新型マインドストームEV3が彩るアイデアロボットの競演「ロボTRY」決勝イベントレポート

2013年12月11日(水)
Think IT編集部

審査員紹介

決勝大会の審査を担当するのは、masuidriveこと増井雄一郎氏、株式会社ツクロアの秋葉ちひろ氏、株式会社アフレルの軽部禎文氏の3名。決勝プレゼンテーション中も、出場者にさまざまな質問をぶつけ、各作品の優れているポイントを見極めている様子だった。

左から審査委員長の増井雄一郎氏、秋葉ちひろ氏、軽部禎文氏(クリックで拡大)

“Rubyの女神”を迎えて行われたトークセッション

ひと通りプレゼンテーションを終え、審査員が会場を後にすると、本決勝大会のスペシャルゲストである“Rubyの女神”こと池澤あやかさんがあらためて紹介され、司会の工藤氏とアフレルの渡辺氏の3名によるトークセッションが行われた。

スペシャルゲストの池澤あやかさんを中心にトークセッションが行われた(クリックで拡大)

トークセッションでは、はじめに池澤さん自身が製作したEV3ロボットを紹介。その後、プログラミングのできる女優でありながら学生という多才な経歴を紹介しながら、自身が興味を持っているという金魚の研究や、中学校で必修化されたプログラミングの授業などの話題で盛り上がりつつ、審査待ちの会場内を楽しませてくれた。

審査結果発表!グランプリ作品はチーム「一菜」の「Mindeyes」

トークセッション後、審査結果を携えて審査員たちが再登場。多彩な決勝作品の中、チーム「一菜」の製作した物体識別ロボット「Mindeyes」が見事グランプリを獲得した。

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受賞したチーム一菜の東谷萌菜子さんのコメント「自分だけでなく、お父さんや家族みんなが練習の時も支えてくれたのが良かった。ロボットも審査員の前でいいところを見せようと頑張ってくれたので1位になれたのかなと思いました。」
父親の賢一さんは萌菜子さんについて、自分よりレゴ教室に通い、プレゼンもこなしていた。作品のダメ出しもすごかったので、ここまでこれたのは彼女のおかげ、それから皆さんのおかげです。と話していた。

その他の各賞受賞者は以下の通り。

準グランプリ:作品名「2wayUFOキャッチャー」/チーム名「ASONDEMITA」

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第3位:作品名「CABA-ROBO」/チーム名「みやけん」

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チームラボ株式会社賞:作品名「CABA-ROBO」/チーム名「みやけん」

チームラボ株式会社賞は、第3位と同じくみやけんが受賞。連続での受賞に会場も沸いていた。

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アフレル賞:作品名「Fisans」/チーム名「くろだ 02」

長崎から期末試験前日に参加し、見事なプレゼンテーションを披露した黒田幹大さんには、飛び入りのアフレル賞として、レゴマインドストームEV3が贈られた。

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審査委員長の増井氏による総評

採点ではスコアが迫っておりどのチームを評価するか非常に悩んだ。1位から3位までに共通するのは、プロダクト(製品)レベルでまとまっているかどうか。そういった視点だと年の功か、大人が強くなってしまう傾向がある。子どもの発想力と、製品をまとめる力を両方持っているチームが強かった。

1位のチーム「一菜」については、審査員全員が「完成度」の項目で満点をつけており、満場一致で決まった。デモンストレーションの完成度や、モーターを使った通信など技術的な観点からも完成度の高さを感じることができた。2位の「ASONDEMITA」は、実際のイベントで使われている様子を見ることで完成度の高さを十分感じられたし、子どもと一緒に楽しみたいという気持ちも強く伝わってきて、これらが採点に反映された。親子チーム以外で受賞した3位の「みやけん」は、I2CやArduinoなど新しいデバイスを使い、幅広い技術を使いながらも、遠隔地の人とコミュニケーションを取るという面白いパッケージをまとめた点を評価した。マインドストームの新しい方向性が見ている人にも伝わったのではないだろうか。

発売されたばかりのEV3についても触れ、情報も少なく、また準備期間も短かったため、完成度を上げることは大変だったと思う、と語る。前作NXTに比べてメモリも大幅に増え、Bluetoothでスマートフォンと連携したり、Wi-FiでTwitterやFacebookと連携ができたりと大幅に進化しているので、次回以降も開催されるのであれば、そういった機能を生かした新しい試みも見てみたい。と結んだ。次回以降については事務局より前向きに検討中とのこと。

参加者、関係者全員で記念撮影(クリックで拡大)

増井氏が話したとおり、どの作品も非常に興味深いものばかりだったため、ぜひ次回も開催して新しいロボットが次々と登場することを期待したい。

【参考リンク】

ロボTRY公式サイト

(リンク先最終アクセス:2013.12)

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