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Visualize画面でデータを可視化する

2018年5月31日(木)
石井 葵
【誰でも簡単にログ分析!OSSのBIツールElastic Stack解説書!】 株式会社インプレスR&Dより発行された「Elastic Stackで作るBI環境 誰でもできるデータ分析入門」の立ち読みコーナー第6回です。

Visualize画面で作成できるグラフの種類

「ログの詳細を検索で出せるのはわかったけど、Googleの画像検索とかで出てくるのはもっとかっこいいグラフだけどな?」

 確かにそうですね。今まで使っていたのはログの詳細を見る画面なので、Kibanaの紹介で出てくるようなものとは少し違っていたかもしれません。なので、次はグラフを自分で作成してみましょう。グラフの作成はVisualize画面から行いますが、まずはどのようなグラフがあるのか把握しましょう。

Area chart

 Area chartは積み上げ式グラフです。これは同じ要素の項目を上に積み上げて表示します。各項目の要素が全体に占める割合を把握するときに多く使用されます。

Area chart

Vertical bar chart(Horizontal Bar:バージョン5.4以降)

 同じデータの種類ごとに数を棒形式で積み立てる、棒グラフを作成することができます。単純に「データ件数が○件存在した」といった情報を閲覧する場合は棒グラフを使用すると良いでしょう。

Vertical bar chart

 バージョン5.4以降は棒グラフを横向きに表示する「Horizontal Bar」がグラフの種類に追加されました。

Horizontal Bar

Pie chart

 データの内訳を示すときに多く使用される、円グラフを作成することができます。円の真ん中を開けるドーナツ型の円グラフも作成できます。

Pie chart

Line chart

 データの数に応じて点がプロットされ、それを線でつないだグラフです。データが存在している期間がばらけていない場合、点しか表示されないので注意しましょう。

Line chart

Data table

 fieldの中にあるカラムが何件あるかを表示することができます。イメージとしては簡易的なExcelといったところでしょう。データはCSV形式でダウンロードすることができます。ただし、文字コードはUTF-8なので、ファイルを開くツールによっては2byte文字が文字化けします。

Data table

Heartmap chart

 Heartmap chartを使用すると、ヒートマップグラフを作成できます。個々の値のデータがどのくらい多いかを色の濃さで示しているグラフです。色が濃くなればなるほど、データの数値が大きいことを示します。例えばいつ特定のWebページが多く閲覧されているかなどを色の濃さで可視化する場合などに使用されます。

Heatmap chart

Markdown widget

 Markdownを表示することができます。URLのリンクを記載したり、グラフの閲覧方法をメモ書きで残すことが可能です。

Markdown widget

Metric

 データの数や平均を数字として表示します。数字しか表示できないので、しっかり検索条件を駆使して、欲しいデータの数などを細かく指定しておく必要があります。

Tag cloud

 指定したfield内にあるデータを自動で並べることができます。数が多いデータは文字が大きく表示され、数が少ないデータだと文字は小さくなっていきます。画面に入りきらないデータがあると自動で警告が表示されます。

Tag cloud

Tile map

 データの送信元情報がログなどに含まれていた場合、その情報がどこから来たのか世界地図にプロットすることが可能です。この世界地図の情報ですが、世界地図のマップ情報はElastic社のサーバから取得しているためインターネット環境がないと何もすることができません。ちなみにKibana3、4などについては使われていた世界地図情報の取得元サイトがサービスを終了してしまったため、Tile mapの使用は不可能となってしまいました。

Tile map

Timeseries

 こちらはTimelionをグラフ化したものです。Kibanaのバージョンが5.4以降の場合、次に紹介するVisual Builderを使用した方が良いでしょう。

Visual Builder(バージョン5.4以降)

 TimelionやTimeseriesでは、Kibana独自の関数を使用してグラフを設定していく必要がありました。Visual Builderではプルダウン選択で検索したい条件を決めることができます。また、タブを切り替えることで同じ検索条件で別のグラフを表示できます。

Visual Builder(タブ:Time Series)

Visual Builder(タブ:Gauge)

Visualize画面でグラフを作成する

グラフの作成:グラフを選択する

 Visualizeボタンをクリックすると、グラフの種類を選択する画面が出てきます。この画面ですが、Kibana5.4より前と後でかなり見た目が異なっています。


◆Kibana5.4より前の場合

 Visualizeボタンをクリックすると、すぐにグラフの種類を選択する画面が現れます。新規にグラフを作成する場合、「Create New Visualization」の中から好みのグラフを選びクリックします。後の手順は5.4より後の場合と同じです。

