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写真で見るOCP Summit 2015

2015年4月7日(火)
中間 智也(なかま ともなり)

冒頭

2011年Facebookから始まったOpen Compute Project(OCP)も、今年で5年目を迎えた。7回目となるOCP Summitの開催地は昨年と同様、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼである。今回のOCP Summitは、過去最高の3000人近い参加者を集め、盛況を見せた。

OCP Summit 2015が開催されたSan Jose Convention Center

OCP Summit 2015が開催されたSan Jose Convention Center

会場内の展示ブースの様子

会場内の展示ブースの様子

キーノート

今回のキーノートでは、新しいOCPのメンバーの紹介と新たなコントリビューションについての紹介があった。新規メンバーとして、Apple、Bank of America、Cisco、Juniperなど9社、Solution Providerの新規メンバーとして、HP、StackVelocityの発表があった。またHPはOCPの仕様に準拠したサーバラインナップとして、Cloudlineを発表した。Cloudlineは大きく3つのプロダクト展開を予定しており(Rackscale System、Dense multinode servers、Bare iron rack servers)、これらはHPが設計し、Foxconnが製造する。

HP Cloudline CL7100 for Open Rack

HP Cloudline CL7100 for Open Rack

またFacebookからWedge/6-pack、FBOSS Agent、OpenBMC、HoneyBadger/Panther+、Yosemite/1S Serverが、BroadcomからはASICのプログラミングAPIであるOpen NSL(Network Switch Library)が、MicrosoftからはOCS Server v2などがOCPへコントリビュートされた。

新たにコントリビュートされた内容、ブースの様子

Wedge/6-pack

今回発表されたコントリビューションの目玉の一つとして注目されているのが、ToR(Top of Rack)スイッチのWedgeとSpineスイッチの6-Packである。昨年、FacebookのEngineer Blogでこの新しいToRスイッチが紹介されたが、実物は今回のサミットが初披露となる。Accton製の青いシャーシに収められたWedgeは、実際にFacebookのデータセンターでSpineLeafトポロジのLeafノードとして動作しているToRスイッチだ。内部構造は、Trident II ASICを中心に据えて、スイッチOSが動作するマイクロサーバが奥に搭載されている。マイクロサーバは、後述するOpenBMCで実装されたBMC(Board Management Controller)を備えており、サーバと同じようにリモートで管理することが可能となっている。

もう一方の6-Packは、内部構造はWedgeと同じで、シャーシに複数のブレード型のWedgeを搭載でき、シャーシの中央にある制御用のブレードからシャーシ全体をコントロールできる形になっている。

Wedgeの内部

Wedgeの内部

Wedge/6Pack正面。最上段がWedge、下が6Pack。

Wedge/6Pack正面。最上段がWedge、下が6Pack。

Wedge/6Pack背面。最上段がWedge、下が6Pack。

Wedge/6Pack背面。最上段がWedge、下が6Pack。

スイッチOSはいわゆるDisAggregateされており、Cumulus LinuxのようなオープンなネットワークOSを動作させられるようになっている。Facebookは、独自に開発したネットワークOSのFBOSSをWedge内で動作させており、FBOSS Agent経由でハードウェアのForwarding Tableを外部のコントローラから操作して、ネットワークを制御している。

今回のサミットでは、FBOSS AgentのようなHardwareのFowarding Tableを直接操作できるようなアプリケーションを、誰もが簡単に実装できるようにするためのOpen NSLと呼ばれるライブラリもコントリビューションの一つとして紹介されている。

OpenBMC

Hardware Management Engineering Workshopでは、OpenBMCの発表が行われた。BMCは、メインボードのCPUと独立した管理用のプロセッサ(RAM/Flash含む)であり、センサー情報やコンソール機能等を管理者に提供するものである。これまでは、各ベンダーごとに、また同一ベンダーであってもハードウェアの世代ごとに異なる実装のクローズドなものであり、開発コストのかかる非常に非効率な世界となっていた。

OpenBMCの目指すところは、BMCのソフトウェアスタックをLinuxディストリビューションと同様にパッケージ群やカーネルや基本的なドライバ群を共通のものとして提供することだ。さらに、多種多様なBMCやボードをサポートできるようにカスタマイズ可能なものとし、BMCの開発コスト削減への貢献を目指している。また仕様をオープンにすることで、システム管理における新しいイノベーションを誘発することにもフォーカスしている。

OpenBMCのプジェクトはまだ始まったばかりであり、第一弾の実装として、Wedgeのシステムボードに実装されている。第二弾として6Packへの実装、そして将来的にはサーバ製品への実装も検討されている。

OpenBMCは、Yoctoプロジェクトとして、以下のGitHubレポジトリにソースが公開されていて誰もが閲覧可能である。

facebook/openbmc

https://github.com/facebook/openbmc

FaceBookのWedgeにおける実装としては、BMC SoC(System on Chip)には、AST1250を使用する想定となっている。Linuxカーネルは、2.6.28.9であり、3.x系へのポーティングは現在開発段階にあるという。パッケージは、i2c-tools、lm-sensors、OpenSSH等のサードパーティ製パッケージ、IPMIStack、RESTFul Interface等の共通パッケージ、そしてボード専用のパッケージやドライバから構成されている。

下記は、WedgeにおけるBMCのソフトウェアスタックで、上からApp層、カーネル層、ハードウェア層の3層構造となっている。オレンジで塗りつぶされた部分が、ボードに固有な実装部分であり、この部分はBMCベンダーによって個別の実装が行われる。

著者
中間 智也(なかま ともなり)
伊藤忠テクノソリューションズ

2007年伊藤忠テクノソリューションズ入社。
主にサーバ/ストレージを中心にお客様のシステム導入をサポート。
現在は、OpenComputeProjectを推進する部隊に所属。
OCP関連の新技術やプロダクトの検証、また、OSSを中心とした、
運用支援ツールの開発を行っている。

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