どれくらい知っていますか? 最近よく耳にするカタカナ英語「10選」

2024年10月16日(水)
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
シーズン5の第10回となる今回は、最近よく耳にするカタカナ英語で、実際には通じないかもしれない単語を10選紹介します。

はじめに

今やカタカナ英語は幸か不幸か日本語を話す上で欠かせないものとなっています。その数は誰も知らず、テレビやYouTubeでも「英語禁止」といった企画があり、実際にやってみると大変困難であるというほどカタカナ英語が浸透しています。

そういったカタカナ英語には、そのまま言っても発音の問題で通じなかったり、本来の意味とは異なる使われ方をしていたり、全く外国人には通じない和製英語も多く存在していますよね。

また、いつの間にか市民権を得ているカタカナ英語も日々増えています。今回は、ビジネスやIT業界等を中心に「あ、それ最近聞くけど、実はあまり意味が分からないかも」という可能性があるカタカナ英語をなるべく説明を短く、その分数を多くして10個サクサクッと紹介します。

それでは、早速見ていきましょう!

カタカナ英語 その1:リスペクト(respect)

筆者としては、この単語がここ数年で一気に広まったカタカナ英語の代表格だと思います。このリスペクトという単語は「尊敬」という意味で名詞と動詞の両方として使うことができます。カタカナ英語で使われる際は、基本的に「尊敬」という意味で使われることが多いですよね。

しかし、respectという英単語には「尊重する」という意味もあるので、例えば「あなたの意見はリスペクトしますが、同意はできません」という使われ方もします。

特に英語ではこの使い方をすることも多いので、ぜひ覚えておくと良いでしょう。

カタカナ英語 その2:パーパス(purpose)

この単語は、外資系企業で働いている人との会話やビジネス系の番組等で聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

パーパスには「目的」という意味があります。TOEICを受験したことがある人は、読解問題でWhat is the purpose of the email?(このEメールの目的は何ですか?)のようなpurposeを使った質問を見たことがあるのではと思います。一般的な会話ではreason(理由)やgoal/aim(目標)といった単語を置き換えて使ったりすることも多くあります。

また、ビジネスにおいてパーパスというカタカナ英語を使う場合、「目的」以外でも「存在意義」という意味で使うことができます。 その企業の存在意義は何かという話をする際にパーパスという単語が登場する可能性もありますね。

カタカナ英語 その3:エビデンス(evidence)

筆者がこのエビデンスというカタカナ英語を聞くと、どうしても海外の有名な天然水ブランドの「エビアン」を思い出すのですが、皆さんはいかがでしょう。

さて、このエビデンスという単語は「証拠」や「裏付け」と訳すことができます。例えば、研究結果を伝える際に、そのデータが正しいと証明するために「このデータが正しいということをエビデンスと共に説明します」といった形で使ったりします。

「何かエビデンスはあるの?」と聞かれたら「何か証拠(裏付けるもの)はあるの?」という意味になるということですね。ちなみにIt’s evident that…のような使い方をすると「…は明らかです」という意味になります。

カタカナ英語 その4:アジェンダ(agenda)

agendaは英語の会議では欠かせない単語ですが、日本語でもカタカナ英語として耳にするようになりました。会議や打ち合わせの冒頭の説明で使われる単語です。

ちなみに基本的に1つの会議で話す議題が複数あっても、それらをまとめて複数形ではなく単数形でagendaと言います。ちなみに筆者が海外で学生をしていた頃は、日本で言う連絡帳をagendaと呼んでいました。

カタカナ英語 その5:アライメント(alignment)

この単語は、これまで紹介した単語に比べて聞いたことがあるという人は少ないかもしれませんが、こちらもときどき耳にするカタカナ英語です。ちなみに、筆者が担当している外資系企業勤務の生徒さんと話していると、必ずと言ってよいほどこの単語が出てきます。

その意味は「整列したり並ぶこと」を指します。例えば、2つの物が並行して並んでいるようなものを表す場合にはthey are alignedのように言うことができます。

カタカナ英語では「調整」や「一致」といった意味があり、何かの目標を達成するために物事を調整したり、または共通理解を持つために「アライメントを取る」や「アラインする」と言ったりもします。ちなみに英語でも同じ使い方をすることができます。

カタカナ英語 その6:エンゲージメント(engagement)

カタカナ英語でエンゲージメントという単語を使った場合は「関与」や「従事」という意味になります。よく「顧客や社員のエンゲージメントを高める」といった使い方をしますが、これはプロジェクトや会社に対する参加意識や愛着を高めるという意味になります。

ちなみにWe are engaged.と言ったら「私達は婚約している」と意味になりますし、I’m engaged in an important conversation now.と言ったら「今私はとても大切な会話中です」という意味になります。

カタカナ英語 その7:マインドセット(mindset)

このカタカナ英語も聞いたことがあるという方が多いのではないでしょうか。「考え方」や「意識」といった意味で使います。何かの目標を達成するための心構えを表す際にマインドセットというカタカタ英語を使っていますよね。

英語のmindsetも同じ意味で、例えばchange one’s mindset(考え方・意識を変える)やpositive mindset(前向きな考え方・意識)といった感じで使うこともできます。

カタカナ英語 その8:アサイン(assign)

アサインには、仕事を「割り当てる」、職務等に「任命する」といった意味があります。「佐藤さんをB社の業務にアサインしてみようと思います」といった感じで使うことができますね。

この例からも分かる通り、アサインは動詞です。名詞のアサイメント(assignment)は「任務」や「職務」を意味します。ちなみに、課題や宿題等と言う場合もassignmentを使うことができます。

カタカナ英語 その9:インセンティブ(incentive)

これは日本ではまだあまり制度として欧米ほど確立しているものではないので、そこまで身近に感じない可能性もありますが、主に「奨励金」という意味で使う傾向にあります。

ただ、必ずしもお金とは限らず、従業員や顧客の行動を推進するための「動機付け」という意味にもなります。「目標達成のために出すご褒美」という感じで覚えておくと良いですね。

カタカナ英語 その10:リファレンス(reference)

この単語は「参考」や「参照」を意味する名詞で、参考にするための資料や文献を指します。「会議までにリファレンスを用意してほしい」と言われた場合は、参考資料を用意してほしいという意味になります。

ちなみにreferenceの動詞はreferで、refer toという形で使われることが多く「~を参考にする・~を参照する」を意味します。

また、Eメールで参考資料等を添付する際は、Please refer to the attachment.(添付資料をご参照ください)といった表現を覚えておくと良いですよ。

おわりに

今回は、最近よく耳にするカタカナ英語で、実は意味が分からない人も多い単語を10個紹介しましたが、「そういう意味だったんだ」と思ったものはありましたか。

いつの間にか周りの人たちが新しいカタカタ英語を使っていることも珍しくないので、もし初めましてのカタカタ英語があったら、ぜひ何となく使うのではなく、意味を確認しつつも、英語ではどのように使うのかを調べてみることもおすすめです。

今回確認したカタカタ英語と遭遇したら、正しく理解できているか確認してみてくださいね。

著者
宮園 順光(みやぞの よりみつ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン 取締役。小学校〜高校卒業までをベルギーで過ごす。上智大学を卒業後、大手英会話スクールにて7年間教務主任として多くのクラスを担当。外国人講師の指導にも従事。マンツーマン英会話教室の代表を経て、2014年から現職にて語学プログラムの総監修を務める。これまで1万人以上にレッスンを提供。TOEIC990点、英検1級。

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