WordPressの基礎知識

2015年3月11日(水)
大月 宇美(おおつき たかみ)できるシリーズ編集部

WordPressの基礎知識

世の中には、すでに数多くのCMSが存在しています。先に紹介したGPLライセンスによって配布されるオープンソースソフトウェア以外に、商用ソフトウェアとしても、特徴のある製品がいくつもあります。しかし、数あるCMSの中でも、ユーザー数が多く、しかも扱いが容易なCMSとしてWordPressは評価されています。今では、Webサービスを利用した個人のブログ、レンタルサーバーを利用した中小規模の会社のポータルサイト、独自に構築したLinuxシステムにおける企業内の部門情報管理システムなど、その使いやすさに魅せられて、さまざまな用途で利用されています。

幅広く使われるWordPress

WordPressの誕生は、Matt Mullenweg、Mike Littleの2人が、シックスアパート社の「MovableType」を使った体験をもとに、その開発に着手したのが始まりです。最初のバージョンは、2003年5月27日にリリースされました(参考:Wikipedia)。

それまでにも、ブログを運営するためのソフトウェアは、数多く開発されましたが、Web標準やユーザービリティを意識した使いやすいブログシステムを目指して開発が続けられた結果、これまで、プラグイン機能による機能の拡張、WYSIWYG編集機能の追加、マルチサイトへの対応、コンテンツ管理機能の強化などが図られてきました。こうした機能の拡張により、ブログの運営にとどまらず、コンテンツを管理するCMSとしても使われるようになりました。また、数多くのユーザーに支援されることと相まって、非常に豊富なテンプレート、プラグインが無料で公開されています。

WordPressの進化(参考資料:Wikipedia)

図1:WordPressの進化(参考資料:Wikipedia)

PHPによって記述されている

WordPressは、PHPというスクリプト言語で開発されています。PHPは、プログラミング言語の1つであり、命令や手順を記述して、その結果をHTML形式のコンテンツでブラウザに表示する「Webアプリケーション」の一種です。

ただし、実際にWordPressを利用するためは、PHPだけではなく、Webサーバーの「Apache」、記事やシステムの設定を保存したり、取り出したりするデータベースサーバーの「MySQL」、それらのソフトウェアを動かすOS(Linux、Windows、MacOS)も必要です(Linuxの場合は、これらのソフトウェアの頭文字をとり「LAMP」、MacOSでは「MAMP」とまとめて呼ぶこともあります)。

PHP、Apache、MySQL、Linuxの関係

図2:PHP、Apache、MySQL、Linuxの関係

誰もが自由に使えるライセンス

WordPressは、GPLというライセンスで公開されています。このライセンスは、誰でも自由にソフトウェアを使えるように、プログラムの中身や改変したものを配布する自由を保障するライセンスです。WordPressはいかなる目的に対しても自由に使うことができ、必要に応じて自由に改造することができます。改造したものについても誰でも自由に使えることを保障するために、GPLバージョン2以降のライセンスで配布する必要があります。

この記事のもとになった書籍
できるPRO WordPress -- Linuxユーザーのための構築&運用ガイド

大月 宇美 著/できるシリーズ編集部 著
価格:2,500円+税
発売日:2014年12月19日発売
ISBN:978-4-8443-3732-4
発行:インプレスジャパン

できるPRO WordPress -- Linuxユーザーのための構築&運用ガイド

本書では、WordPressの導入と運用について、これから始めたいと思っている方を対象に、基本から応用へ、作業や操作を少しずつ、着実に進めていけるよう解説しています。

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著者
大月 宇美(おおつき たかみ)

1964 年、茨城県生まれ。コンピュータ商社、出版社勤務を経て1999 年に独立。コンピュータ書籍を中心に、執筆・編集・校正などを幅広く手がける。著書に『ひと目でわかるOutlook2013』(日経BP 社)、『新標準HTML & CSS3 辞典』(インプレスジャパン)ほか。

著者
できるシリーズ編集部

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