運用者目線で最新のクラウドネイティブなシステムを語るCloud Operator Days Tokyo 2021開催
インフラストラクチャーの運用を担当するエンジニアなどが集うオンラインカンファレンス「Cloud Operator Days Tokyo 2021」が開催される。2021年7月中頃からオンデマンドの配信が開始される予定だ。
今年はCloud Native Telecom Operator Meetupと共催の形で、テレコム事業者のシステム運用担当のエンジニアとも協力して、カンファレンスを盛り上げる形になった。今回は6月30日に行われたメディア向け説明会の内容を紹介する。
長谷川章博氏は2013年からOpenStack Days Tokyoを主催してきた主要なメンバーで、OpenStackを使ったインフラストラクチャーの運用にフォーカスしたイベントやミートアップなどではお馴染みの人材だ。2021年は5Gの幕開けの年という意味も含めて、Cloud Native Telecom Operator Meetupと共催することでシナジーを狙っているようだ。
イベントそのものは、7月半ばからオンデマンドのビデオ配信によって各20分のセッションが視聴できるようになる。今回のテーマは「運用に光を」であるとして、ふだんあまり日の光が当たらない運用担当のエンジニアに向けて、新技術や運用者ならではの悩み、トラブルへの対応などを共有するためのイベントとなる。
またインターネットサービス事業者とテレコム事業者の運用担当による会議体であるCloud Native Telecom Operator Meetupとも共催することで、コンテンツがさらに充実することを狙っている。
このスライドには、ベンダー主導の新製品紹介や新しいオープンソースプロジェクトの露出のためという意味合いが強いオンラインカンファレンスとは距離を置いて、問題や課題を共有するイベントにしたいという意図がはっきりと示されている。
特筆すべきは、各セッションに加えて8月27日に半日のオンラインイベントを開催する点だろう。オンデマンドでセッションを配信するだけでは参加者に対する誘導力が弱いことを熟知している長谷川氏ならではの発想と言える。
8月27日のイベントでは、パネルディスカッションの他に「輝け!クラウドオペレーターアワード2021」の表彰も行われる。この賞は参加者による視聴したセッションに対する評価などを元に決定するものだ。
また参加者に対しては、多数のセッションを視聴することの報酬としてAmazonのギフト券を賞金として設定していることも特徴的だ。つまり登録はしたものの視聴しないという参加者に対して、視聴することでギフト券をもらえるチャンスを与え、セッションを行う側には表彰されるという特典が与えられる。オンラインイベントの欠点をカバーしようと考えた興味深い仕組みと言えるだろう。
このアワードには審査員として東京大学の関谷勇司氏やPublickeyの主宰者である新野淳一氏の他、筆者も参加する予定となっている。
8月27日のタイムテーブルからはOpenInfra FoundationのCOO、Mark Collier氏がキーノートセッションを行い、テレコム事業者の運用担当者によるパネルディスカッションが「あれからどうなったの? ソフトウェア化(Cloud Native)のウソホント」というタイトルで行われる。モデレーターがクロサカタツヤ氏であることからも、本音ベースのパネルディスカッションとなることは容易に想像できる。
このカンファレンスが非常に「泥臭い」ことを目指しているというのは、公開されているタイムテーブルにも表れている。
「運用苦労話(しくじり、トラシュー)」と書かれているように、運用の中で遭遇したトラブルやその回避方法にフォーカスしたカテゴリーが存在し、他のカテゴリーと比べてもそのカテゴリーのセッション数が多いというその点だけでも、苦労話を共有したいという主宰者側の思いが伝わってくるようだ。タイムテーブルは以下のリンクから参照されたい。
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