エンジニア起業家が集まるシリコンバレーってどんなところ?
シリコンバレーのこと、どのくらい知っていますか?
アップル、グーグル、フェイスブックなどの名だたるインターネット企業が本社を置く場所。世界的に利用されるサービスや製品の研究開発の拠点。多くの人にとってシリコンバレーとは、 このような漠然としたイメージが思い浮かぶ場所ではないでしょうか。 GmailなどのサービスやiPhoneなどの製品を毎日使っているのに、シリコンバレー自体については、それ以上はあまりご存じない方が多いのではないかと思います。
私は、このシリコンバレーで FlyDataという、特に企業向けにインターネットサービスを提供する会社を起業し、2年半以上ここでスタートアップ起業生活を送ってきました。その中で、特にエンジニア出身の日本人がシリコンバレーで起業するということはどういうことなのか、何が必要で、どのようなことが毎日起こっているのか、ということを、自分の会社での経験や起業家コミュニティの中で見聞きしてきたことを元に、お伝えできたらと思います。
想定している読者層は、シリコンバレーに興味があるソフトウェアエンジニア、特に若い方を想定しています。そのような方々がシリコンバレーのスタートアップやエンジニア事情についてより実感が持て、ご自身の今後に活かせるようなものになれば幸いです。
スタートアップに一番必要なもの、それは快適な気候と毎日快晴!
シリコンバレーの地理的な位置は、アメリカ・北カリフォルニアの主要都市であるサンフランシスコから車で1時間程度南下した、サウスベイと呼ばれる場所が中心だと言われています。この辺りは昔からスタンフォード大学を中心としたテクノロジーのコミュニティがあり、その昔半導体の研究・開発が最先端だった頃に、投資家と起業家の集まる場所としてシリコンバレーという名前ができたということです。
当時は、全米10番目に人口が多いサンノゼという都市辺りがシリコンバレーの中心と思われていたのですが、近年は段々サンフランシスコの方に中心が移動してきていると言われています。これは、最近のモバイル系スタートアップがサンフランシスコを拠点とすることが多く、若い成功した企業がそこに集まっているからです。ただ一般的には、その両者の中間にある、 パロアルト・マウンテンビューや、私が住んでいるサニーベールなどをシリコンバレーと呼ぶようです。
サウスベイは、サンフランシスコよりも温暖で、また太平洋沿岸から流れてくる冷たい気流の影響もあって夏は涼しく冬はそこまで寒くならないという理想的な気候に恵まれています。また、4月から10月くらいまではほとんど雨も降らず、この期間はほぼ雲ひとつない快晴が続くことが多いです。
スタートアップというのは、その性質上常になんらかの問題が発生し、毎日うまくいかないことも多く、放っておくとどんどん気が滅入ってしまうものですが、朝起きて会社に向かう時、晴れ晴れとした空気の中にいるだけでまたやる気が湧いてきます。こちらの起業家は声を揃えて言うのですが、この毎日快晴という環境はスタートアップの起業という大変難しいチャレンジにとって、とても重要なことだと思います。
ところで、ヤフーやグーグル、フェイスブックといった会社の共通点は何だと思いますか?それは、創業者たちがエンジニア出身であり、自分自身で初期のプロダクトを作り出していることです。次回は、なぜシリコンバレーにはエンジニア出身の起業家が多いのか、その理由について書いていこうと思います。
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