Kinectを使って、画面上の赤い輪をくぐるサンプル

2012年8月23日(木)
薬師寺 国安

今回のサンプルは、実写上に配置された赤い楕円の輪をくぐるサンプルの紹介です。図1と動画を参照してください。

このような処理は主にゲームなんかに使用されるかもしれません。今回は赤い輪をくぐっていますが、赤い輪の代わりに、人間のキャラクターの画像を配置すると、そのキャラクターに、あたかも触れているような処理も実現できます。背後から抱きしめたり、腕を組んだりもできます(笑)。ぜひ、赤い輪を人間のキャラクターに置き換えてお試しください。

図1:赤い輪をくぐっている(クリックで拡大)

サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。

プロジェクトの作成

VS 2010のメニューから[ファイル(F)/新規作成(N)/プロジェクト(P)]と選択します。次に、「WPF アプリケーション」を選択して、「名前(N)」に任意のプロジェクト名を指定します。ここでは「KINECT_Ninjya」という名前を付けています。

ソリューションエクスプローラー内にImageというフォルダを作成し、背景が透明化した楕円のPNG画像を取り込んでおきます。

ツールボックスからデザイン画面上にImageコントロール4個とTextBlockコントロールを1個ずつ配置します。Nameがroom_imageというImageコントロールのSourceプロパティには、Room_Bitmapプロパティをバインドしておきます。Nameがhuman_imageというImageのSourceプロパティにはHuman_Image1_Bitmapプロパティをバインドしておきます。NameがImage1というImageのSourceプロパティには、Imageフォルダ内の楕円の画像を指定しておきます。最後にNameがhuman_image2というImageのSourceプロパティには、Human_Image2_Bitmapプロパティをバインドしておきます。

一番後ろに部屋(背景)の画像、その前に、楕円の画像より後ろに位置するプレイヤーの画像、そして楕円の画像、一番手前に、楕円の画像より前に位置するプレイヤーの画像が表示されることになります。ここでバインドしているプロパティ名は、VBコード内で定義したWriteableBitmapクラス型のプロパティです。

XAMLコードはリスト1、レイアウトは図2のようなります。

リスト1  (MainWindow.xaml)

  • (1)ImageのSourceプロパティにVBコード内で定義したプロパティをバインドしている。
  • (2)Imageフォルダ内の赤い楕円の画像を読み込んでおく。
<Window x:Class="MainWindow"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  Title="MainWindow" Height="645" Width="679">
    <Grid Width="646">
      <Image Name="room_image" Margin="0" Stretch="Uniform" Source="{Binding Room_Bitmap}" Width="640" Height="480"/> ■(1)
      <Image Name="human_image1" Stretch="Uniform" Source="{Binding Human_Image1_Bitmap}"  Width="640" Height="480"/> ■(1)
      <Image Name ="Image1" Margin="56,226,160,100" Source="/KINECT_Ninjya;component/Image/Circle.png" Stretch="Uniform"/> ■(2)
      <Image Name="human_image2" Stretch="Uniform" Source="{Binding Human_Image2_Bitmap}"  Width="640" Height="480" Margin="3,64,3,62" /> ■(1)
      <TextBlock Name="depthTextBlock" FontSize="30" Margin="65,550,43,0" />
  </Grid>
</Window>
図2:各コントロールを配置した(クリックで拡大)

参照の追加

VS2010のメニューから「プロジェクト(P)/参照の追加(R)」と選択して、各種コンポーネントを追加しておきます。今回追加するのは、Microsoft.Kinectだけです。「.NET」タブ内に表示されていないDLLファイルは「参照」タブからDLLファイルを指定します。

Microsoft.Kinect.dllは、C:\Program Files\Microsoft SDKs\Kinect\v1.5\Assemblies内に存在しますので、これを指定します。

次に、ソリューションエクスプローラー内のMainWindow.xamlを展開して表示される、MainWindow.xaml.vbをダブルクリックしてリスト2のコードを記述します。

  • Kinectで赤い輪をくぐるサンプル

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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