日本ユーザーグループ3周年イベントでキーマンが紹介する Windows Azureの上手な使い方

2013年9月24日(火)
作原 英輔

2013年9月7日(土)、品川の日本マイクロソフト本社にて、Windows Azureの日本DC設立と Japan Windows Azure User Groupの設立3周年を祝い「【祝】Azure日本DC前夜祭!★Japan Windows Azure User Group 3周年!」が開催されました。当日の様子をレポートします(写真は登壇者の皆さん)。

イベントでは、JAZUG女子部によるセッション「Azureって何よ2013年の最新情報をゆるまとめ」から始まり、SQL Databaseの重要なアップデートの紹介 、WordPress On Azure、HDInsight(Hadoop on Azure)、 Media Servicesといったセッション、そして3周年を記念したLT(ライトニングトーク)大会、Think ITスポンサーの懇親会という流れで開催されました。特に気になる女子部のセッションと「本格ビジネスサイトを作りながら学ぶWordPressの教科書」の著者である、プライム・ストラテジー株式会社代表取締役の中村けん牛氏のセッションについて記述します。

なんと、開始時刻を間違えて告知するというハプニングからスタート!これもコミュニティならではのゆるふわ~な感じで、主催の橋本氏も動じることなく開始。前座ということで突如はるたま氏がセッション0として登壇し、Windows Azureの外側はみんな知っているが内側がどうなっているのか、データセンターの中がどう動いているのか、管理されているリソースがどのくらいあるのか?について、またWindows Azure は1999年に地球上にあったコンピュータと同じくらいのリソースがあり、今も増え続けているという話から、Windows Azureの物理的なアーキテクチャや論理的なアーキテクチャ、MS社内用ツールについて語りました。

Japan Windows Azure User Group 橋本圭一氏
Japan Windows Azure User Group はるたま氏

女子部セッション:Azureおさらい2013 Japan Fall

登壇者紹介

安東沙織(アンドウサオリ)氏:JAZUG女子部 部長
某電話グループのSIer勤務のインフラエンジニア
始めたころはペーペーですと言っていたがもう既に5年経過という中堅的ポジションな女子部を率いる部長

鈴木可奈(スズキカナ)氏:JAZUG女子部にてお母さんとお笑い役担当
某ベンダー系研修会社勤務
会場ではいいメガネをもっている人はアピールしてくださいと呼びかけるほどの無類のメガネ男子好き

女子部セッション登壇者の2人、安東氏(左)と鈴木氏(右)

まずはおさらい的にWindows Azureって何よ?というところからスタート。

“オープンで柔軟なプラットフォーム”とキャッチコピーがついているWindows Azureは、その名の通り、JavaやPHP、RubyやPythonにも対応している“オープンなクラウド”であり、インフラの性能を上げるスケールアップもサーバの数を増やすスケールアウトにも対応し、用途に合わせて利用できる“柔軟なプラットフォーム”です。

現在データセンターは全世界に8拠点、今後は日本、オーストラリアでも開設を予定しています。データを保管するSQLデータベースとストレージは、3重のバックアップと基本ジオリプリケーションがオンになっているので、アジアであればアジアで2つのデータセンター、ヨーロッパであればヨーロッパで2つのデータセンターで2重にバックアップされるので、実質的には6重ものバックアップが施されることになります。

女子部セッションの様子

Windows Azureは、2012年7月に新しい管理ポータルサイトがリリースされ、画面左にサービスが並んでいます。ちょうど1年前はそのスペースに余裕がありましたが、怒涛のアップデートで、もはや余白がないくらいサービスが増えました。鈴木氏は、画面ショットを活用しその使い方を教える仕事なので、ポータルが刷新されるたびに資料の画面ショットを変更しなくてはならないため仕事に影響しますと笑顔で語っていました。たしかに、もはや2013年のスプリングリリースからは追いつけなくなるほどのサービス展開!

女子部セッションの見どころ!その1
お笑い担当のユニークな比喩がなんともいえない面白さ

この1年のコミュニティイベントとアップデート情報を振り返りながら、2012年のGoAzure女子部セッション枠での1コマを披露。各サービスをなんとAKB48になぞらえてプレゼンするというユニークなセッション。これは女子部メンバーにしかできません。

主なサービスをアイドルに例えてみた!の図

クラウドサービスといえば、彼女がいないとものたりない前田敦子、仮想マシンといえば、新機能だけど古参メンバー大島優子、そしてWebサイトは指原莉乃、いまやセンター的なサービスのWebサイトの未来を去年から予測していたとは!こんなユニークなセッションを女子部は展開しています。

女子部セッションの見どころ!その2
和牛・・・?仮想マシンのインスタンスサイズに2つのメモリ集中型インスタンスの提供開始

クラウドサービスと仮想マシンで使えるメモリ集中型インスタンスの提供が開始されました。従来のサイズに加え、「A6」サイズはメモリが 28GB、「A7」サイズは56GBのメモリの利用が可能です。これを、最上級の和牛の格付けランクに例え、A5ランク以上の最高級品を使って「全力でぶん回せる」ようになったことをユニークに知らせるこの技はさすが女子部といったところ。

最上級の和牛に例えてみた!の図

その他のアップデート情報として、分単位課金やインスタンスを止めると無課金になるサービス、Windows Azure ストア、通知ハブやプッシュ通知、オートスケールやアラート機能などの新機能についても解説。
詳しくはセッション動画が閲覧できる下記リンク先をチェックしてください。
→ 【祝】Azure日本DC前夜祭! ★Japan Windows Azure User Group 3周年!★動画とスライドはこちら

今回の目玉の1つである国内データセンター解説については、昨年からコミュニティでマイクロソフトの本社開発責任者 スコット ガスリー氏に日本にデータセンターをくださいと祈りをささげていたら、ようやく今年になって日本にデータセンターをプレゼントしてくれるというニュースが流れたとのこと。

日本では首都圏と関西圏の2か所にデータセンターの開設が予定されています。これにより日本国内でのジオリプリケーションが可能となるので、国外にデータの持ち出しができないという企業の課題が解決され、より魅力のあるサービス提供が実現されます。

現時点でデータセンター開設の具体的な日時は公表されておらず、JAZUGにとってのAzure日本DC前夜祭がいつまで続くかわからない、とのことですが、毎日みんなでお祝いをしましょうということで、女子部セッションは暖かい雰囲気で終始和やかに進行しました。

株式会社FIXER クラウドインテグレーション事業部 部長

Webシステム開発会社に入社後、大手コンビニエンスストアのホームページシステムのインフラ運用を担当。その後、大手証券会社のオンライン取引システム構築プロジェクトのインフラチームに参画。豊富な実績を経て、多数のプロジェクトを掛け持ちするプロジェクトマネージャーとなる。新規のシステム構築提案を行っていく中で、従来のオンプレミスだけではなく、クラウド提案の必要性を実感し、株式会社FIXERに入社。現在、今までのシステム構築のノウハウを携え、クラウドプラットフォームWindows Azureのエキスパートとして縦横無尽に活躍中。

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