英語の苦手意識をなくすには? 英語講師が教える「4ステップ」克服法
はじめに
英語を使えるようになりたいけれど、英語に対する苦手意識があり、どうしたら良いか悩んでいませんか?
「英語が好き」という人も多い反面、過去の経験等から、英語に対して苦手意識を持ってしまっている人も多くいます。
英語の苦手意識をなくすには、その「苦手意識をなくしたい」という気持ちと、楽しみながら学習を継続すること、そして「分かる」喜びを味わうことが大切です。
本連載では、皆さんの英語に対する苦手意識をなくす方法を紹介していきます。英語講師歴17年の筆者自身が、かつて実際に持っていた英文法に対する苦手意識を克服した経験を踏まえて書いているので、ぜひ参考にしてみてください。
英語が苦手になる2つの大きな理由
そもそも、なぜ英語に対して苦手意識を持っているのでしょうか。それには2つの大きな理由があります。
英語の苦手意識をなくすには、その原因を知ることがとても大切です。1つずつ見ていきましょう。
英語を学ぶ目的が分からず学習していた
皆さんも、中学や高校で最低でも6年間は英語を学んできたと思いますが、その理由は「数ある中の1つの『教科』だから」という人も多いのではないでしょうか。
日常生活で英語を使う機会がない人にとっては「なぜ英語を勉強するのか分からない」と感じることは当たり前かも知れません。目的なしに何かを行っても価値を見出せず、つまらなく感じてしまいます。
学校では試験があるので、特に英語を学ぶ目的がない場合は「試験に合格すること」が与えられた目的になってしまいます。しかし、これは何かを学ぶ際の本当の目的になるとは言えません。
また、自身で明確な目的がない場合、学習中に分からないことが多くなってくるとモチベーションが下がり、挫折や苦手意識を持つきっかけになります。
完璧を求められて嫌になった
もう1つの理由は「完璧を求められた」ことが挙げられます。
日本の教育では、問題に対する答えが決まっており、それ以外の解答は間違いとする傾向があります。例えば、数学の問題で解答方法が2通りある場合でも、決められた解答方法で問題を解かないと答えが正しくても間違いとされてしまうといったことがあります。
英語でも同じことが言えます。しっかりと書かれた文章で問題なく意味が通じたとしても「aが抜けていたから」という理由で間違いとされることは日常茶飯事です。
もちろん、何らかの基準を明確にしないと公平性を担保することは難しいことはあるでしょう。しかし、それが学習者の「分からないことでも挑戦してみよう」という意欲を削ぐことにもつながり、更には英語を苦手と思ってしまうことにもなりかねません。それでは本末転倒です。
言語においては、日々新しい単語や表現が生まれます。また、その言語を母国語としている人たちでさえ、日常的に間違えながら使っています。完璧を求めることが必要とは言えないのです。
英語への苦手意識をなくすための4つのステップ
一度持ってしまった苦手意識をなくすことは簡単なことではありません。しかし、4つのステップを行うことで、その苦手意識をなくすことができます。
[英語の苦手克服ステップ1]
何が苦手か明確にする
最初のステップは、自身の苦手意識は「何に対するものか」を明確にすることです。
「英語」とひと言で言っても、4技能である「話す」「聞く」「読む」「書く」力や、文法や語彙など、様々なものから成り立っています。
単にこれらを苦手に思っているのかもしれませんし、もしかすると英語で誰かと話す時に緊張してしまうのが嫌だと感じているのかもしれません。まず大切なことは、具体的に「何に対して苦手意識を持っているか」を明確にすることです。
筆者の場合、長年の海外生活で英語が使えるようになりましたが、日本のように「英文法」を1から学ぶことはなく、とにかく英語を話したり、読んだり、学生生活を送りながら感覚的に身に着けていきました。
帰国後、日本語の英語学習で出てくる文法用語が全く分からず、「副詞」や「関係代名詞」といった用語を聞くだけで拒否反応を起こしてしまうくらい英文法が苦手であることに気付きました。
苦手意識をなくすためには、何に対して拒否反応を起こすのかを理解することから始める必要があります。もし苦手意識を持っているものが複数の場合、その中でも「特に苦手」と感じるもの、または「克服したい」と思うものを2~3個決めるようにしましょう。
まずこれらを克服することで、同時に他のものに抱いている苦手意識も薄れていきます。
[英語の苦手克服ステップ2]
苦手意識を克服する理由を持つ
