ネイティブ講師インタビュー① ここが変だよジャパニーズ・イングリッシュ!
3. カタカナ英語が磨きをかける
ジャパニーズ・イングリッシュ
最後は、おそらく誰もが一度は経験したことがあるカタカナ英語での失敗です。一度、15分間くらい友人との会話で「カタカナを使ってはいけない」というルールで話してみてください。日常的にどれだけ多くのカタカナ英語を使っているかに気付くことができます。
これらのカタカナ英語には、2つの問題があります。
①発音やアクセントが異なっていて聞き取ってもらえない
②通じると思ったカタカナ英語が、実は和製英語だった
例は多くありますが、ここでは①の例を1つ、②の例を2つ挙げてみます。
「バケツ」は絶対に理解してもらえない
1つ目の例は、発音やアクセントが実際の英語と全く違う単語です。毎日使う単語ではないかもしれませんが、これはネイティブが聞いても聞き取れる人がいたら奇跡と言える単語なので選びました。
「バケツ」はbucketから来ている、ネイティブも使う正真正銘、正しい英単語です。では、なぜ聞き取ってもらえないのでしょうか。それは、言い方が全然違うからです。
カタカナ英語では「バ・ケ・ツ」のように、全ての音が母音で終わり、かつ同じリズムで言います。しかし、英語ではこれが全く異なります。「バ」にアクセントがありますが、直ぐに「ケ」が続き、最後のtの音は小さい「ッ」になり、抑揚をつけるイメージです。よって「バケッ」のようになります。
確かに、「バ・ケ・ツ」と 「バケッ」は全く違うので、「バ・ケ・ツ」の発音のままで伝えることは難しいと言えます。このような単語はバケツだけでなく、他にも数多くあります。こういったものはジャパニーズ・イングリッシュの代表例とも言えます。
「ドンマイ」は誰に言っている?
2つ目の例は、和製英語の「ドンマイ」という表現です。これを知らない日本人はいないだろう、というくらいに浸透しているカタカナ英語ですよね。
しかし、これをネイティブが聞いたらdon’t myかdon’t mineと聞き取られる可能性が高いです。
もしかしたらdon’t mindと聞き取ってもらえることもあるかもしれませんが、仮にdon’t mindと聞き取っても意味を理解してもらえません。そこには主語がないからです。
通常、この表現はI don’t mind.となり、「私は気にしない」という意味です。しかし、主語がなくなるとDon’t mindと命令形になりますが、「気にしないよ!」という不自然な命令になるので、誰に向けて言っているかが分からない上、何を伝えたいかも分からなくなってしまいます。
和製英語の「ドンマイ」と言いたい場合は、下記の2つの表現がおすすめです。
I’m sorry to hear that.(それは残念ですね)
Don’t worry about it.(心配しないようにしなよ)
聞き慣れたカタカナ英語も、それが本当に通じるのか確認するようにしましょう。
ハイテンションはピリピリ?
3つ目は「ハイテンション」です。これを英語で書くとhigh tensionです。しかし、tensionとは「張り詰めた空気」のような意味があります。よって、それがhighである場合、その場の空気がとても張り詰めてストレスがかかるような状況のことを指します。
日本語ではとても元気であることを表す言い方だったりするので、その場合には、very energeticと言うと良いでしょう。
おわりに
今回は、イギリス人講師のキティ先生に、日本人が英語を話す際についついやってしまう間違いについて聞きました。「自分も同じような間違いをしていたかも」と心当たりがあった方は、ジャパニーズ・イングリッシュであることを認識することで、改善できるようになります。
また、日本人が間違える英語のポイントは多くありますが、こういったものは、他の母国語の人達にもありますし、海外の人達が日本語を学ぶ際も同じことが言えます。
これらを「恥ずかしい」と思うのではなく、ぜひジャパニーズ・イングリッシュについて考えてみる機会にしてみてください!
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