Kinectで得た人体情報を転送して、Windows Phoneの画面上に関節の位置を表示してみる

2012年10月9日(火)
薬師寺 国安

今回紹介するサンプルは、Coding4Fun Kinect Serviceを使ったサンプルの紹介です。

Coding4Fun Kinect Serviceは KinectのRGBカメラ、距離カメラ、スケルトン、およびオーディオを、1 つの PC から別の PC 、または、Windows Phone へ、TPC経由でネットワーク配信できるライブラリです。サーバーとクライアントライブラリの両方のデータを送受信に使用できます。

Coding4Fun Kinect Serviceは下記のURLよりダウンロードできます。
Coding4Fun Kinect Service

ダウンロードしたkinectservice.zipを適当なフォルダに解凍し、KinectService\Samplesフォルダの中を見ると、図1のようにClientsとHostsという2つフォルダが作成されています。

図1:ClientsとHostsという2つフォルダが作成されている(クリックで拡大)

図1からHostsをダブルクリックして中を見ると、図2のようにConsoleHostとWindowsServiceという2つのフォルダがあります。

図2:ConsoleHostとWindowsServiceという2つのフォルダがある(クリックで拡大)

ConsoleHostフォルダ内のCoding4Fun.Kinect.KinectService.ConsoleHost.exe(図3)が、サンプルの配信用アプリケーションです。このアプリケーションをKinectが接続されているPC上で実行すると、IPアドレスが表示されます(図4)。もし、ファイアウォールの解除画面が出た場合は、許可してください。

図3:サンプルの配信用アプリケーションのCoding4Fun.Kinect.KinectService.ConsoleHost.exe(クリックで拡大)
図4:IPアドレスが表示されている(クリックで拡大)

これで、ホスト(配信側)の準備ができました。これ以後Windows Phoneをクライアントにした処理を書いていきます。実行画面は図5と動画を参照してください。

先にCoding4Fun.Kinect.KinectService.ConsoleHost.exeを実行して図4の画面を表示した後、Windows Phoneのデバッグを開始し、Address入力欄に図4の赤枠で囲まれているIPアドレスを入力して[OK]ボタンをクリックします。その後、Kinectセンサーから1mほどの距離でお試しください。あまり離れすぎると円がプレイヤーの関節の位置にうまく納まりませんので、注意してください。

関節の位置を取得して表示していますので、Windows Phone上のゲームでアバターをコントロールするなど、面白い使い方が考えられます。また、医療的な利用方法もあるのではないでしょうか?

今回はWindows Phoneのエミュレーターでしか動作の確認を行っていません。もちろん実機にデプロイして動作の確認は可能です。ただし、実機では処理が重く、動作がスローになってしまいます。これを解消する方法はありますが、画質が落ちるため、今回は紹介しておりません。機会があれば紹介したいと思います。

図5:Windows Phone上で人物の関節の位置に円が表示されている

サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。

  • 人間の関節情報をWindows Phoneに表示するサンプルプログラム

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています