CSS3のキーフレームに基づくアニメーション

2012年4月26日(木)
土井 毅(著)山田祥寛(監修)

キーフレームの定義方法

キーフレームは、以下のように@keyframesというキーワードで囲って定義します。@keyframesキーワードの後ろにはanimation-nameプロパティから参照されるキーフレーム定義の名前を指定します。ここではmyanimeという名前にしています。

キーフレーム内では0%,50%,100%のように、アニメーション内でキーフレームを置くタイミングを指定し、そのタイミングでのCSSプロパティの値を定義します。0%はアニメーションの始点を、100%は終点を表します。なお、0%の代わりにfrom、100%の代わりにtoという指定も行えます。

ここでは、

  • 0%(アニメーションの始点)では緑背景
  • 50%(アニメーションの中間)では赤背景にしつつ30度回転
  • 100%(アニメーションの終点)では青背景、白文字、2倍に拡大

という指定をそれぞれ行っています。

複数のプロパティによるアニメーション(animation-sample.html)

@-webkit-keyframes myanime {                 ←キーフレームの定義
  0%{                                        ←始点での定義
    background-color: green;                 ←緑背景
  }
 
  50%{                                       ←アニメーション中間点での定義
    background-color: red;                   ←赤背景
    -webkit-transform: rotate(30deg);        ←30度回転
  }
 
  100%{                                      ←終点での定義
    background-color: blue;                  ←青背景
    color: white;                            ←文字色白
    -webkit-transform: scale(2.0);           ←2倍に拡大
    -webkit-transform-origin: 0 0%;          ←拡大の始点は要素の左上
  }
}

div.sample1:hover{                           ←マウスを載せた時
  -webkit-animation-name: myanime;           ←myanimeというキーフレームでアニメーション
  -webkit-animation-duration: 5s;            ←5秒かけてアニメーション
  -webkit-animation-timing-function: linear; ←変化は直線的
}
・・・
<div class="sample1">マウスを載せるとアニメーション</div>

実行結果は以下のようになります。

図1:デフォルトの状態(クリックで拡大) 図2:マウスを載せた状態。回転しながら赤に変化(クリックで拡大) 図3:さらにアニメーション進行。青になりながら拡大(クリックで拡大)

このように、複数のCSSプロパティ値の変更と、キーフレームを使用することで、複合的なアニメーションを実現できます。

アニメーションを繰り返す

続いて、Animationsモジュールの特徴である、アニメーションの繰り返しを使ってみましょう。

animation-iteration-countプロパティを使うことで、Transitionsモジュールでは行えないアニメーションの繰り返しを行うことができます。このプロパティには回数を数値で指定するか、あるいは「infinite」という値を設定することで、アニメーションが無限に繰り返されます。

また、animation-directionプロパティは、アニメーションの繰り返しをする時に、偶数回目に反転再生させるかどうかを指定します。例えば「左から右に平行移動」というアニメーションを定義した場合、「animation-direction: alternate」と指定すると、奇数回目は「左から右に」、偶数回目は「右から左に」アニメーションが行われます。

以下は、マウスを載せるとボックスが左右に移動するアニメーションを無限に繰り返すサンプルです。

複数のプロパティによるアニメーション(animation-iteration.html)

@-webkit-keyframes myanime { ←キーフレーム定義
  from{                                         ←始点はスタイル指定無し
  }
 
  to{                                           ←終点の指定
    -webkit-transform: translate(300px);        ←X方向に300ピクセル平行移動
  }
}

div.sample1:hover{                              ←マウスを載せたタイミングで
  -webkit-animation-name: myanime;
  -webkit-animation-duration: 2s;
  -webkit-animation-timing-function: linear;
  -webkit-animation-iteration-count: infinite;  ←無限に繰り返す
  -webkit-animation-direction: alternate;       ←反転再生させる
}
・・・
<div class="sample1">マウスを載せると<br/>アニメーション繰り返し</div>

実行結果は以下のようになります。キャプチャ画像ではイメージがつかみづらいところですが、マウスを載せるとボックスが左から右へアニメーションし、その後折り返して右から左へアニメーションを繰り返します。

図4:デフォルトの状態(クリックで拡大) 図5:マウスを載せた状態。右方向にアニメーション(クリックで拡大) 図6:右端まで移動したので、今度は左方向にアニメーション(クリックで拡大)
  • CSS3で実現するアニメーションサンプル(2)

著者
土井 毅(著)山田祥寛(監修)
WINGSプロジェクト

有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表:山田祥寛)。おもな活動は、Web開発分野の書籍/雑誌/Web記事の執筆。ほかに海外記事の翻訳、講演なども幅広く手がける。2011年3月時点での登録メンバは36名で、現在もプロジェクトメンバーを募集中。執筆に興味のある方は、どしどしご応募頂きたい。著書多数。

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