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組み込みOSが必要とされる機器とその理由

2010年8月10日(火)
松岡 正人

身の回りに増える組み込みOSとその理由

前回、Windows Embedded CEについて概要をお話ししましたが、このような組み込みOSが主に利用される分野はどういったところでしょうか。今回は、少し視野を広げて、身の回りの製品のどのようなところで組み込みOSが使われているのか、それはどのような理由からかお話ししていきたいと思います。

組み込み機器はみなさんの身の回りのいたるところで、みなさんの生活を支えています。台所には、冷蔵庫、電子レンジ、電気ポット、電子ジャーなども組み込み機器といえるでしょう。しかし、これらの機器が必ず組み込みOSを搭載しているわけではありません。例えば、電子ポットのようなものはOSを使わなくても組み立てることが可能ですし、電子レンジも、単純な機能のものはOSや組み込みソフトウエアを使わずに作り上げることができるでしょう。

これらはもともとソフトウエアもOSも使っていなかったからです。

例えば、電気ポットの仕組みを考えてみましょう。基本的な構成としては、加熱するためのヒーターと温度を測るセンサー、そして、これらと連動する電源があればポット内の水をお湯に変換することが可能であり、お湯の温度を維持することも可能です。

図1:シンプルな仕組みの電気ポットにはOSは必要ない

複雑化する電気製品と組み込みOSの関係

非常に単純な構成ですが、組み込みソフトウエアを使用する必要はおそらく無いでしょう。

電子レンジはどうでしょうか?こちらも、単純な(古典的な)電子レンジであれば、加熱用のマイクロウエーブを発生させるコイルと、加熱対象物の温度を測るセンサーとタイマー、これらと連動する電源があれば組み立てることが可能です。さて、ではどのような場合にソフトウエアが必要となり、あるいはOSが必要になるのでしょうか。

電子レンジを例に考えてみると、ただ単に加熱するだけでなく、複雑な制御を行う場合は、ソフトウエアを用いると便利です。例えば、最近ではスチームを使って加熱する製品が登場しています。また、対象の重さを量るなどユーザーが設定した、加熱調理のための情報だけでなく、さまざまな条件を加味しながら処理をする場合があります。

例えば、ジャガイモと鶏肉では、加熱の長さや温度などの条件を変えなければなりません。また加熱の具合だけでなく、庫内の温度や、スチームの量など、異なる要素を個別に管理しなければならない場合、単純な電子レンジでは調理できません。そこで、これらの組み合わせにあわせて必要な処理を行えるように調整する、これが組み込みソフトウエアを必要とする理由です。

かつて電卓がパソコンに進化した過程で、ソフトウエアやOSというものが必要とされたように、組み込み機器の進化に対しても、単純な処理から、より高度で複雑な処理を行うためにソフトウエアが必要となりました。そして、ソフトウエアに足りない、あるいは、ソフトウエアと独立して必要とされる基本的な機能をまとめたものが組み込みOSとして求められているのです。

したがって、同じ電子レンジでも単機能のものはソフトウエアもOSも使わないかもしれませんが、少し機能が増えるとソフトウエアが必要となり、さらに複雑度が増すと、OSが必要になってきます。

マイクロソフト株式会社

OEM統括本部 OEMエンベデッド本部 シニアマーケティングマネージャ

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