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連載 :
  インタビュー

Red Hatのマネージメントソリューション担当ディレクター、管理の重要性を語る

2016年10月20日(木)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
Red Hat Forum 2016に際して、マネージメントビジネスユニットの担当ディレクターが来日。Red Hatが考えるハイブリッド環境でのマネージメントソリューションとは。

2016年10月5日、レッドハット株式会社は、Red Hat Forum 2016を都内で開催した。それに合わせて来日したマネージメントビジネスユニットのストラテジー担当ディレクター、エリック・モリーセ氏にインタビューを行った。

マネージメントソリューション担当ディレクター、モリーセ氏

マネージメントソリューション担当ディレクター、モリーセ氏

まず自己紹介をお願いします。

モリーセ氏:私は、Red Hatの中のマネージメントソリューションのプロダクトとビジネスの双方に責任を持っています。製品としては、CloudForms、Satellite、Ansible、それにInsightsです。それに加えてRed HatのOpenStackディストリビューションであるRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platform(RHELOSP)の管理ツールであり、Red HatのコンテナプラットフォームであるOpenShiftに含まれるCloudFormsも私の責任範囲と言えます。

OpenStackからOpenShiftまで、他にCloudFormsやSatellite、Ansibleという管理用のツールをカバーするということで非常に広い製品のレンジをカバーするわけですが、マネージメントを行うツールが責任範囲というわけですね。OpenStackとOpenShiftに含まれるCloudFormsも担当していると。

モリーセ氏:そうですね。いわゆるデータセンターのサーバーなどを管理するツール群が担当と言えますね。

注:Red HatのCloudFormsは、Red Hatが2013年に買収を行ったManageIQのエンタープライズ版という位置付けだ。コミュニティによって常に最新の機能追加が行われているコミュニティ版がManageIQ、それを安定化させサポートを追加したものがRed Hat CloudFormsということになる。どちらも、Red Hatの他製品と同様にオープンソースソフトウェアである。

OpenStackは非常にに膨大な機能を抱える複雑なソフトウェア群ですが、Red HatのOpenStackディストリビューションでは、IronicとTriple-Oを使ってベアメタルにデプロイするというパターンだと思います。そのような場合でもCloudFormsを使って管理ができるのですか?

モリーセ氏:そうです。OpenStackに関して言えば、Directorというソフトウェアを使ってインストールを行い、その後はCloudFormsによって管理を行うという形になります。CloudFormsは、OpenStackだけではなくRed Hat Enterprise Virtualization、VMwareの仮想環境、MicrosoftのHyper-Vなどの仮想環境においても管理機能を提供します。またAWSやGCP、Azureなどについても、同様に管理が行なえます。それだけでは、今のエンタープライズに求められるニーズには応えられませんので、コンテナーについても同様に管理ができると付け加えさせてください。

そうすると、ネットワークキャリアのユースケースにあるような巨大なクラスターを複数のテナントで分割して利用するような使い方の場合に、テナントAの管理者がシステムを管理した上でその上位のクラスター全体の管理者がメータリングするみたいな使い方も可能になるのですか?

モリーセ氏:はい。可能です。実際にはポリシーを設定してそれに従って管理を行うことになります。

Red Hatとしては管理について4つのポイントが重要だと考えています。1つ目は「Ease of Use」、簡単であること、2つ目は「Speed」、素早く実行できること、3つ目が「Modularity」、疎結合で分離したり、結合したりできる高いモジュール性を備えること、そして最後の4つ目が「Frictionless IT」、つまり包括的にシームレスに管理できることです。これらのポイントを実現するために、我々の製品はコミュニティと一緒に開発を行っています。

OpenStackは、エラー発生時にどこが本当の原因なのかを突き止めるだけでも大変な作業になるというのはよく聞くことですが、それを簡単にするということが可能なのでしょうか?

モリーセ氏:Red Hatとしても、その辺は十分に理解をしています。OpenStackの管理ツールのコミュニティとも対話をしながら、CloudFormsを通じてそのような苦痛がなくなるような方向に努力をしています。エンタープライズの顧客、特にOpenStackの巨大なユーザーから、OpenStackを使う際の運用側のコストをいかに下げるか? これが重要であるということを聞いていますので、その部分に関して開発を進めていく予定です。またマネージメントソフトウェアのポートフォリオに含まれる製品同士で、連携が上手くできるように注力していきます。それによってパブリッククラウド、プライベートクラウド、さらにハイブリッドクラウドという環境の中で、お客様の成熟度のレベルに関わらず使いやすい管理機能を提供しています。

CloudForms、Satellite、それに最近買収を行ったAnsibleはソフトウェアですが、Red Hat Insightsはサービスになりますよね? これについてもう少し教えてください。

モリーセ氏:これは1年前に発表を行ったAccess Insightsの最新のサービスで、2016年の3月に発表を行いました。これまでRed Hat社内で使われていたRHELに関するサポートを支援するシステムを顧客にも開放して、脆弱性やパッチの適用の確認などが可能になります。単に脆弱性を通知するだけではなく、ソフトウェアの構成に関する情報を収集することで組み合わせによって発生する不具合を検知します。例えば、OpenSSLのHeartBleedが発見された時に、顧客のサーバーがどのバージョンを使っているのか、そのサーバーはどこにあるのか、IPアドレスは何を使っているのか、OpenSSLが含まれているアプリケーションはどれか、などを知ることができます。さらに、あるサーバーに装着されているRAIDカードのドライバーのバージョンはいくつか? といったより詳細な情報も取得できますので、管理者がそのサーバーのところに走っていく必要はありませんね。またRHELに関しては、Red Hatは過去15年間のサポート経験の知見を、ビッグデータを通して新たな問題を発見することも可能になりました。管理を簡単にするという意味で、重要な機能を果たしていると思います。

注:2015年のRed Hat Summitで発表されたAccess Insghtsに関しては、以下の記事を参照されたい。
Access Insightsはサポートビジネスに革新を起こすか? - vol.04

最後に、これからRed Hatのマネージメントソリューションの方向性はどのようになるのかを教えてください。

モリーセ氏:これまで以上に、製品フォーカスというよりもソリューションフォーカスになると思います。そしてお客さまの成熟度に合わせて、最適な製品を提供することを目指しています。またソフトウェアだけではなくハードウェア、例えばネットワークスイッチなどの管理までも可能にするように、領域を拡大していきます。その領域では、パートナーであるシスコなどと協業して進めていく予定です。その領域においてAnsibleは、ITのオートメーションに役に立てるように進化していくと思います。

プライベートクラウドであるOpenStackやベアメタル、仮想マシン、コンテナさらにパブリッククラウドを連携させたハイブリッド環境でのマネージメントを、CloudFormsとAnsible、SatelliteさらにサービスであるInsightsを活用して解決していく。これからも多くのオープンソースソフトウェアプロジェクトが立ち上がってくる近い将来を見据えると、単一の製品ではなく、複数の製品とサービスを組み合わせるというRed Hatの方向性は正しい選択のように思える。今後のRed Hatのマネージメントソリューションに期待したい。

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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