次のステップは、ステップ1で明確にした苦手意識を克服する理由を持つことです。理由をしっかりと持つことで「苦手意識を払拭しよう」という気持ちを維持しながら学習できるようになります。
この理由は「海外旅行で話せるようになりたい」「TOEICで600点を取りたい」「10月にある海外出張で挨拶くらいはしっかり出来るようになりたい」等、自身で納得するものであれば何でもかまいません。
筆者の場合、英文法に対する苦手意識を克服しようと思った理由は「英会話学校の講師になったから」でした。英語は話せたので、英会話のレッスンをする上では問題なかったのですが、レッスン後に英文法の質問をされることも多くあり、それにビクビクしながら対応している自分がとても嫌でした。
また、自分が分からないとはいえ「プロとして中途半端な答えを受講者に伝えることがあってはならない」という思いが、英文法の苦手意識を克服するためのモチベーションになりました。
先に「理由は自身が納得するものであれば何でも良い」と書きましたが、最も重要なことは「本当に苦手意識を克服したいという強い気持ちを持たせるもの」でなければならないということです。
[英語の苦手克服ステップ3]
無理なく学習を続けられること
3つ目のステップは、苦手意識を克服するために必要な勉強法を見つけることです。その際に重要なことは、下記の2点です。
- 無理せず続けられるもの
- 楽しいと思って行えるもの
最近では、書籍はもちろん、ネット上でも素晴らしい勉強法が多く紹介されています。しかし、あまりにも多くの方法が紹介されているため、自分にどの方法が自分に合うのか分からず、とりあえず実際に勉強を始めたものの苦痛でしかない、ということもあります。
自身に効果的な勉強法を探す際は、まず「克服したいもの」に関する勉強法に絞りましょう。英文法を分かるようにしたいのであれば「英文法 勉強法」とネットで検索し、出来そうと感じるものを選ぶと良いでしょう。
「できそうだ」と思うものでない限り、学習を続けることは難しく、無理に続けても更に苦手意識が増してしまうだけの可能性もあります。「これなら習慣化できる!」と思うものを選択しましょう。
また、もう1つ重要な点は「楽しく学習できること」です。学習法自体は楽しくないとしても、自身の興味がある内容のものを学習で使うだけでも違います。例えば、旅行が好きであれば英語で書かれた旅行関連の記事などをインターネットで見つけて教材に使うこともお勧めです。
苦手意識を克服するには「継続学習」が欠かせません。その意味で、この2点はとても重要です。
[英語の苦手克服ステップ4]
「分かる」や「できた」という成功体験で自信をつける
最後のステップは「分かる」「できた」という成功体験を持つことです。
苦手意識を克服する上で、成功体験以上に効果的なものはありません。「分かる」「できた」と実感することで、それまで頑張ってきたことが正しかったと思えるだけでなく、長年持っていた苦手意識から解放されていくことで、晴れやかな気持ちになります。
筆者も一から英文法を学ぶことで、レッスンで文法の質問をされてもしっかりと答えられるようになり、自信を得ることができました。同時に、英文法が苦手な受講者の気持ちを理解できるので、どのように説明すれば理解してもらえるかも分かるようになりました。
この成功体験は、どのような形でも持つことができます。「海外旅行で英語を使いたい」という人が、実際に海外に行って少しでも英語が通じるようになれば、大きな自信につながります。また「仕事で英語を使いたい」という人は、覚えた単語や表現を使って英文メールをやり取りできた、ということでも良いでしょう。
このような成功体験の積み重ねが、最終的には苦手意識をなくすことにつながります。
おわりに
ちょっとしたことがきっかけで、何かに対して苦手意識を持ってしまうということはあります。英語についても「中学生の頃に皆の前で恥をかいてしまった」「頑張って書いた文が全部バツで返ってきてやる気がなくなった」など、学生時代の経験が苦手意識の原因となったことが、人それぞれにあると思います。
しかし、そのような苦手意識も、今回で紹介した4つのステップでなくすことができます。もし、少しでも「英語に対する苦手意識を何とかしたい」と考えているのであれば、ぜひ今回の4つのステップを試してみてください。きっと、今まで悩んでいたことが嘘のようにすっきりと解消されるでしょう。
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