 既にグラフを作成・保存している場合は「Open a Saved Visualization」画面にグラフ名が表示されます。任意のグラフ名をクリックすると、グラフの設定画面へ遷移します。

Visualize画面(Kibana5.0から5.3までの画面:キャプチャは5.2のものを使用)

◆Kibana5.4より後の場合

 Visualizeをクリックすると、既存のグラフを編集するかを選択する画面へ遷移します。既にグラフが保存されているときに新しくグラフを作成する場合、青い「+」ボタンを押すとグラフの種類を選ぶ画面に遷移します。

 グラフを初めて作成する場合は何も表示されませんので、「Create a visualization」をクリックするか、青い「+」ボタンをクリックしましょう。

Visualize画面(Kibana5.4以降の画面)①

 グラフの種類を選ぶ画面では、グラフの種類名と内容を表すアイコンが一覧として並んでいます。今までの紹介を参考に、自分で好みのグラフを選択して下さい。

Visualize画面(Kibana5.4以降の画面)②

グラフの作成:円グラフを指定する

 では、今度こそグラフを作成しましょう。今回はOS上で動いていたプロセス名の内訳を表示する円グラフを作成したいと思います。Visualize画面でPie chartを選択します。

Pie chartを選択する

 すると、Dashboard画面で保存した検索条件を利用するか質問されます。検索条件を使い回したい場合は「Or,From a Saved Search」から検索条件を選んで選択します。

 それ以外の場合は「From a New Search, Select Index」からindex名を選んでクリックします。今回はMetricbeatのデータをグラフで可視化するため、「metricbeat-*」を選択しクリックします。

indexの選択

 indexを選択すると、自動で円グラフが作成されます。

グラフを作成した直後

グラフを作成する:metricsの設定を行う

 グラフ作成直後は円グラフの分割をどのように行うか指定されていないため、データ件数を100%としてただの円が表示されます。画面左側を操作することで、データの数え方やデータの内訳方法を指定することができます。

 Count(データ数)、Sum number(型のfieldのみ選択可)、Unique Count(全てのfieldから選択可)、Top Hit(特定fieldの上位○件のデータを表示する:バージョン5.3以降のみ)の4種類から選択します。

 データ件数を数えることができれば良い場合、Countのままカーソルを円グラフに当てると、データ件数やfield名が表示されます。

データの数え方をデータ件数に指定する

グラフを作成する:bucketsの設定を行う

 bucketsを指定すると、グラフの色をデータの種類ごとに分けることができます。「Split Slices」は1つの円グラフをどのように分割して表示するかを決定します。「Split Slices」は異なる条件で1つの画面に同じ種類・同じ設定のグラフを表示します。

 まずは「Split Slices」をクリックし、円グラフがサーバー上で動いているプロセス名ごとに分割されるように設定しましょう。

Split Slicesの選択

◆Aggregationの選択

 クリックすると、Aggregationという文字と空欄が表示されます。空欄をクリックすると、複数選択肢が表示されます。ここから円グラフを分割するためのデータは何を指定するか、を選択していきます。今回はOS上で動いていたプロセス名の内訳を表示する円グラフを作成するため、該当のデータが入っている「system.process.name」fieldの値を利用して分割する設定を行います。

 fieldの値を分割基準として選択する場合、「Terms」を選択します。

Aggregationの表示

Termsを選択した直後

 次に、「Field」欄から「system.process.name」を選択します。この状態で1度画面内の青い矢印ボタン(矢印が右を向いているもの)をクリックして下さい。すると、現在行っている設定がグラフに反映されます。

サーバー上で稼働しているプロセスごとに円グラフを分割する

 これで色ごとに情報の内訳を表示できるようになりました。画面右上に色に対応したfield名が表示されます。field名にマウスを当てるとそのfieldのみ強調することが可能です。グラフにマウスを当てるとfield名とデータ件数と全体に占める件数の割合が表示されます。

◆Order By

 デフォルトでは条件に一致するデータの数が多いもの(上位5件)を基準に円グラフを分割しています。このOrder Byの欄を変更することで、どのデータを基準にグラフを分割するか変更できます。

◆OrderとSize

 Ascendingを選択すると、データが少ない順にSizeで指定した数のfieldの内訳が表示されます。Descendingを選択すると、データが多い順にSizeで指定した数のfieldの内訳が表示されます。

