Kinectで距離カメラの値を取得して、指定した距離で人物が背景に溶け込むサンプル

今回は、背景マスクされたプレイヤーと距離カメラの位置が2000(2m)を超えると、背景に溶け込んで消えていくサンプルを作成します。
2000(2m)を超えるとプレイヤーの全身は消えますが、身体の一部だけを距離カメラに近づけて表示させることも可能です。カメラに近づきすぎてもプレイヤーは消えてしまいますので注意してください。実際に動かした動画は以下になります。
サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。
プロジェクトの作成
VS 2010のメニューから[ファイル(F)/新規作成(N)/プロジェクト(P)]と選択します。
次に、「WPF アプリケーション」を選択して、「名前(N)」に任意のプロジェクト名を指定します。ここでは「KINECT_GetDepthValue」という名前を付けています。
ツールボックスからデザイン画面上に、Imageコントロールを1個とTextBlockコントロールを2個配置します。ImageコントロールのSourceプロパティにはPersonをバインドしています。PersonはVBコード内で定義されたプロパティ名です。
書き出されるXAMLコードはリスト1、レイアウトは図1のようになります。
リスト1 書き出されたXAMLコード(MainWindow.xaml)
(1)SourceプロパティにPersonがバインドされている。
<Window x:Class="MainWindow" xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation" xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml" Title="プレイヤーと距離カメラとの距離を取得する" Height="639" Width="670"> <Grid> <Image Height="480" HorizontalAlignment="Left" Name="sourceImage" Stretch="Fill" VerticalAlignment="Top" Width="640" Source="{Binding Person}"/> ■(1) <TextBlock Height="39" HorizontalAlignment="Left" Margin="12,433,0,0" Name="TextBlock1" Text="" VerticalAlignment="Top" Width="226" FontSize="32" FontWeight="Bold" /> <TextBlock Height="25" HorizontalAlignment="Left" Margin="244,442,0,0" Name="TextBlock2" Text="値が2000より大きいとプレイヤーの全身が消えます。" VerticalAlignment="Top" Width="392" FontSize="16" FontWeight="Bold" Foreground="Red" /> </Grid> </Window>
参照の追加
VS2010のメニューから「プロジェクト(P)/参照の追加(R)」と選択して、コンポーネントを追加しておきます。今回追加するのは、Microsoft.Kinect.dllだけです。.NETタブ内にこのコンポーネントが見つからない場合は、「参照」タブから以下を指定して、このフォルダ内にあるMicrosoft.Kinect.dllを指定してください。
→ C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\v1.5\Assemblies
次に、ソリューションエクスプローラー内のMainWindow.xamlを展開して表示される、MainWindow.xaml.vbをダブルクリックしてリスト2のコードを記述します。
ロジックコードを記述する
リスト2 (MainWindow.xaml.vb)
Option Strict On Imports Microsoft.Kinect Class MainWindow Dim kinect As KinectSensor
距離カメラの最大距離を2mに指定します。
Const maxDepthValue As Integer = 2000
Short型の配列メンバ変数myDepthPixelDataとByte型の配列メンバ変数myColorPixelDataを宣言しておきます。
※深度情報は、1ピクセルあたり2バイトのshort型。画像情報はフルカラーなので1ピクセルあたり4バイトのbyte型です。
Dim myDepthPixelData As Short() Dim myColorPixelData As Byte()
整数四角形の幅、高さ、および位置を表すInt32Rect構造体のメンバ変数myImageRectを宣言します。領域の指定に使用されます。
Dim myImageRect As Int32Rect
WriteableBitmap型のPersonプロパティを定義します。
Property Person As WriteableBitmap
Kinectで距離カメラの値を取得して、距離に応じて姿を隠すサンプル
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