Windows Azureを利用するための準備
Windows Azureの各種契約プランの説明
さて、契約するにあたってどのようなプランにするのか選択する必要があります。大きく二つのプランに分かれます。
Windows Azureの契約プラン
プラン | 概要 |
---|---|
従量料金制 | 使用料金に応じて課金 |
コミットメントプラン | 一定の使用量を前もって割引料金で提供してそれ以上を従量料金で提供 |
ただし、コミットメントプランはプロモーションのためのプランで有効期限があり、期限が切れてからは従量料金制になります。ですので、基本的にAzureのプランは従量料金であると考えたほうが良いです。従量料金のイメージがつかない人は携帯電話のデータ通信の価格体系をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
注意が必要なのは、携帯電話で言うパケホーダイなどの上限設定プランがない点ですが、基本的に安いので気づいたら驚くような金額になる事はほとんどありません。筆者もAzureを使用してサービスを提供している、複数の企業の使用料金を聞いた事がありますが、すべてが予想よりも安くて逆に驚いた経験があります。なお、プランは複数あり変更が発生するケースが多いので、最新情報はマイクロソフト社のサイトを確認してください。
次に課金がされる対象です。以下が課金の対象となります。
- インスタンス(ホスト)の使用時間
- ストレージの使用容量
- ストレージへのトランザクション数(アクセス回数)
- データ転送量
- SQL Azureのデータ容量(データベース単位のデータ容量)
- アクセスコントロールの使用回数(トランザクション数)
- サービスバスの接続件数
以上の事象が発生した際に課金が発生します。課金内容は後述するMOCPにて内容を確認できます(図2)。なお、ユーザーグループJAZにて課金試算用のツールも提供されているので参照してください。
→ 参照:さあ、はじめよう -Japan Windows Azure User Group-
図2:課金内容のデータ(クリックで拡大) |
Windows Azure使用時のサービス課金の注意点
Windows Azureはあくまでサービスの対価で料金が発生するので、できる限りコストを削減しつつ有効なサービスを提供していく事が、サービスを使用するユーザーとしては永続的なサービス提供の観点でとても重要な事です。そのために幾つかの注意事項があるので解説していきます。
まず、計算時の注意点ですが、必要なホストの使用時間は計算可能なので急なアクセス急増によりインスタンス数の増減さえ発生しなければ料金の計算は容易です。しかし、その他のサービスは料金がサービスの利用者数によって増減するので、サービス構築時に想定ユーザー数や料金設定の計画を練る必要があります。
また、細かい事になりますが、インスタンスの使用時間は00分を区切りとした単位で計算されますので注意が必要です。コンピュートサービスはSサイズのインスタンスを料金の基本として、XSインスタンスを除いてMサイズ以降は各CPUのコア数に応じて基本の料金が倍増していきます。
ストレージ使用容量は月内の平均使用量が計算されて課金されますので、一時的にストレージ使用量が増えるようなアプリケーションであっても、一時的であれば月でならされるので使用料金が安くなります。
データ転送の料金は、同一データセンター(DC)のAzure Service間ではかかりません。通常レイテンシを考慮して同一DCにコンピュートサービスとストレージサービスを配置しますが、その点でも同一のDCに置く事が有効になります。また、CDNの料金は他のサービスと同様に地域ごとに異なりますが、物理的な距離よりもネットワークの論理的な距離で配信元が決定するため、料金は概算で計算する必要があります。
SQL Azureは月額料金ですが日割りで計算されて課金されます。また、データ転送料金も課金されますので注意してください。
サービスバスは、従量課金プランでは日々ごとにその日の最大接続件数で課金されます。その他の詳細は各料金プランのページを参照してください。
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