IT資産を最適化するデルの新しいマネジメント環境
ソフトウエア資産の確認時間を約60%短縮
SCCM 2007への移行は、デルのITインフラストラクチャと収益に目に見える効果を生み出しました。例えば、デルのIT管理者がソフトウエア資産を確認するのに要する時間はおよそ60%短くなりました。
先にも触れましたが、このことはITの担当チームだけでも20時間を費やしていた資産レポーティングを、管理者が毎月8時間ほど費やすだけの短縮化を遂げました。そのため、システム管理チームは新しいツールの開発や社員の作業をよりスムーズにすることに注力できるようになりました。
また、ユーザーのアプリケーション使用時間をリアルタイムで把握するため、ユーザーがどのようなソフトウエアを求めているかというニーズを正確に把握できるようになりました。
ソフトウエア資産の正確な把握は、ソフトウエアのライセンスコストを最適化することでもあります。どれだけのライセンス数が必要か正確に判別したうえで、ソフトウエア契約の交渉にあたることができます。ユーザーやシステムが見逃されたり、間違ってカウントされたりすることがなく、余計なライセンスを購入せずに済みます。
SCCM2007はOSの導入と管理に要する時間も大幅に削減します。推定では、ITチームが作成するイメージの数は66%減り、各イメージのメンテナンスに要する時間は約50%短くなることが見込めます。
実際に、システムイメージの管理とメンテナンスに要する時間は、全体でおよそ75%短縮されました。OSの導入と管理は融通のきかない手間のかかる作業から、高度に自動化されたフレキシブルなビジネスプロセスへと変身し、新しい条件に素早く対応できるようになりました。
他にも、SCCM2007にはITシステムを自動的に希望の状態にする「Desired Configuration Management」という機能があります。この機能は、システムの可用性やセキュリティなど、ネットワーク全体におけるパフォーマンスを向上させることができるため、標準構成をより効果的に管理しながら、しかも監査の要求に応えるための時間を短くすることができます。結果として各サーバーについて、およそ1時間かかる手動プロセスを完全になくすことができました。
SCCM 2007はITをシンプルにする
適切なシステム、マネジメントツールを導入することのメリットは、まだほかにもあると考えています。それはクライアントアプリケーションの仮想化計画です。SCCM 2007は全社規模のソフトウエアライブラリの管理を容易にし、各アプリケーションをいつ、どこへ、どのようにして配布するかを判別しやすくします。
このプロジェクトによって管理の時間とライセンス料金を節約し、デルのITチームとユーザー双方の作業を合理化することを目指しています。
安易に仮想化を取り入れることでかえって無駄な資源が増えてしまい、数年後「仮想化は失敗だった」とならないためにも、読者の皆さんもこの機会に運用管理を見直してみてはいかがでしょうか。