Kinectによる深度データの取得・表示と、モーターを動かすサンプル

2012年7月9日(月)
薬師寺 国安

チルトモーターの動作

ユーザーを認識させる場合に必要なチルトモーターを動作させると、Kinect センサーの角度が上下に変化します。。スライダーのバーを移動させ、適当な位置で[実行]ボタンをクリックすると、スライダーのバーで指定された角度にKinect センサーが変化します。

データバインドを用いて、直接スライダーバーの値を変化させてリアルタイムにKinect センサーの角度を変化させることも可能ですが、その場合は、スライダーバーの動きがカクカクでスムーズに動きません。1秒間にワンクリックでSliderを操作する必要があるようです。そこで、このサンプルではボタンをクリックすることでKinect センサーの角度を変化させています。

(*)MainWindow.xaml内のコードでは、バインディングしたコードはコメントアウトしています。興味のある方はコメントアウトを外してお試しください。

チルトモーターの仰角範囲は±28°です。

チルトモーターを動作させた動画

プロジェクトの作成

VS 2010のメニューから[ファイル(F)/新規作成(N)/プロジェクト(P)]と選択します。次に、「WPF アプリケーション」を選択して、「名前(N)」に任意のプロジェクト名を指定します。ここでは「KINECT_CameraTiltImageShow」という名前を付けています。

サンプルプログラムは以下よりダウンロードできます。
Kinectのチルトモーターを動作させるサンプル(155KB)

参照の追加

VS2010のメニューから「プロジェクト(P)/参照の追加(R)」と選択して、各種コンポーネントを追加しておきます。今回追加するのは、Microsoft.KinectとMicrosoft.Samples.Kinect.WpfViewers.dllの2つです。.NETタブ内に表示されていないDLLファイルは「参照」タブから指定します。

Microsoft.Kinect.dllは、C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\v1.5\Assemblies内に存在しますので、これを指定します。今回のサンプルでは、下記のURLのKinectforwindowssdkv1.zipもダウンロードしてください。
→参照:Kinectforwindowssdkv1(RAPID LIBRARY)

解凍してできる、\KinectforWindowsSDKV1\KinectforWindowsSDKV1\2.Setting Up Dev Environment\SettingUpDevEnvironmentVB\SettingUpDevEnvironment\bin\Release内にある、Microsoft.Samples.Kinect.WpfViewers.dllを参照の追加で追加してください。

ツールボックスからデザイン画面上にKinectColorViewerコントロールを1個、Sliderコントロールを1個、KinectChooserSensorコントロールを1個、ButtonとTextBlockコントロールを1個ずつ配置します。

Sliderのプロパティから[共通]パネルにあるOrientaionプロパティにVerticalと指定し、向きを垂直とします。またスライダーに値を表示させるために、[共通]パネルにある、AutoToolTipPlacementプロパティにTopLeftを指定し、左側にツールチップで値を表示させます。

KinectColorViewerを選択し、プロパティの[その他]パネルにあるKinectの「データバインドの適用」を選択します。「ElementName」にKinectSensorChooser1を指定し、「パス」にKinectを指定します

XAMLコードはリスト3、レイアウトは図3のようなります。

リスト3 (MainWindow.xaml)

  • (1)Kinectプロパティにデータバインディングを設定している。
  • (2)SliderコントロールのOrinetationにVertical、AutoToolTipPlacementプロパティにTopLeftと指定している。
<Window x:Class="MainWindow"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  Title="チルトモーター" Height="707" Width="870" xmlns:my="clr-namespace:Microsoft.Samples.Kinect.WpfViewers;assembly=Microsoft.Samples.Kinect.WpfViewers">
  <Grid>
    <my:KinectColorViewer Height="480" HorizontalAlignment="Left" Margin="21,20,0,0" Name="KinectColorViewer1" VerticalAlignment="Top" Width="640" Kinect="{Binding ElementName=KinectSensorChooser1, Path=Kinect}" /> ■(1)
    <!--バインディングでは処理が重いため、コメントアウトで外している-->
    <!--<Slider Height="348" HorizontalAlignment="Left" Margin="692,38,0,0" Name="Slider1" VerticalAlignment="Top" Width="64" Orientation="Vertical" Maximum="27" Minimum="-27" AutoToolTipPlacement="TopLeft" Value="{Binding Path=Kinect.ElevationAngle, ElementName=KinectSensorChooser1}" />-->
    <Slider Height="348" HorizontalAlignment="Left" Margin="692,38,0,0" Name="Slider1" VerticalAlignment="Top" Width="64" Orientation="Vertical" AutoToolTipPlacement="TopLeft" /> ■(2)
    <my:KinectSensorChooser Height="197" HorizontalAlignment="Left" Margin="386,284,0,0" Name="KinectSensorChooser1" VerticalAlignment="Top" Width="258" />
    <Button Content="実行" Height="47" HorizontalAlignment="Left" Margin="679,398,0,0" Name="Button1" VerticalAlignment="Top" Width="87" FontSize="24" FontWeight="Bold" />
    <TextBlock Height="54" HorizontalAlignment="Left" Margin="686,463,0,0" Name="TextBlock1" Text="" VerticalAlignment="Top" Width="89" FontSize="32" FontWeight="Bold" />
  </Grid>
</Window>
 図3:各コントロールを配置した(クリックで拡大)
  • Kinectで取得した深度データを表示するサンプル

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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