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サービスのビジネスを拡大するには

2015年10月15日(木)
ReadWrite Japan

ゲスト執筆者のスコット・ガーバーはYoung Entrepreneur Council(YEC)の設立者である。

どの様なものであれビジネスを大きくするには時間、お金、そして大抵の場合思ったよりも多くの労力を必要とする。サービスビジネスはとりわけややこしく、これまでに会社が大きくなるにつれ、拡大の為の様々な取り組みがなされ、それが失敗してきた例を見てきた。

では彼らと同じ道を自分が辿らない為にはどうすればいいだろう?そこでYECから9人に、サービスビジネスを拡大するためのアドバイスを求めた。以下は彼らにとって次の様な戦略が自分にとって役に立ち、また他人にも勧められると考えるものだ。

1. まずアウトソーシングし、そして雇用する

会社が急成長すると、どうしても考えてしまうことは需要の伸びに対応出来るように更に人を雇い入れる事だ。しかし彼らを実際に雇用する前に、まずそれらの役割がゴマンといるフリーランサーや契約社員で賄えないかを考える事だ。彼らはスタッフではないが、クライアントやエンドユーザーにとっては関係ないことだし、会社側にとっては成長が鈍化したり成果を上げられない人材が出てきた時の選択肢が増える。雇用することはいつでも出来るが、まず外託することで事業主は人員が急に必要になった時でも長期的成長戦略を考えることが出来る。そして正社員として雇い入れる事が(註:給与的に)出来ない様な優れた契約社員からもノウハウを得ることが出来る。

アンジェラ・ハーレス, AcrobatAnt

2. 全てのことを出来ると考えないこと

自分のビジネスが初めて成長を始めた時、私はあらゆることに首を突っ込んで自分の時間をものすごく分散させていた。あらゆる事に首を突っ込まなくてもいいんだと分かってから、ストレスも減り、Crowd Surfはこれまで以上にうまく回り出した。優れたスタッフに囲まれることは大事だ。というのも彼らにプロジェクトの遂行を任せることになるのだから。我々は週一の電話及びレポートによる進捗の効率いい管理を築き上げたことから、多大な仕事を抱えた時でも、現在進行中のあらゆる事について十分に認識できる。

カシー・ペトレィ, Croud Surf

3. 自分の周りの人選と雰囲気作りを誤るな

幾つもの場面に首を突っ込みたいと思うのなら、会社の拡大のために一緒にミッションを遂行する熱意のある人を選ぶ事は避けられない。この人選によって結果は大きく変わってくる。

採用面接の時は自分の感覚を信じることだ。いい感じがしなかったり情熱をシェアできない人なのであれば、その人はふさわしくない。求人を出す前にマニュアルとトレーニングの準備を怠ってはいけない。

ふさわしい人を見つけたのなら、自社のブランドに沿った方法でトレーニングすることで、彼らはあたかも貴方が自分でやるかのごとく会社を大きくする事だろう。雇う人は提供しているサービスの業界の市場について知識(地域性、年齢層の両方)があり、競争力がある人でなければならない。

リンゼイ・ピンチャック, Bump Club and Beyond

4. 社内向けツールを作る

大きな導入コストをかけずに会社を拡大する為に、より効率化できるタスクは何かを特定し、それを実現できるツールを作れる開発者を探すべきだ。

あるスタートアップ企業の場合、ブロガー達の注目を集める為に人を雇ったが、彼らのトレーニングコストがかかりすぎ、企業の成長の足枷となった。その代わりにプログラマーを雇う事で、注目を集めるための多くのタスクを自動化する事にした。

そのツールでメールとプロジェクトとの連携が取れ、タスクのリマインダーが行えるほか多くのことが出来るようになった。このツールを使うことで、各従業員の稼働を倍ほど取れるようになり、結果会社の拡大の為の雇用を減らすことができた。

マルセラ・デヴィーヴォNational Debt Relief

5. 詳細なトレーニング教材を用意する

サービス事業を拡大するという事は、他人に自分かそれ以上にサービスの提供をしてもらうという事だ。その為にはかなり効率が良く完璧なトレーニングプログラムを用意するしかない。

どのようにサービスが提供され、それがいつでも同じように行えるよう細かく説明されたマニュアルが必要になる。

手を取って教えるような動画、講座、セミナーを設ける事だ。提供するのは人だとはいえ、サービスは工場から出てきた製品のように均一なものでなくてはならない。プロ意識、マナーを養う為に多くの時間をかける事を忘れてはいけない。それがサービス事業の全てだ。

トーマス・ミニエリPlanet Ballroom International

6. 自分の強みに焦点を置く

ビジネスの戦略や開拓などにおいて、自分だけが出来る事に集中する事を忘れてはいけない。あらゆる事よりそれを最優先しプロセスを構築する事で、第三者の目から自分のビジョンが見えてくる。

リンゼイ・マレーン,Prosper Strategies

7. プロフェッショナルなサービス管理システムを利用する

適切なシステムを持っているという事は、サービス事業の拡大の重要な点だ。例えば業務が時間あたりの効率を必要とするものであれば、時間計測とリソースマネジメントを行えるシステムを探すべきだ。また事業が製造よりなのであれば、マイルストーンと納期の管理ができるプロジェクトマネジメントを求めなければならない。

どのケースであれ顧客へのサービス提供状況を一目で伝えてくれる。詰まる所、適切なシステムはアクティブなプロジェクトはどれだけあり、誰が何の業務を持っており、何のリソースがいつ使えるようになるかという管理面の事を伝えてくれる。多くの疑問は堅実なサービス管理のシステム基盤を構築する事でのみ解決される。

デイビッド・シカレッリ, Voices.com

8. パートナーシップを築く

特定の業界の顧客は製品の購入やサービスの契約をそれぞれ異なるベンダーから行うことがある。戦略的パートナーシップはビジネスの拡大において大きな武器になる。あなたの顧客が自分達以外と契約しているベンダーを探し、お互いに補い合い、利益をシェアできる事はないかというチャンスを見つけることだ。例えばもしあなたの会社がモバイルアプリのコンサルタント業だとしたら、Web開発/制作エージェントとパートナーシップを結ぶといった具合だ。

ラウル・ヴァーシュネヤ, Arkenea

9. 技術的プラットフォームを構築する

ビジネスがサービス業だとはいえ、ビジネスの拡大のために技術的なプラットフォームを築くべきだ。そのプラットフォームによって業務の効率化を図ることができる。例えば私の会社の場合、専有の顧客リレーションシップ管理システムを導入し、顧客管理を効率化させている。

—ジェイソン・サン・ラ、Merchant Service Group / K5 Ventures

画像提供:plantronicsgermany

Scott Gerber
[原文]

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。

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