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バイリンガル講師の本音 ー決して英語力が伸びない誤った3つの学習法

2021年12月9日(木)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)

はじめに

「英会話学校へ通ったけど、たくさん授業料を払った割には話せるようにならなかった…」という経験をした人もおられるのではないでしょうか。

筆者は大手英会話で7年間勤務しましたが、生徒さんと学習カウンセリングを行う際、残念ながら「英語力が思ったほど伸びない」という声を聞くこともありました。

これはもちろん教える側、そして英会話学校の運営方法やシステムに大きな問題がある可能性もあります。私も今であれば全く別の方法で指導したであろう点もあります。同時に、受講する側の考え方や方法の中にも、変えなければ英語を話せるようになるのは難しいと感じるものがあったのも事実です。

そこで今回は「それでは英語力は伸びない!」という3つの方法を、英会話学校に勤務時の経験談を交えて紹介します。

1. 英会話学校に通うだけでは英語力は伸びない

1つ目の英語力が伸びない方法は、「英会話学校に通うことが目的になっている」ことです。頭では分かっているけれど、英会話学校に通っている人の中でも、そのようになってしまっている人は多く存在します。

決して安くない授業料を払う生徒さんからしたら、英会話学校に通うことで英語が使えるようになれば理想的ですし、レッスンを提供する側からしても、レッスンのみで英語を話せるようになってもらえるのであれば、それほど素晴らしいことはありません。しかし、現実的には残念ながらそれはほぼ不可能と言わざるを得ません。

英語の文法や単語、表現といった知識に加え、スピーキングやリスニング力を身につけるには時間がかかります。英語の学習は、よく「スポーツと同じ」と言われます。

例えば、学生時代に部活でスポーツをしていた方の多くは、プロになろうとは思わなかったとしても、大会で勝てるレベルを目指していたのではないでしょうか。そのために、朝練や放課後遅くまで基礎や実践練習の繰り返しにたくさんの時間をかけていたはずです。練習試合のみに出ることで、大会に勝てる力が身につくと思っていた人はいないと思います。

英会話学校のレッスンは練習試合のようなものです。仮に1コマ50分のレッスンを週1回受講した場合、12ヵ月を52週間で計算すると45時間。そう、2日にも満たないのです。

もちろん、2日ぶっ通しでレッスンを受講するわけではないので、2日間連続で学習した場合と、1年を通して同じ時間分レッスンを受講した場合の効果は異なります。しかし、部活動を合計2日以下、しかも練習試合のみを行って上達するかと聞かれたら、「難しい」と答える方がほとんどではないでしょうか。

英会話学校の授業を受けること自体は間違っていません。しかし「授業を受講することが目的になってはいけない」のです。目標をしっかりと持ち、できれば期限も決めてそれに向けて学習をする。これがとても重要です。それが明確であれば、必然的に英会話学校のレッスンだけでは十分ではないことが分かり、自宅でも学習する必要があることに気付きます。

英会話学校では教師から新しい単語や表現を学び、疑問に思うことは聞き、そして自宅で練習してきたことを披露する場所とすることが理想です。これにより、英会話学校のレッスンはとても価値のあるものとなります。

さらに付け加えると、英会話学校に通う場合は教師選びもとても大切です。生徒にレッスンに参加してもらうことが目的になっている教師では伸びません。レッスン以外でも自宅学習が必要という考えを正直に伝えてくれて、具体的にどういったことを行う必要があるかをアドバイスしてくれるような教師を見つけることがポイントですね。

2. 教材を暗記するだけでは英語力は伸びない

2つ目の英語力が伸びない方法は、「教材を覚えることが目的になっている」ことです。

暗記が駄目という訳ではありません。例えば、頻繁に使う表現を覚えるのは良いことですし、音読を繰り返し練習して教材の内容を自然に暗記するということは全く問題ありません。むしろそこまで練習することは理想的です。

