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あなたの知らない「建設業界」、現場で起きている5つの変化とは

2016年8月17日(水)
ReadWrite Japan

急成長しているIoTの後押しもあり、ウェアラブル技術も大きく成長している。CGS Insightsの分析によれば、スマートウェアラブルデバイスの出荷数は2013年の970万台から2018年には1億3500万台になるという。ウェアラブルデバイスは、帽子やシューズ、メガネに高級腕時計、そしてヘルメットなどに至るまでその裾野を広げている。

デバイスにはアクチュエータやバイオセンサー、ジャイロスコープなどが内蔵されており、心拍やストレスレベルその他さまざまなものを計測する。はじめはちょっとしたノベルティだったものが、いまではさまざまな業界を変えうる存在にまでなった。そのうちのいくつかは、全国の「工事現場」の安全性や効率性を変えようとしている。

以下で紹介する5つのガジェットはその例だ。

1. DAQRIのスマートヘルメット

1つめは、へルメットである。このガジェットが登場してからじつに数百年もの時が過ぎたが、ほとんど進化していない。そこで、カリフォルニアに拠点を置くDAQRI社は、独自で開発したシステムを用いて馴染みのヘルメットに変化をもたらそうとしている。

DAQRIのスマートヘルメットは、被った持ち主がこれから現場で何をするのかを伝えるバーチャルバイザーを備えている。ここで使われているDAQRIオリジナルの4Dシステムは、訓練期間の短縮に役立ち、タスクの重要度をビジュアルで直接的に伝えてくれる。また、このヘルメットには全方位カメラや3Dマッピング、文字認識機能も備えられている。言葉では伝わりづらいことや眠くなるマニュアルの代わりとして、データマイニングやコンプライアンスの順守、工事現場の記録管理など、スマートヘルメットの可能性は無限である。

2. Redpointの安全ベスト

2つめの安全ベストは工事現場ではおなじみのものだが、あるイノベーティブな企業はこの必需品に新しい技術を持ち込もうとしている。リアルタイムで居場所を知らせるサービスを提供しているRedpoint Positioning社は、安全ベストにGPS機能をもつバッジを取り付けるサービスを開始した。

これにより、労働者は助けを呼ぶ際にもその居場所を正確に伝えることができ、もし設定されていた現場の危険地帯に立ち入った際はアラートを受けることができる。さらに、装着者からある程度の半径内に近づいた重機を低速化/停止させることも可能だ。このように作業者の安全性を向上するほか、マネージャも彼らの居場所を把握することで作業のボトルネックがどこなのか、問題や効率が悪い部分はどこなのかを知ることで運営コストを低減することができる。

3. XOEyeのスマートグラス

3つめは、作業時に装着するメガネだ。ここ数年、米国内で熟練工の調達が難しくなってきているという。米国労働局の予測では、熟練工を調達できない案件が2020年には3100万件にものぼる。そこで、XOEye Technologies社はこの問題をスマートグラスでどうにか解決しようとしているのだ。

XOEyeのスマートグラスにはネットにつながるカメラが装着されており、経験を積んだ技術者が新人にリアルタイムでフィードバックを返すことができるようになっている。アドバイスする側は新人が見ているものを確実に把握し、コミュニケーションすることで効率的にタスクを完了に導ける。マネージャも彼らが効率的に働いていることを確認できるほか、このデバイスはバーコードなどのデータもスキャンすることができる。

4. Myoリストバンドコントローラ

4つめのガジェットは、リストバンドである。これは工事現場用に作られたものではないのだが、Thalmic Labs社が創りだしたこのリストバンドは工事現場で働く人にとって役立つものだろう。

Myoは腕のジェスチャーを読み取り、さまざまなデバイスを操作することが可能だ。買ってきてそのままの状態でNetflix、PowerPoint、ドローンなどを操作することができる。たとえば、現場作業員がMyoをXOEyeのスマートグラスなどと組み合わせて使うことで、相方との共同作業や写真撮影、完了したタスクにチェックを入れるなどをスムーズにできる。こういったジェスチャーコントロールは、コンピュータの操作のために手袋を外したり工具を置くことを許されない作業員にとってうってつけのものだ。

5. Bionicの外骨格スーツ

5つめは、建設現場での作業を想定した世界初の『バイオニックスーツ』である。アイアンマンがやるように空を飛んだりレーザーを放ったりすることは(まだ)できないが、作業員が重いものを持ち上げるのを手助けし、筋肉疲労からくる怪我を避けることができる。

Ekso Bionics社が創りだした重さ16ポンド(約7kg)の外骨格スーツは非常に扱いやすい。また、このスーツは電源などを必要としない。労働統計局によれば、毎年100万人以上の作業員が背中の怪我に苦しんでいるという。全現場の1/5でこの問題が起きており、国家における安全面での第一の課題となっている。なかなかうまくいかない荷揚げをこのスーツがサポートすることで、問題は過去のものとなるだろう。

建設現場の未来

これまで建設現場は新しい技術を活発に取り入れてこなかった。だが、その状況もJB Knowledgeの2015年のレポートによれば変わっていくという。クラウドベースのソフトを採用する建設企業は2012年と比べて倍の数になり、多くの企業がこういったウェアラブルガジェットを採り入れだしている。ウェアラブル技術が作業道具の一部となることで、作業員の安全性や作業効率にどういった影響が現れるのか、興味深く見守っていきたい。

著者はカリフォルニア州ウォールナッツクリークにあるApple Law Firm LLPの代理人であり、労災問題を主に扱っている。業務外の彼は新しい技術を学び、アウトドアを楽しみ、家族と時間を過ごしている。

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]

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