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VPSサービスが提供する多くの機能の中で、最低限押さえておきたいチェックポイントとは

2013年11月20日(水)
波田野 裕一

2. ネットワークリソース

VPSはインターネット上にコンテンツやサービスを提供することを目的に利用するものであることから、インターネット(グローバルネットワーク)に接続するために必要な以下のリソースを提供します。

  • ネットワーク回線
  • データ転送(量)
  • グローバルIPアドレス

VPSの契約者がカスタマイズできる部分は少ないですが、ネットワークリソースがサービスの応答性などに与える影響は大きいため、複数のVPSサービスを比較する場合には必ず確認しましょう。

ここでは、ネットワークリソースに関する留意点について解説していきます。

2-1. ネットワーク回線

VPSは多くの場合ネットワーク共用回線でインターネット(グローバルネットワーク)につながっており、1本の回線を複数のユーザで共用して利用しています。この共用回線は、一般的にベストエフォート型のサービスとして提供されており、回線の利用状況によっては通信速度が低下する場合があります。

回線の帯域幅はVPSサービスのスペックの1項目として公表されていることが多いですが、その回線を共用するサーバー数については非公開であることが多いことと、必ずしも回線の利用状況と回線を共用するサーバーの数が比例するわけではないことから、ネットワーク回線の帯域情報は極端に細い場合以外は参考程度に確認しておけばよいでしょう。

2-2. データ転送(量)

VPSからの外部へのデータ転送や外部からVPSへのデータ転送時のデータ量については、一般的に特に制限されていません。このことから、ネットワーク回線が空いていれば大量にデータ転送が可能ですし、混雑している状況下ではほとんどデータが転送されないという事態もあり得ます。

データ転送がタイトな場合やあまりにもデータのスループットが悪い場合は、VPSが収容されているネットワークの時間帯別のデータ遅延状況などを定期的に調査し、VPSサービス提供業者に対して収容変更を相談するか、グレードの高いVPSサービスへの移行を検討する必要があるかもしれません。

最近は「ローカルネットワーク」オプションなどにより、VPS間の通信についてグローバルネットワーク側の混雑に影響されずに行うことも可能になってきていますので、データ転送の遅延を回避するための選択肢も増えてきていると言えるでしょう。

2-3. グローバルIPアドレス

仮想サーバーにインターネットからアクセスできるようにするために、基本契約にIPv4グローバルアドレスが1つ含まれていることが一般的です。そのグローバルアドレスを利用する上で必要なネットマスクやルーティングの情報などは管理画面などを通じて提供されているので、必ず確認するようにしましょう。例えば、ネットマスクで/23(255.255.254.0)が使われる場合があるなど、思い込みで/24(255.255.255.0)を設定してしまうと気付きにくいトラブルの原因にもなるので注意しましょう。

最近ではIPv6グローバルアドレスを提供するVPSサービスも出揃ってきました。このIPv6グローバルアドレスについてはIPv4でのグローバルアドレスとは状況が異なり、VPSサービスによって下記のように異なる点があるので注意が必要です。

  • サーバーの初期状態でIPv6の機能とIPv6グローバルアドレスが有効か無効か(無効の場合は、別途手続きが必要な場合もあります)
  • 付与されるIPv6グローバルアドレスの数 (少ないところでは1アドレス、多いところでは65536アドレス)
  • IPv6グローバルアドレスの設定方法(DHCPv6による自動設定もしくは固定アドレスの指定による設定)

このようにIPv6グローバルアドレスについては、サービスとしては比較的新しいためにVPSサービスによってそのサービス内容や設定方法の差異が大きいのが現状です。利用しているVPSサービスのマニュアルやヘルプを必ず確認するようにしましょう。

表2:ネットワークリソースの種類と事前の確認ポイント

リソースの種類 参考数値 事前の確認ポイント
ネットワーク回線 一般的に 100Mbps-1Gbps 極端に帯域が細くないか確認する
データ転送量 一般的に 無制限 転送量に制限がないか確認する
グローバルIPアドレス 一般的に IPv4アドレス1個 必要な範囲のアドレスが付与されるか確認する

通信ポートの制限など

これら3つのネットワークリソースが提供される一方で、VPSサービスによっては特定のポート(例えば、内向きのTCP22番[SSH]ポート)が閉じられていたり、外部からのICMPをブロックしている場合があるので注意が必要です。契約する前に必ず確認しておきましょう。

運用設計ラボ合同会社 / 日本UNIXユーザ会

ADSLキャリア/ISPにてネットワーク運用管理、監視設計を担当後、ASPにてサーバ構築運用、ミドルウェア運用設計/障害監視設計に従事。システム障害はなぜ起こるのか? を起点に運用設計の在り方に疑問を抱き、2009年夏より有志と共同で運用研究を開始し、2013年夏に運用設計ラボ合同会社を設立。日本UNIXユーザ会幹事(副会長)、Internet Week 2013プログラム委員、Internet Conference 2013実行委員など各種コミュニティ活動にも積極的に参加している。

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