筆者が英会話学校で担当していた生徒の中にも、教材を暗記してくる方はいました。自宅で学習してもらえることはとても嬉しかったですし、会話文等を覚えることは間違いかと言うと、既に書いた通り間違いとは言い切れません。しかし、効果的、そして効率的かと聞かれたら両方ともYESとは言えません。特に文字を暗記して暗唱できるようにしている場合ははっきりNOと言えます。

文字で覚えた場合、しっかりと意味が頭に入っているのではなく、相手がこの表現を言ったから、次はこの文だというような機械的な覚え方になっています。よって、応用できなかったり、相手のセリフが変わると続きを言えなくなってしまいます。自分の言葉で会話をするための暗記ではなく、レッスンの会話例を発表するための暗記になってしまうのです。

教材にある会話はあくまでも一例です。実際の世界では、全く同じ表現と流れで話されることは滅多にありません。あるとしても空港の入国審査やホテルのチェックインやチェックアウト時など、とても限られた場面のみです。こういった場面でも全く同じになることは少ないと言えます。

重要なことは、教材の会話で使われている表現の意味や会話の流れを理解し、自分で応用して使えるようにすることです。教材の会話文は、どのように応用できるかなといった部分も考えて練習すると効果的です。

3. 受け身では英語力は伸びない

3つ目の英語力が伸びない方法は、「受け身になること」です。これは、日本人の特徴として多くの英語教師が指摘する点でもあります。

徐々に変わっているところもありますが、学校では生徒数が多いこと、そして試験等のために多くの情報をインプットすることが求められるため、聞き手に回る教育を受けてきたという人が圧倒的に多いと言えます。これに関しては良い部分もありますが、英語が話せるようになる上ではマイナスに働くことが多いです。

英語を話せるようになるために大切なことは、間違いから学ぶことです。しかし、受け身で授業を受けると話す機会が少なくなるため、間違える機会も減ります。また、テストでは間違えると減点されてしまうため、無意識に間違えること自体が良くないと思っている人も多くいます。これも受け身になってしまう理由でもあります。これにより、負のスパイラルに陥ってしまう人も多くいるのです。

特に言語を学ぶ上では、間違いから学ぶことが必要不可欠です。筆者も海外で英語を学習していた頃、本当に恥ずかしい間違いを無限にしてきました。もちろん恥ずかしいと思いましたが、言語はコミュニケーションを取るために必要なので、こちらから発信しなければ何も伝わりません。

片言でも、間違いがある英語でも、英語は英語です。重要なことは、伝えたいことをどのような形でも積極的に伝えるということです。レッスンで直されたら、間違えたことを恥ずかしいと思うのではなく、何をどう間違えたのか、そしてどうすれば通じるのかを理解することです。

全世界で英語を話す人口は、英語を母国語とする人の人口を遥かに上回っています。その中の多くの人達は会話の中で様々な間違いをしたり、強いアクセントがあったりする人もいます。それでも積極的に話すことで、コミュニケーションが取れているのです。

「外国語なのだから間違えることは当たり前」と考え、積極的に話すようにすれば、受け身のときよりも劇的に英語力が伸びます。

おわりに

幸いにも、今まで数え切れないほど多くの方々の英語学習を様々な形でお手伝いしてきた筆者ですが、個人的に「これだけは変えてほしい」という3つの学習方法を紹介しました。「当てはまるものがある」という方も多いのではないでしょうか。

今当てはまるものがあっても大丈夫です。その逆のことを行えば問題は解決します。もちろん一朝一夕で変えることは難しいと思うかもしれません。それでも少しずつ意識していけば必ず変わります。

最善の学習方法は、人によって異なります。ただし、1つだけ覚えておいてほしいことは、何のために英語を使えるようにしたいのかということです。それは、英会話学校のレッスンに参加するためでも、教材を暗記するためでも、人が言ったことをずっと聞いているためでもないはずです。

自身の目標が何かを再確認し、今回紹介した英語力が伸びない方法も参考にすることで、きっとどうすべきかというヒントになるはずです。今回の内容が、皆さんの英語力の上達に役立てば嬉しい限りです。

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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