Azureにソフトをインストールしてみよう

2010年11月16日(火)
田口 一博小木 ナツキ

インストール開始!

[田口] こんにちは。今回からいよいよクラウド環境で本格的なアプリケーションを動かしてみましょう。準備はいいですか。
  

[小木] よろしくお願いします。ようやくWordPressのインストールですね。楽しくなってきました!PHPを使うと思うんですけど、前回使ったプロジェクトでいいですか?
  

[田口] いいですよ。せっかくPHPの環境設定が終わって動作確認が取れてますからね。ただ、今回はWordPressのデータベースとしてSQL Serverを使うので、SQL Serverの拡張モジュールであるSQL Server Driver for PHPをダウンロードして有効にしておいてください。

[小木] 拡張モジュールをダウンロードしてプロジェクトに追加し、php.iniを修正すれば良いですよね。
  

[田口] よく分かってますね!今回は安定性を考慮し、SQL Server Driver for PHPは1.1を使ってください。
  

[小木] バージョン1.1ですね。分かりました。Visual Web Developerを管理者モードで起動して、前回使ったプロジェクトを開いて準備完了!では、作業をはじめます。
 

PHPからSQL Serverへ接続するための準備

PHPからSQL Server 2008(または2005)へ接続するためには、SQL Server 2008 Native ClientとPHP Driver for SQL Serverが必要です。SQL Server 2008 Native Clientは、SQL Server 2008 Expressのインストール時に一緒にインストールされるので、残りのSQL Server Driver for PHPをインストールします。

SQL Server Driver for PHPを下記サイトからダウンロードします(画面1)。
→ SQL Server Driver for PHP 1.1 - October 2009

画面1:Microsoft Download Center - SQL Server Driver for PHP 1.1(クリックで拡大)

ダウンロードしたファイルを実行すると、ライセンス条項が表示されるので、ライセンスに同意できたら[YES]をクリックします(画面2)。

画面2:SQL Server Driver for PHP 1.1 - ライセンス確認

展開場所を入力し、[OK]をクリックします(画面3)。

画面3:SQL Server Driver for PHP 1.1- 展開場所

展開した場所にあるドライバ・ファイルをプロジェクトにコピーし、拡張モジュールを有効にします。今回はPHP5.3のVC9 x86 Non Thread Safeを使用していますので、php/ext にphp_sqlsrv_53_nts_vc9.dllをコピーし、php.iniに下記の1行を追加します(Dynamic Extensionsの定義箇所に追加)。

extension=php_sqlsrv_53_nts_vc9.dll

WordPressのインストール準備

[小木] SQL Serverの拡張モジュールを有効にしました。次は WordPressをダウンロードしてプロジェクトに追加、そしてWordPressの設定ですね。
  

[田口] 今日は調子良さそうですね。WordPressは通常版ではなくて、SQL Server に対応したものがあるので、そちらを使ってください。パッチも同じ場所にありますから、忘れずに適用してくださいね。それと、バージョンによっては、そのままだと正常に動作しない場合もあるので、自信がなければ私の方で動かしたことがある WordPress 3.0.1 beta-0.9.3を使ってください。

[小木] はーい。じゃあお言葉に甘えて、beta-0.9.3を使ってさくっと設定まで行っちゃいます。
  

SQL Serverに対応した WordPressをダウンロードしてプロジェクトに追加します。下記サイトから本体とパッチをダウンロードします。
※今回はwp-sqlsrv-3.0.1-beta-0.9.3.zip(本体)とwp-sqlsrv-patch-3.0.1-beta-0.9.3.zip(パッチ)を使います。All Files配下distributionとpatchのwp内から、上記バージョンのファイルをダウンロードしてください(画面4)。

画面4:wp-sqlsrvファイル一覧(クリックで拡大)

→ wp-sqlsrv - SourceForge.net

ダウンロードしたファイルを展開します。展開後、CGI Webロール・プロジェクトの直下にWordPressフォルダを作成して本体をコピー後、パッチを上書きでコピーします(画面5)。

画面5:WordPressプロジェクト追加後

WordPressフォルダのルートにあるwp-config-sample.phpをコピーして、wp-config.phpを作成し、データベース情報を設定します。

設定例)

※データベースタイプは既存ではないため、新たに記述してください。

[小木] WordPressの設定まで終わりました。インストールをはじめてもいいですか?
  
  

[田口] ちょっと待ってください。3つほど追加で修正があります。1つめに、mysqlの拡張モジュールを有効にしてください。今回mysqlは使いませんが、インストール時にチェックが行われるため有効にする必要があります。

[小木] php.iniを修正してmysqlのextensionのコメントを外しました。
  
  

[田口] 2つめは今回インストールするバージョンだとwp-admin/includes/post.phpでエラーが発生するので、下記のように修正してください。
  

修正前

修正後

[小木] 記事を投稿する部分のJavaScriptですね。修正しました。
  
  

[田口] 3つめはAzureに上げたときにインストールが失敗することがあるので、Web.ConfigにerrorModeを追加して"Detailed”にしておいてください。
  

設定例)

[小木] Web.Configに「」を追加しました。
  

[田口] これで準備完了です。ローカル環境にインストールしてみてください。まあ、大丈夫だとは思いますが、WordPressにアクセスしたときに500エラーが出たら、wp-config.phpの設定が間違っている可能性があるので確認してください。

スカイコード株式会社

主にマイクロソフトの技術を中心としたプログラマ兼システム管理者兼コンサルタント兼雑務係として従事。Microsoft Azureで少しでもラクに楽しく生きていこうと企む毎日。基本怠け者。

株式会社タクシーサイト

タクシーサイト開発担当。業務システムの開発に4年間従事。PHP、Object Pascal、C#などでプログラムの基礎の基礎を学び、その後他業種へ転職。ブランク後現在の会社に入社し、クラウドを一から勉強中。

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