WordPressの導入方法
WordPressの導入方法
WordPressはユーザー数も多く、導入が簡単なCMSです。さまざまな人が、それぞれの目的でWordPressを利用しています。WordPressのブログ環境だけを利用する人もいますし、必ずしも、すべての人がWordPressをインストールしているわけでもありません。WordPressの利用の仕方も目的によってさまざまです。本書の解説では、Linux環境でのWordPressの構築を対象としていますが、それ以外にも、WordPressにはどのような実行環境があるのか、その実行環境は、どのような目的で使われるのか、ここで簡単に紹介しておきましょう。
用途によるWordPress環境の選択
WordPressを利用して個人ブログを始めたいだけなら、「WordPress.com」というサイトでアカウントを作成すれば、無料で自分のブログの運用を始められます。アップグレード版も用意されているので、将来はビジネス目的に利用するといったことにも対応しています。
また、個人事業主が顧客向けのサイト構築を考えている場合は、レンタルサーバーを借りて、WordPressを利用したブログサイトやコンテンツの提供・公開サイトを構築するのが、最も一般的な方法です。いまや、国内の主要なレンタルサーバー事業者であれば、WordPressの自動インストーラが用意されており、ほとんど迷うことなくインストールは完了します。共用サーバーを利用した安価なサービスであれば、月額500円程度で利用もできます。最初から公開ブログや情報公開サイトを構築する目的であれば、こうしたサービスを利用するのが最も近道です。
WindowsでのWordPressの導入方法
WordPressは、もともとLinux環境で使われることが多いのですが、ソフトウェアの開発や運用管理といった、WordPressのテスト環境の構築などを目的として、Windows環境のWordPressは利用されています。メリットとしては、レンタルサーバー、ネット環境がなくてもテスト可能ですし、インターネット上のWordPressサーバーにデータをアップロードやダウンロードせずに、変更結果が確認できる、といった点が挙げられます。
XAMPP
最も有名な方法は、XAMPP(ザンプ)と呼ばれるWebサービスに必要なパッケージを利用する方法です。おそらく、これまで最も多く使われてきた手法です。PHPのスクリプトを開発する場合は、XAMPPを利用している人が最も多いのではないでしょうか。XAMPPには、Linux版とMacOS版もあります。
WebMatrix
マイクロソフトによって整備されたオープンソースのインストーラを利用する方法があります。Microsoft Web Platform InstallerとWebMatrixというツールを使います。Apacheを使わないので(IISを使う)、利用するパッケージが通常とは異なりますが、非常に簡単にインストールできます。ローカルのWindows環境でWordPressのコンテンツを作成し、MicrosoftのクラウドサービスであるMicrosoft Azureへデータを転送することも可能です。
LinuxへのWordPressのインストール
本書で解説するのは、ブログサービスやレンタルサーバーを利用するのではなく、個人もしくは部門レベルで独自にWordPressをインストールし、情報共有を目的としたWordPressというCMSの活用方法です。そのため、インストール作業はやや複雑になりますが、ゼロからシステムを構築していきます。
こうしたWordPressの本格的な運用では、まだ専用のLinuxサーバーにインストールされることが多いようです。しかし、最近のPCの性能向上により、改めてLinux用にハードウェアを用意するまでもなく、WindowsやLinuxの仮想環境(仮想化ソフトウェアを利用した仮想マシン)でも、十分実用的なレベルのWordPress環境が構築できます。本書でもこうした状況に鑑み、「Windows環境+仮想化ソフトウェア」を利用し、Linux用のWordPressをインストールしていきます。
この記事のもとになった書籍 | |
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大月 宇美 著/できるシリーズ編集部 著 |
できるPRO WordPress -- Linuxユーザーのための構築&運用ガイド本書では、WordPressの導入と運用について、これから始めたいと思っている方を対象に、基本から応用へ、作業や操作を少しずつ、着実に進めていけるよう解説しています。 |