連載 :
囲まれた庭からの脱却を目指すアプリ開発ネイティブアプリで作る?Webアプリで作る?
2012年5月22日(火)

1. Walled Gardenからの脱却
筆者は2010年以降、シリコンバレーに数ヶ月単位で滞在しながらスマートフォン周りの最新動向を追いかけているのですが、2011年あたりからモバイルデベロッパーによる「Walled Gardenから自由になろう」という動きが強まってきたように思います。
Walled Gardenというのは直訳すると「塀で囲われた庭」ですが、ここではサービス事業者によるクローズドなアプリケーション開発・提供環境のことを指しています。具体的には、例えばiPhone/iPad向けアプリケーションを開発・提供する場合、デベロッパーはApple社独自の開発言語「Objective-C」を習得してアプリを開発し、App Storeの審査に通って初めてリリースとなりますが、販売は同社のApp Store上で行うことが義務づけられています。また、App Storeでの販売額のうち30%はAppleに支払われ、デベロッパーの手元に振り込まれるのは70%のみとなります。
今、このような環境からの脱却を模索するデベロッパーが大きな期待を寄せているのが、HTML5やJavaScriptなどのオープンなWebの技術を使ったアプリケーション開発・提供環境です。例えば昨年9月にサンフランシスコで開催されたカンファレンス「HTML5 Developer Conference」には、1,200人のデベロッパーが参加しました。HTML5やJavaScriptが大きく注目されていることがわかります。
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図1:HTML5 Developer ConferenceのWebサイト (http://html5devconf.com/)。今年は5月21日に開催。 |
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