 指定した数を超えた場合、実際にデータは存在しているのにグラフ上には表示することができません。かといってやたらと大きな数を指定するとElasticsearchに負荷がかかり、性能が落ちてしまうのでほどほどにしましょう。

 今回はデータ件数が下位20件のプロセス名を表示することにします。この場合、Order byは「metric:Count」、Order「Ascending」、Size「20」と設定します。

データ件数が上位20件のプロセス名を表示

 ちなみにSizeを「100」で設定するとこのような表示になります。

データ件数が上位100件のプロセス名を表示

◆Custom Label

 デフォルトではグラフにカーソルを当てると、fieldには実際のfield名が表示されます。ただし、このままではKibanaに詳しくない人がグラフを見た場合、何を示しているのかわかりづらい場合があります。 Custom Labelに任意の値を入力すると、グラフ上で表示されるfield名を任意の値に変更することができます。

Custom Labelを設定することで変更できる箇所

 一通り設定ができた後は、「Add-sub^buckets」ボタンをクリックしさらに円グラフを分割する条件を追加するか、同じ画面に違う基準で2つグラフを表示するか選ぶことができます。設定内容は今までの説明と特に変わりません。

 これ以上設定する必要がない場合、グラフのオプション設定に移ります。

グラフを作成する:Optionsを設定する

 灰色の「Options」をクリックするとグラフの見た目を変更することができます。グラフの種類によって設定内容が変わりますが、今回はPie chartのみ取り上げます。

◆Donut

 文字通り、円グラフをドーナツ型にするか選択します。チェックを入れると円グラフがドーナツ型になります。

Dounut設定にチェックを入れた場合

◆Legend Position

 画面右に出ているfield名前と色対応を示す部分をLegendといいます。このオプションを選択することで、画面のどこにLegendを表示するか指定できます。上・下・右・左から選択可能です。デフォルトでは画面の右側に表示する設定となっています。

Legend表示を左にした場合

◆Show Tooltip

 グラフにカーソルをあてたとき、データの内訳の詳細を表示するか決定できます。チェックを入れると詳細を表示しますが、外すとグラフにマウスをあてても何も表示されません。

グラフを作成する:グラフを保存する

 グラフを作成後、何もせずにブラウザを閉じるとグラフの保存は行われません。再度1から作成し直しです。必要に応じてグラフを保存しましょう。

 まずは一度青の三角ボタンをクリックし、設定を表示されているグラフに反映します。

設定の反映

 次に画面右上のSaveをクリックし、グラフ名を入力します。Saveボタンをクリックすると保存完了となります。既に存在しているグラフの編集を行い、再度保存するときはグラフ名を変更せずにSaveボタンをクリックします。

 同名のグラフを別物として保存したい場合、「Save as a new visualization」にチェックを入れてSaveボタンをクリックします。

グラフの保存①

グラフ名の決定

 Shareをクリックすると、グラフのURLが表示されます。左の「Share saved visualization」のリンクを共有すると、他の人にKibana画面のURLリンクを共有することができます。HTMLにURLリンクを挿入したい場合はEmbedded iframe欄に記載されているリンクをコピーします。URLリンクとして共有したい場合、Linkを選択します。

 右の「Share Snapshot」のリンクは「現時点」で設定されているグラフの状態をリンクとして共有することができます。ですので、グラフの設定を変更して保存しても「Share Snapshot」のURLリンクからは変更が反映された状態でグラフを閲覧することはできません。

共有用URLリンクの表示

グラフを作成するときに着目するべき部分

 Kibanaでグラフを作成・設定する場合、今Elasticsearchにどのようなデータが保存されているのかを把握しておくことが重要になります。特に着目するべきは「どのfieldにデータが保存されているか」です。

 実際にグラフを作成する場合は、ディスプレイを2つ使用しKibana画面を並べて作業することをお勧めします。1つ目のKibana画面でDiscover画面を開き、どのfieldに何のデータが入っているのか把握しつつ、2つ目のKibana画面でグラフを作成します。実際に作業中のスクリーンショットを載せましたので、参考にしてみて下さい。

作業中の画面①(Discover画面の参照)

作業中の画面②(Visualize画面でグラフを作成)

Elasticsearch、Kibana、Logstashを使用したデータ分析基盤の設計・構築をメインに行なうインフラエンジニアだったが、最近配属が変わって新卒なエンジニアの教育を実施している。新卒エンジニアと一緒にプログラミングやアプリケーション開発手法を学ぶ日々を過ごしている。

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