OSSを活用したLinuxのデータ・バックアップ

2010年12月22日(水)
古賀 政純

Mondo Rescue Tips

Mondo Rescueをうまく使いこなすためのノウハウを、以下にいくつか紹介します。

Tipsその1

まず、リストアを行う前には、必ずRAIDコントローラ配下の論理ボリュームを消去した上で、再度論理ボリュームを作成することを勧めます。古い論理ボリュームが残っていると、Mondo Rescueのリストアに失敗することがあります。

Tipsその2

デバイス名にUUIDを使っているUbuntuなどの場合は、バックアップ元(P2V元)となるOSで、/dev/fstabファイル、/etc/mtabファイル、device.mapファイル、/etc/grub/menu.lstファイルに記載されているUUIDを、デバイス名(/dev/cciss/cXdXpX)などに変更しておきます。

Tipsその3

Mondo Rescueのバックアップ時、bzip2コマンドがない旨のエラー・メッセージが表示される場合は、mondoarchiveコマンドに-O(ハイフンゼロ)オプションを付与して無圧縮でisoイメージを作成すると、エラーを回避できる場合があります。

Tipsその4

Mondo RescueによるリカバリDVD作成時には、SELinuxをdisabledにしておくことを勧めます。SELinuxが有効になっている状態で作成したリカバリDVDでは、リストア後に管理者権限でログインできなくなる可能性があります。

Red Hat Enterprise Linux系のOSでSELinuxをdisableにするやり方は、以下の通りです。まず、/etc/sysconfig/selinuxファイルを編集します。

# vi /etc/sysconfig/selinux
…
SELINUX=disabled
…

/etc/sysconfig/selinuxファイルにSELINUXという項目があるので、disabledを記述します。こうしておいてから、OSを再起動させ、管理者権限でログインし、Mondo RescueのリカバリDVDの作成に取り掛かります。

Mondo Rescueのテスト結果

以下に、2010年12月時点でのMondo Rescue 2.2.8と2.2.9の簡易テスト結果を載せておきます。左側がバックアップ元のProLiantサーバー機種とOS、右側がバックアップ先のサーバーです。

Mondo Rescue 2.2.8の簡易テスト結果

バックアップ元サーバーバックアップ元OSバックアップ先サーバー
HP ProLiant DL380G7RHEL5.3 x86-64HP ProLiant DL380g7
HP ProLiant DL380G7RHEL5.3 x86-64HP ProLiant DL180
HP ProLiant DL360G6RHEL5.3 x86-64HP ProLiant DL360G6
HP ProLiant DL360G6RHEL4.8 x86-64HP ProLiant DL360G6
HP ProLiant DL360G6CentOS5.3 x86-64HP ProLiant DL360G6
HP ProLiant DL360G3RHEL5.3 x86-64HP ProLiant DL360G3
HP ProLiant DL360G3RHEL4.6 i386HP ProLiant DL320G5
HP ProLiant DL365G1RHEL5.3 x86-64HP ProLiant DL365G1

Mondo Rescue 2.2.9の簡易テスト結果

バックアップ元サーバーバックアップ元OSバックアップ先サーバー
HP ProLiant SL160zCentOS5.3x86-64HP ProLiant SL160z
HP ProLiant BL465cG1RHEL5.3x86-64HP ProLiant BL465cG1
HP ProLiant DL360G6RHEL5.5x86-64HP ProLiant DL360G6
HP ProLiant DL360G6RHEL5.5x86-64HP ProLiant DL360G7
HP ProLiant DL360G7RHEL5.5x86-64HP ProLiant DL360G7
バックアップ元サーバーバックアップ元OSP2V先のサーバー / KVMホストOS
HP ProLiant DL360G3RHEL4.6 i386HP ProLiant MicroServer / CentOS5.5 x86-64
HP ProLiant DL360G6CentSO5.3x86-64HP ProLiant DL360G6 / RHEL5.4 x86-64

[注意]

上記のテスト結果は、あくまでもMondo RescueとProLiantサーバーの組み合わせにおける簡易的なテスト結果であり、このテスト結果に関して日本HPによる保守サポート及び動作保証はありません。また、バックアップやリストア後の、OSやアプリケーションの正常動作を保証するものでもありません。十分に注意してください。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリセールス統括本部 ソリューションセンター OSS・Linux担当 シニアITスペシャリスト

兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバーのSE及びスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師を担当。科学技術計算サーバーのSI経験も持つ。2005年、大手製造業向けLinuxサーバー提案で日本HP社長賞受賞。2006年、米国HPからLinux技術の伝道師に与えられる「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。日本HPプリセールスMVPを4度受賞。現在は、Linux、FreeBSD、Hadoop等のOSSを駆使したスケールアウト型サーバー基盤のプリセールスSE、技術検証、技術文書執筆を担当。日本HPのオープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリストとして講演活動も行っている。Red Hat Certified Engineer、Red Hat Certified Virtualization Administrator、Novell Certified Linux Professional、EXIN Cloud Computing Foundation Certificate、HP Accredited Systems Engineer Cloud Architect、Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack、Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoop認定技術者。HP公式ブログ執筆者。趣味はレーシングカートとビリヤード

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