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RHEL7を一足先にキャッチアップ! -レッドハット・フォーラム 2013-

2013年12月9日(月)
Think IT編集部

レッドハットは自社が開催するカンファレンス、「レッドハット・フォーラム 2013」を11月15日 ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区芝)にて開催した。

「国内最大級のOSSイベント」を標榜する同イベントの本年のテーマは「OSSのイノベーションで事業戦略を」とし、パートナー各社も出展する展示、ユーザー企業が登壇する導入事例を含む30以上のセッションが展開される等、充実した内容となった。

オープニングセッションを中心に当日の模様をレポートする。

技術革新を牽引して行くOSS

基調講演に登壇した米国RedHat CEOのジム・ホワイトハースト氏は、イノベーションの歴史を振り返りながら「産業革命の時代に貢献したのは工作機械の発明者ではなく、その工作機械を使い、技術を育んできた人々である。」と話す。これをレッドハットに置き換えながら、「真の貢献者は当社ではなく、レッドハットに関わる多くのベンダー、ユーザーである。」と述べた。

米RedHat CEO ジム・ホワイトハースト氏(クリックで拡大)

オープンソースの醍醐味として「facebookでも小規模プロダクトでも、使われるオープンソースは基本的に同じものだ」と話し、またオープンソースありきではなく、問題を解決するためのオープンソース製品を採用することが重要だと話した。オープンソースでは、開発者はコードを単に公開するだけでなく、企業や個人など、コミュニティを通じて様々な技術者が関わることで、より高度な技術革新がおこる。オープンで参加しやすいコミュニティに技術を持ち寄り、繰り返し改善が続けられる。

多くの人の参加によって適正なロードマップが構築されイノベーションがおこるOSSは、企業が独自で作り上げる製品とは「スケール感が違う」と氏は強調する。

氏はRedHatとHadoopの関わりを例として、すべての言語やプラットフォームに対してオープンソースでのオーケストレーションが確立しつつあること、コミュニティへの貢献を示しながら、「長現在作っているものがこれから10年先のイノベーションモデルとなり、オープンソースが技術革新を牽引しする。自分たちは100%オープンであり続け、何よりも顧客のニーズに応えて行くことが大切だと考える」と同社の指針を示した。

エグゼクティブが語るOSSへの取り組み

レッドハットとの親交も深い、企業3社のCEO、CIOと、ユーザー会の会長が登壇し、自社のオープンソースへの取り組み、スピーチが行われた。

エヌ・ティ・ティ・コムウェア 社長 海野 忍氏

NTTコムウェアでは、2000年頃からオープンソース・ソフトウェア(OSS)を利用し始め、同年からLinuxセンターを設立して取り組んでいる。

現在、同社の料金精算システムはすべてOSSで構築されており、海野氏はOSSにシフトした経緯を「商用製品はブラック・ボックス化されているので非常に恐い、オープンなら、自分たちでも対処できる」と話す。業務の性質上24時間360日停まってはいけないことや、トラブルに対するスピードも重視されることから、「高い可用性とミッションクリティカルなことから選択した」と結論づけた。

エヌ・ティ・ティ・コムウェア 社長 海野 忍氏(クリックで拡大)

NTTの持ち株会社であるOSSセンターは現在80名の専門家が在籍しており、同社からは20名程が派遣されている。中心となる業務は、NTT特有の使い方に対するOSSの耐性や、複数のOSSを組み合わせた時の整合性などの研究で、コミュニティへもパッチの提案や機能追加などで参加貢献している。この研究の成果もあって、NTTコムウェアのプロジェクトでは、OSで7割、DBで5割 ミドルウェアで5割程の比率でOSSが使えると確証している。10割に届かない事情としては、旧来のシステムの混在が関係するとのこと。

氏はまた、CIOのポジションについても言及し、日本と海外とはだいぶ立ち位置が違うと話す。日本では総務系の人間がCIOを兼務しているが、海外ではITに精通したCIOが多く、ITを活用して顧客分析を行って売り上げに貢献したり、新しい基幹システムを作るなど「攻め」のツールとして活用している点が異なるようだ。

東京海上日動システムズ 社長 宇野 忍氏

東京海上日動システムズは、合言葉を「チャレンジビューティー」とし、文字の多い保険約款等の内容を分かりやすくするために、スマホ、タブレットというデバイスの徹底活用に取り組んでいる。

東京海上日動システムズ 社長 宇野 忍氏(クリックで拡大)

現在、世界37カ国456拠点で事業展開し、海外の保険事業は全体比で、2003年は4% 2007年は20%、現在では40%と売り上げを伸ばしている。特にインフラ環境の脆弱な新興国対策にはモバイルが必須だと考え、2012年4月には代理店・顧客向のサービスをリリースさせ、HTML5を採用してブラウザー・フリー、デバイス・フリーによってコスト削減に成功している。マルチ・プラットフォームの利点はコストだけでなく、二次的には様々な代理店のIT環境にも対応する利点がある。OS・ミドルウェアについてはOSSを活用して、サーバーが保守切れになるタイミングで随時仮想環境に移行させている。

レッドハットに期待することは「上流から下流まですべて仮想環境できるサービスを提供して欲しい」と述べ、今後は日本発のプロセスを作って行きたいと語った。

日産自動車 CIO 行徳 セルソ氏

日産自動車では、2016年までの達成目標である「日産パワー88」を進めている。目指すはマーケットシェア8%、営業利益率8%であり、項目は「プロセス」「プロダクト」「人材」「アライアンス」が該当する。

東京海上日動システムズ 社長 宇野 忍氏(クリックで拡大)

オープンソースで期待されているのはマーケットの拡大であり、その一つがビジネスルール・エンジン「JBoss Enterprise BRMS」を採用だ。効果として昨年は投資としてコストが半額になっていると報告されており、同社のオープンソース活用の中で最もインパクトがあった事案であったと行徳氏は語る。

氏は、ITをビジネスに貢献して行く点で重要なのは、ゴーン氏の提唱と同様にITマネジメントにおける「3つのS」すなわち、Speed、Simplification(簡易化)、Standardization(標準化)、だという。
IT分野での人材育成の部分では、グローバルに展開しており、ベンダー社への積極的な社員派遣を行っている。

次世代のIT人材のへのメッセージは「若い人にチャレンジさせることが重要」「技術の風通しを良くすることが重要」だと語る。行徳氏もゴーン氏より直々に未経験のまま「CIOを任せる」と言われ、その様なチャレンジングな環境で育って来たことによる説得力を放っていた。

“オープンソース技術の実践活用メディア” をスローガンに、インプレスグループが運営するエンジニアのための技術解説サイト。開発の現場で役立つノウハウ記事を毎日公開しています。

2004年の開設当初からOSS(オープンソースソフトウェア)に着目、近年は特にクラウドを取り巻く技術動向に注力し、ビジネスシーンでOSSを有効活用するための情報発信を続けています。OSSに特化したビジネスセミナーの開催や、Think IT BooksシリーズでのWeb連載記事の電子書籍化など、Webサイトにとどまらない統合的なメディア展開に挑戦しています。

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