携帯用に動画を変換するには?
携帯動画に適したコンテンツ制作
まず、重要な点は携帯動画は「携帯電話の画面」で再生するという事です。つまり、非常に小さな画面内で表示される動画である事を念頭に、それに合わせた画面構成を考える必要があります。
例えば、これまでに筆者が携帯動画制作に携わる中で「ナレーションに合わせてテキストテロップを挿入してほしい」という要望がありました。
PCで動画を配信する場合、音声を出せない環境(オフィス内等)で視聴されるユーザー向けに、ナレーション内容をそのままテロップで表示するという要望が多くあり、それはとても有効な方法でした。
しかし、それはPCでの画面表示サイズや画質面にゆとりがあるから可能であり、この方法は携帯動画では不向きと言えるでしょう。そもそも小さな携帯画面で動画を配信する場合は、文字を読ませる様な構成で動画を作る事自体ナンセンスだと思われます。
そこで、携帯用に動画コンテンツを制作する場合は、テキストによる表現はインパクト重視のコピーを表示する程度にし、詳細はナレーションを使用するのが最適だと考えます。また、商品紹介等に携帯動画を制作する際は、商品の見せたい部分のアップの映像を多用し、わかりやすく見せてあげた方が良いでしょう。
上記で述べた事は、あくまで動画コンテンツを作成する際の「コツ」です。
携帯動画に適した再生時間
それでは、3キャリア向けに配信する事を前提に考えてみましょう。
3キャリアに配信する動画の最適な再生時間ですが、これは30秒~1分30秒がベストです。それの理由は、ダウンロード可能なファイル容量に関係します。
特に、情報配信ツールとして携帯動画を利用しようと考えるならば、ダウンロードするファイルは1つである事が望ましいです。
1つのコンテンツが複数ファイルに分割され、見ている途中で動画が終わってしまい、続きを見るには次のファイルをダウンロードさせるという流れは、ユーザビリティの視点からも望ましくありません。
動画コンテンツの構成にも起承転結の要素があります。すなわち最後まで再生させるのは必須事項です。であればどのキャリアでも1ファイルで配信する事ができる30秒程度のコンテンツがベストです。この再生時間は、Soft Bankへの配信を照準に合わせた設定です。
30秒という事はCMと同じような要素になってきます。30秒の中で細かな情報を配信するよりも、インパクトを重視した構成のコンテンツを用意し、「続きは○○で!」のように詳細を見られるページへ誘導する事で、次のアクションを起こさせる事がベストでしょう。
また、auに照準を合わせてコンテンツの再生時間を調整すると、1分30秒ほどの動画コンテンツを高画質なLLサイズで1ファイルに収めて配信する事が可能です。これだけの再生時間があれば、あらゆる情報を動画コンテンツに盛り込む事ができ、ユーザーも満足できる内容を提供する事ができます。そして同じ動画を、docomoの10M iモーション対応機種にも高画質な動画ファイルとして、1ファイルで配信する事ができます。
さらに、docomoに照準を合わせた場合、古いFOMAをメインターゲットにしてしまうと30秒くらいの動画がベストサイズになってしまいます。逆に、10M iモーションをメインターゲットに設定してしまうと、今度はファイルサイズが大きくなり、ほかのキャリアでの配信が現実的ではありません。
筆者の経験上、3キャリア対応の動画コンテンツを制作される場合は、現段階ではauに照準を合わせて構成する事をオススメします。
携帯動画を制作するにあたり見せ方のコツはいくつかあるものの、上記を守れば良いのかというと、決してそうではありません。
つまり、ユーザーに喜ばれる人気コンテンツの最大の要素は「センス」です。
結果、センスの良いコンテンツであれば上記の様な「コツ」は完全無視しても人気を得る事も可能なのが、動画コンテンツの魅力でもあります。
次は、制作した映像コンテンツを各種携帯電話再生できる動画にエンコードするアプリケーションを紹介します。