTC」を、14日にオープンソースソフトウェアとしてリリースしました。Warp-CTCは、シーケンス予測によって入出力の学習なしでの教師あり学習に用いられるCTCアルゴリズムを用いた機械学習ソフトウェアで、NVIDIA GPUにも対応し、深層学習のさらなる簡易化、および高速化を目的としています。

(参照記事:http://codezine.jp/article/detail/9199

OpenStackでのクラウド基盤構築は2017年ごろから本格化ーーIDC調査

IDC Japanは18日、2014年における国内クラウドインフラストラクチャソフトウェア市場規模実績と2019年までの市場規模予測を発表しました。2014年の国内クラウドインフラストラクチャソフトウェア市場は前年比38.4%増の143億7,300万円、2015年には前年比36.5%増の196億1,500万円になると予測しています。また、2015年ではプライベートクラウド向けの売り上げが67.4%を占めるとみるほか、この市場の2014年〜2019年の年間平均成長率を31.8%、2019年には2014年の約4倍の規模となる572億円に達すると予測しています。さらに、プライベートとパブリックの両方においてOpenStackを採用したクラウド基盤の構築が2017年頃から本格化し、OpenStackディストリビューションや機能拡張を図るためのソフトウェアの売上も市場成長に寄与するとみています。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/article/35076384/

自動運転車向け「IZAC-OS」、ZMPとジグソーが共同開発−Linuxベースのセキュア・高性能なリアルタイムOS

ZMPとジグソーは19日、Linuxをベースにセキュリティやパフォーマンスを強化した自動運転用リアルタイムOS「IZAC-OS」を共同開発すると発表しました。IZAC-OSは、自動運転車両向けリアルタイムLinux OSで、外部攻撃を遮断する安全な自動運転・自律移動、安定かつハイパフォーマンス、量産化を見据えた開発設計思想を実現するための基盤です。ジグソーは、同社が保有するコンテナ型セキュアOSテクノロジーをベースにしたIZAC-OS向けオリジナルカーネルの提供を開始しており、今後両社は公道実験等を通してさまざまなセキュリティ・耐久性に関するテストを繰り返し、世界で最も強固な独自OSとしてIZAC-OSを共同開発していくとしています。

(参照記事:http://ascii.jp/elem/000/001/106/1106843/

編集後記

南半球のオーストラリアでは、18日からテニスの全豪オープンがメルボルンで始まりました。錦織選手は順調に勝ち進んでいますが、その他の日本選手は苦戦しているようです。
また、23歳以下のサッカー日本代表もオリンピックアジア最終予選でグループリーグを無事突破しましたが、これからが本番なので、一層の活躍を期待したいものです。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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