ガラリと変わったCentOS 7 10

OpenLMIによるストレージ管理

OpenLMIによるストレージ管理

次に管理対象サーバーに接続されているローカルのストレージについての情報を取得してみます。

# lmi -h localhost storage tree
Name        Size         Format
/dev/sda    599932844032 MS-DOS partition table
┣/dev/sda1 524288000    xfs
┣/dev/sda2 16852713472  swap
┣/dev/sda3 53687091200  xfs
┣/dev/sda4 1024         Unknown
┗/dev/sda5 528866082816 xfs

lmiコマンドを使ったストレージデバイスの表示。デバイス/dev/sda上に作成された各パーティション、サイズ、フォーマットを分かりやすく一覧表示できる

上記の例では、ローカルに接続されたストレージデバイスとして、MS-DOSパーティションテーブルを含む/dev/sdaの配下に、/dev/sda1から/dev/sda5までの5つのパーティションが存在することがわかります。以下のように、ローカルに接続されているストレージの一覧を取得することもできます。

# lmi -h localhost storage list
Name                                               Size         Format
/dev/sda1                                          524288000    xfs
/dev/sda2                                          16852713472  swap
/dev/sda3                                          53687091200  xfs
/dev/sda4                                          1024         Unknown
/dev/sda5                                          528866082816 xfs
/var/lib/docker/devicemapper/devicemapper/data     107374182400 Unknown
/var/lib/docker/devicemapper/devicemapper/metadata 2147483648   Unknown
/dev/loop0                                         107374182400 ext4
/dev/loop1                                         2147483648   Unknown
/dev/sda                                           599932844032 MS-DOS partition table
/dev/sr0                                           599932844032 Unknown

しかし、2015年1月下旬時点でのCentOS 7に対応した最新のOpenLMIでは、RAIDコントローラの種類や光学デバイス(/dev/sr0)の機種等の詳細な情報を取得することができない点に留意する必要があります。CentOS 7において、RAIDコントローラや光学デバイスの機種の情報を取得するには、現時点で、以下のようにOpenLMIではなく、lsscsiパッケージに含まれるlsscsiマンドを使用する必要があります。

# lsscsi
[0:0:0:0]    disk    HP       LOGICAL VOLUME   4.68  /dev/sda
[0:3:0:0]    storage HP       P420i            4.68  -  ←HP SmartArray P420i RAIDコントローラ
[3:0:0:0]    cd/dvd  HP       DV-W28S-W        G.W3  /dev/sr0 ←DVDドライブの機種「DV-W28S-W」

OpenLMIによるソフトウェアRAIDの管理

OpenLMIでは、ソフトウェアRAIDの管理が可能です。以下では、物理ディスク/dev/sdb、/dev/sdc、/dev/sddを使ってソフトウェアRAID5を構成する例を紹介します。まず、CentOS 7上から認識されているストレージデバイス/dev/sdb、/dev/sdc、/dev/sddを使ってRAID5を構成するRAIDセット「myraid001」を作成します。

# lmi storage raid create --name myraid001 5 sdb sdc sdd

RAIDセット「myraid001」からボリュームグループ「myvg001」を作成します。

# lmi storage vg create myvg001 myraid001

ボリュームグループ「myvol001」から論理ボリューム「myvol001」を作成します。今回は、論理ボリュームのサイズは400GBとします。論理ボリュームは、/dev/mapperディレクトリ配下に作成されます。

# lmi storage lv create myvg001 myvol001 400G
# ls -l /dev/mapper/myvg001-myvol001
lrwxrwxrwx 1 root root 7 11月 17 15:36 /dev/mapper/myvg001-myvol001 -> ../dm-2

論理ボリューム「myvol001」からファイルシステムを作成します。ファイルシステムは、XFSでフォーマットします。

# lmi storage fs create xfs myvol001

マウントポイント/myvol001ディレクトリを作成し、フォーマットした論理ボリュームをマウントします。

# mkdir /myvol001
# lmi storage mount create /dev/mapper/myvg001-myvol001 /myvol001/

作成したRAIDボリューム「myraid001」の情報を確認します。デバイス名やRAIDレベル、構成する物理デバイス等を確認することが可能です。

# lmi storage raid show
/dev/disk/by-id/md-name-centos70n02:myraid001:
Name         Value
Type         MD RAID
DeviceID     /dev/disk/by-id/md-name-centos70n02:myraid001
Name         /dev/md/myraid001
ElementName  myraid001
Total Size   1717043200000
Block Size   512
RAID Level   5
RAID Members /dev/sdb /dev/sdc /dev/sdd
Data Format  software RAID

