日本人エンジニアが働きやすい国、インドネシアでの起業を考える(後編)
WordPressが本格的に普及を始めているインドネシア
前回の記事に続き、3月24日から26日の期間、インドネシアで参加したセミナーと現地の様子をレポートします。後編では、インドネシアのWordPress事情に絡めて、「Jakarta WordPress Meetup」についてご紹介します。
全世界のWebサイトの20%、全CMSサイトの60%でWordPressが稼働するようになりました。多くのエンジニアが肌で感じていらっしゃると思いますが、日本ではWordPressが圧倒的なCMSシェアを持つようになっています。インドネシアでも少し前まではJoomlaがシェアを持っていましたが、急速にシェアを落とし、現在では、WordPressが大半を占めるようになりました。
インドネシアでWordPressが普及した理由は、WordPressがOSSであり、誰でも簡単に入手し、お金をかけずに独学で学べることや、簡単に構築できるためです。また単なるブログ用途だけでなく、ECサイトなどを含めたWebサイト全般のシステム構築に適用できるようになったため、さらに普及が加速しています。OSSのCMSには、WordPress以外にもJoomlaやDrupalなどもありますが、WordPressと比べると習得が難しく、結局一部の技術者しか使用しないようになったそうです。これは日本とほぼ同じ状況だといえそうです。
WordPressによる法人向けWebインテグレーションサービス実績を豊富に持つプライム・ストラテジー。そのインドネシア法人である、プライム・ストラテジー・インドネシアで開発部のリーダーを務めるブディ・イラワン氏も「WordPressは構成がシンプルで勉強しやすいので、入門者にもお勧めできます。WordPressは易しいCMSですが、インドネシアでもBank Negara Indonesia(BNI)やMicrosoft、Adobe Systems、JTBアジアパシフィックなどの大規模システムの実績がある通り、かなり高度なシステムも構築できます。とても面白いソリューションですので、まずは触ってみてほしいです。触ってみることでWordPressの良さがわかると思います。」とコメントしています。
では、インドネシア市場でも中心的なCMSとなっているWordPressの動向について市場データを踏まえて、解説していきます。インドネシアに渡航してCMSでビジネスをすることを考えている方は是非ご参考ください。ご存知の方も多いと思いますが、WordPressが提供するサービスには大きく分けて2つあります。WordPress.com(レンタルブログ)とWordPress.org(ブログ・CMSソフトウェア)です。
前者は一般ユーザー向け、後者は主に制作者やヘビーユーザー向けといえます。「WordPressのシェア」という場合、厳密にはどちらのサービスについての話なのかによって結論が異なってきます。
※参考:「WordPress.comとWordPress.orgの違い」
WordPress.com(レンタルブログ)の動向
インドネシアにおいて、WordPress.comはかなり人気があり、多くの人が利用しています。実際、WordPress.comはインドネシアで8番目に人気のあるサイトだったりします。全世界におけるWordPress.comの国別利用者数を見ても、インドネシア人の割合がもっとも多いです。
120言語以上のブログからなるWordPress.com で一番多く使われているのは英語で、60%を占めています。但し、最近は、インドネシア語、ドイツ語、フランス語、トルコ語など英語以外の言語圏で高い成長率が確認されています。
人気の理由として、用途が明確なものを好むインドネシア人の気質に会っていることがあげられると思います。レンタルブログのような、手軽で用途が明確なものが好まれているのでしょう。レンタルブログのインフラとしてはWordPressが構築・メンテナンスの容易さ、OSSであるが故のコストメリットなどで軍配が上がっているようです。
WordPress.org(ブログ・CMSソフトウェア)の動向
ご存知の方も多いと思いますが、全世界におけるCMSのマーケットシェアの一位はWordPressで、60%以上のシェアを持っています。
※参考:「Market share trends for content management systems for websites」
インドネシアにおけるWordPressのCMSマーケットシェアは以下の「Googleトレンド」にある通り、マーケットシェア上位はWordPress、Joomla、Drupalです。ただ、このグラフには「WordPress.com」も含まれているため、正確ではないです。現地のエンジニアにヒアリングした感覚では、Joomlaは過去のものになりつつあり、現在伸びているのはWordPressだそうです。
Think ITメルマガ会員登録受付中
全文検索エンジンによるおすすめ記事
- 日本人エンジニアが働きやすい国、インドネシアでの起業を考える(前編)
- 日本ユーザーグループ3周年イベントでキーマンが紹介する Windows Azureの上手な使い方
- BOSS-CON JAPAN、新しい技術者認定試験「KUSANAGI for WordPress試験」実施を発表
- プライム・ストラテジー、実行時間3ミリ秒台、秒間1000リクエストを実現するWordPress実行環境「KUSANAGI」を発表
- 押さえておきたいCMSの基礎知識
- 米Red Hat「Ansible 2.1」提供開始、プライム・ストラテジー「KUSANAGI RoD」β版無償提供、ほか
- MSが「Azure IP Advantage」を発表、インテル「BigDL」をオープンソース化、ほか
- マーケティングオートメーションのMautic「オープンソースで世界を変えたい」
- 日本での本格普及なるか? 大規模サイト向けCMS「Drupal」創始者が初来日
- WordPressがHTTPSアクセスを無償提供