レッドハットが「OpenStack Platform 8」発表、米Googleと米AmazonがAI分野のOSSリリース、ほか

2016年5月20日(金)
吉田 行男
レッドハットは17日、「Red Hat OpenStack Platform 8(OSP 8)」とOSPを含むクラウド基盤スイート「Red Hat Cloud Suite」を提供開始しました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

16日に沖縄気象台は「沖縄地方が梅雨入りしたとみられる」と発表しました。平年より7日遅いそうです。また、関東以西では今週後半は25度以上の夏日が予想されており、一気に夏がきたような感じです。その後も数日暑い日が続くようなので、体調管理には十分気をつけて過ごしましょう。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

レッドハット「OpenStack Platform 8」発表、国内事例も公表
― 普及期に入ったOpenStackで「市場シェア、マインドシェアともトップを目指す」

レッドハットは17日、商用OpenStackディストリビューションの最新版「Red Hat OpenStack Platform 8(OSP 8)」と、OSPを含むクラウド基盤ソフトウェアのスイート製品「Red Hat Cloud Suite」の提供開始を発表しました。OSP 8はOpenStackの“Liberty”リリースをベースに開発されたディストリビューションで、並行開発/動作テスト済みの「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)7.2」と組み合わせて提供されます。新バージョンに合わせてOSPのパッケージングも変更されています。具体的にはハイブリッドクラウド環境の統合管理ツール「Red Hat CloudForms」やSoftware-Defined Storageソフトウェア「Red Hat Ceph Storage」が同梱されます。CloudFormsはOSPの管理のみ、Cephは容量64TBまでという制限があるものの、OSPの価格は従来から据え置きで提供されます。

(参照記事:http://ascii.jp/elem/000/001/164/1164257/

米Googleと米AmazonがAI分野のOSSをリリース

米国Google社は12日、機械学習システム「TensorFlow」に統合されたニューラルネットワークフレームワーク「SyntaxNet」をオープンソースで公開したと発表しました。SyntaxNetは「Google Now」の音声認識機能など、同社の自然言語理解(NLU)システム基盤で新たなモデルのトレーニングに必要なすべてのコードと英語の文章の構文解析のためにGoogleが開発した英文解析ツールの「Parsey McParseface」が含まれています。Parsey McParsefaceは、文における各単語と文法的な構成要素の機能的役割を理解するために言語構造を解析する機械学習アルゴリズムを基にして構築されています。また、米国Amazon社も同日、自社のディープラーニングソフトウェアをオープンソース化しました。GitHubに公開された「Deep Scalable Sparse Tensor Network Engine(DSSTNE)」ライブラリは「Apache 2.0」ライセンスの下で利用可能になっています。

グーグル、オープンソースの自然言語フレームワーク「SyntaxNet」をリリース
(参照記事:http://japan.cnet.com/news/service/35082535/

アマゾン、ディープラーニングライブラリ「DSSTNE」をオープンソース化
(参照記事:http://japan.zdnet.com/article/35082475/

ミラクル・リナックス、HatoholとZabbixでAzureを監視できるOSSベースの仮想マシンテンプレートを無償提供

ミラクル・リナックスは17日、OSSの統合監視ソフトウェア「Hatohol」を活用してマイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure(以下、Azure)」を監視する仮想マシンテンプレートの無償提供を開始しました。この仮想マシンテンプレートは、HatoholとOSS運用監視ツール「Zabbix」をベースに開発された統合システム監視ソリューション「MIRACLE ZBX」、およびAzure対応のエンタープライズLinux OS「Asianux Server 7」の仮想マシンを1クリックで自動構築できるように定義した「ARM(Azure Resource Manager)テンプレート」で、HatoholにはAzureポータルからアラートを受信するAzure監視プラグインが組み込まれており、仮想マシンそのものの障害やPaaS側の障害なども一元管理できます。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1605/18/news070.html

オープンソース人材の需要増、確保は最優先課題 ― 「Open Source Jobs Report」

大手ITキャリア企業の米国Dice社とLinux Foundationは5日、2016年版の「Open Source Jobs Report」を公表しました。この調査で、採用担当マネージャーの65%が、今後6カ月間でオープンソース技術者の雇用は他の分野よりも増えると回答したことが明らかになりました。また、採用担当マネージャーの79%が現在雇用しているオープンソース技術者の転職を防ぐために、雇用条件を改善したと述べています。オープンソースプロフェッショナルが仕事に求めているものは、イノベーションとコミュニティと協調して仕事ができる環境で、雇用に関して重視する項目として賃金や福利厚生などを挙げるプロフェッショナルはたった2%でした。重視する項目のトップは『関心のあるプロジェクトで働けること』であり、次いで『最新テクノロジへの挑戦』でした。ただし、これは米国での調査結果で、日本も同じというわけではありません。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/article/35082556/

Firefox、初めてIEとEdgeのシェア合計を超える

アイルランドのアクセス調査会社StatCounter社は17日、デスクトップ向けWebブラウザとして初めて2016年4月におけるFirefoxのシェアがMicrosoft Edge(以下、Edge)およびMicrosoft Internet Explorer(以下、IE)を合わせたシェアを上回ったと伝えました。2016年4月におけるFirefoxのデスクトップ向けWebブラウザ世界シェアは15.6%で、同期間におけるEdge+IEのシェアの合計値は15.5%。FirefoxもEdge+IEもシェアを減らしているものの、Edge+IEのほうがシェアの減少幅が大きく、今回FirefoxのシェアがEdge+IEのシェアを上回る結果になりました。また、Chromeはこの数カ月間でこれまでと同様の上昇傾向を続けており、2016年4月には60.5%を確保するなど、デスクトップ向けWebブラウザとして強い存在感を示しています。

(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/05/18/189/

編集後記

ゴールデンウィークを利用して、バーベキューに行ってきました。機材や食材をすべてその場で調達でき、準備も後片付けも要らない便利な場所でした。最近は、このように「手ぶら」で行けるバーベキュースポットも多くあるようです。中には電車で行けるところもあるようなので、屋外で仲間と一緒にバーベキューを気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか?

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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