最後に、論理ボリュームが指定したファイルシステムで正常にマウントされているかをdfコマンドで確認後、データの読み書きができるかを確認してください。

OpenLMIによるネットワークデバイス管理

lmiコマンドを使って、オンボードNIC、追加NICに関係なく、管理対象サーバーに装着されているNICや仮想的なインタフェースを表示することができます。インタフェース名、現在の状態、MACアドレスの一覧を取得することができます。また、コンテナーで作成した仮想的なインタフェースである「docker0」やブリッジインタフェースの「br0」、KVMで利用される仮想的なインタフェース「virbr0」についての情報も分かりやすい形で表示できます。

# lmi -h localhost net device list
ElementName OperatingStatus MAC Address
br0         In Service      2C:76:8A:5D:F3:6C
docker0     Starting        56:84:7A:FE:97:99
eth0        In Service      2C:76:8A:5D:F3:6C
eth1        In Service      2C:76:8A:5D:F3:6D
eth2        Starting        2C:76:8A:5D:F3:6E
eth3        Starting        2C:76:8A:5D:F3:6F
lo          Not Available   00:00:00:00:00:00
virbr0      Starting        16:54:77:BE:DA:2D

OpenLMIによるパッケージ管理

一般的に、CentOS 7におけるパッケージ管理は、rpmやyumコマンドを使いますが、OpenLMIのlmiコマンドを使ってパッケージ管理も行うことができます。パッケージのインストールには、lmiコマンド「sw install」とパッケージ名を付与します。以下は、Apache Webサーバーを実現するhttpdパッケージをローカルの管理対象サーバー上にインストールする例です。

# lmi -h localhost sw install httpd

管理対象サーバーにインストールされたhttpdパッケージの情報を表示してみます。パッケージ情報の表示は、lmiコマンドに、「sw show pkg」を付与します。

# lmi -h localhost sw show pkg httpd
Name=httpd
Arch=x86_64
Version=2.4.6
Release=18.el7.centos
Summary=Apache HTTP Server
Installed=Sat Sep 13/2014  05:52
Description=The Apache HTTP Server is a powerful, efficient, and extensible web server.

上記のように、lmiコマンドによるパッケージ情報の表示では、パッケージ名、アーキテクチャ、パッケージのバージョン、リリースバージョン、概要、インストール日時、説明が表示されます。

OpenLMIによるサービス管理

OpenLMIは、管理対象サーバーの各種サービスの起動、停止、状態確認等の管理が可能です。以下は、管理対象サーバーにインストールされたNGINXの状態を確認する例です。

# lmi service show nginx
Name=nginx
Caption=nginx - high performance web server
Enabled=Yes
Status=Stopped - OK

上記の「Status=Stopped - OK」の出力から、NGINXサービスは、停止していることがわかります。NGINXサービスを起動し、状態を確認してみます。

# lmi service start nginx
# lmi service show nginx
Name=nginx
Caption=nginx - high performance web server
Enabled=Yes
Status=Running

上記より、NGINXサービスが稼働していることがわかります。

今回は、OpenLMIによるCentOS 7のシステム管理・監視について紹介しました。OpenLMIは、管理・監視の仕組みを標準化することで効率化を追求していますが、ハードウェア面も含めた管理機能の成熟度は、まだ発展途上であることは否めません。しかし、今後、ハードウェアレベルも含め、このようなシステム全体に関わる管理コマンドの標準化が進めば、Linuxシステムの管理・監視の仕組みが大幅に簡素化され、Linuxのスキル習得に係るコストの大幅な削減が期待できます。OpenLMIの取り組みは、まだ始まったばかりですが、今後の発展に大いに期待したいものです。

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