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ITエンジニアの発想 ~「時間」と「モノ」を創り出す~

2022年3月17日(木)
溝江 正

はじめに

みなさんは、普段どのように「時間」を作っていますか? 仕事やプライベートを問わず、新しいことを始めたい場合や、今やっていることにもっと時間を使いたいとき、どうしていますか? 例えば睡眠時間など、他に使っている時間を削って、空いた時間を作り出す方も多いのではないでしょうか。

もし他で使っている時間を削らずに空いた時間を作りたいなら、今やっていることの効率化を図る必要があります。今回は、ITエンジニアとしての視点と私自身の経験を踏まえて、時間の作り方とその使い方について紹介していきたいと思います。

新しい「時間」を生み出す

私は現在、主にサーバー構築を行うインフラエンジニアとして働いています。ITエンジニアになって15年ほどになります。働き始めた当初は常駐していた企業のUNIXサーバーで、動いている古いWebサーバー群の運用および保守を行っていました。リソース使用状況の調査や報告資料の作成など、ほとんどの業務は定常作業でしたが、結構な頻度でシステム障害が発生し、その都度調査する必要がありました。そのため、時間に追われて気付けば1日が終わるというようなサイクルを繰り返していました。

ある日、先輩に時間が足りないことを相談したところ「定常業務などはスクリプトで自動化すると効率的にミスなく作業できるよ」と教えてもらいました。また、Excelがあればスクリプトを動かす環境も揃っているということでExcel VBAを薦められました。

そして、その先輩から「まずはExcelのセル上でストップウォッチを作る」というお題をもらいました。最初は「なぜストップウォッチ?」と思いましたが、後からExcelの操作、プログラムのループ処理や条件分岐処理など一通りの必要な処理が含まれているからと教えてくれました。プログラミングの類は全くやったことがなかったのですが、完成して初めて自分が作ったプログラムが実際に動いたときの感動は今でもはっきり覚えています。

それからスクリプトの便利さに気付き、自分の業務の中で1つひとつ手動で行っているものを見直して、自動化を進めていきました。例えば、障害発生を早期に発見できるシェルスクリプトや障害発生時の自動復旧スクリプトなど、効率良く業務を進められる仕組みを作りました。また単一の機能をシェルスクリプト、VBSやVBAなどを組み合わせて複数の機能としてまとめ、さらに業務を自動化していきました。

そして、一番作業時間がかかっていた週次の報告書作成を自動化するために、シェルスクリプトで必要な情報をまとめ、集まったデータを使って分析・グラフ化などができるツールを開発しました。その結果、なんと8時間かかっていた作業を30分に短縮し、業務効率化を図ることができました。

業務効率化の目的としてはタスクの見直し、作業工数の削減、品質向上です。スクリプトを用いることでこれら全てをクリアできます。また、自動化を通じて、最小の工数で最大の効果である「空いた時間」を生みだすことができます。

ちなみに、当時は業務効率化を進めすぎてノー残業デー用に定時になったら自動的にグループウェアへのログインとタイムカードの打刻、パソコンをシャットダウンしてすぐに退社できるツールを作ったりもしていました。

ムダな「時間」をなくす

プロジェクトを進めるうえで、タスクの洗い出しや優先順位を決めることはもちろん大切ですが、さらに私は洗い出したタスクについて、常に一番効率の良い方法を考えるようにしています。今までの経験の中で似たようなタスクであれば、過去に使用した資料を掛け合わせて対応したり、繰り返しの作業で効率化ができそうなものがあれば、積極的に自動化したりします。

業務の自動化は全てに当てはまるわけではありません。そのタスク量を手動で実施した場合と、自動化して実施した場合にどちらの方がより短い時間で作業が終わるかを試算することが重要です。自動化することで逆に時間がかかるのであれば元も子もないからです。試算した結果、自動化した方が良い場合のみ自動化します。一方、時には今後も同じような作業が発生しそうな場合や他の作業にも流用できそうな場合には、多少工数がかかってでも思い切って自動化することを選択することもあります。実際に現在のプロジェクト内では使わなくても他のプロジェクトで使うというようなことがよくあり、大幅に工数削減ができた例がいくつもあります。

また、プロジェクトの開始時に想定しているタスク以外にも、プロジェクトを進めるうえで想定外の業務が出てくる場合があります。例えば、インフラ構築の作業で新システムへデータを移行する際に、そのままでは移行できず、データに手を加える必要が出てくることがあります。それが数件であれば良いのですが、数千、数万件のデータになると途方に暮れてしまいます。そんな場合でも、普段から自動化を意識していれば、過去の経験と過去に作ったツールを流用することで最小限の工数で乗り切ることができます。

その他にも、パラメータシートのデータをコピーしてシステムへペーストする作業を永遠に繰り返すようなことも時々あります。単一な作業ほどつまらないものはないので、Excelのセルを選択しただけでコピーが完了するアドインを作り、必要なときに使っています。

このような「ムダな時間」をなくすために、時間がかかる作業は大体自動化しています。

新たな「時間」から「モノ」を創り出す

業務効率化を図ったり、自動化を通じて生まれた時間は、別のことに活用できます。更に新しいツールを作ったり、新しい技術を学習して自身のスキルアップに繋げたり、残業を減らして家族サービスの時間を増やしたりすることもできます。

私の場合ですが、最近ではチームマネジメントも行うようなってきたので、空いた時間には他のメンバーに役立つようなツールを作ることが多くなってきています。例えばコロナ禍になる前はオフィスの入口に受付システムを設置し、メンバーの電話対応の時間を削減していました。コロナ禍になってからは、チャットボットで自動的に情報を展開するような仕組みや、勤怠連絡のチャットの内容からタイムカードを作成する仕組みなどを開発したりしています。

また、思わぬところからビジネスに繋がることもありました。前職での話ですが、私自身の勤怠管理のために残業や深夜勤務時間などを自動で算出するツールを独自に作っていたのですが、当時の派遣先の方の目に止まり「会社規定が複雑で人により計算方法が異なってくるので毎月計算に苦労している。そのツールのように自動計算してくれる勤怠システムを作ってくれないか」と、新たな派遣のご依頼をいただくことができました。

直近では空いた時間を使って外部のセミナーに参加して新しいスキルを学び、今まで作ったチャットボットや受付システムなどを掛け合わせて新しいサービスを創り出すことができました。下記に参考として載せていますが、LINEから24時間いつでも保育園に連絡できるシステムは既に複数の保育園、幼稚園に導入していただいております。導入していただいた園では保育士や先生方の事務業務の負担低減に繋がっています。

【参考】LINEを活用し保育の現場の事務負担を大幅に削減(pasonagroup.biz)

これらは新たな「時間」を生み出し、新しい「モノ」を創り、さらにそれがビジネスに繋がった良い例かと思います。

おわりに

IT業界に入った直後から、効率化を考える癖を付けられたおかげで、これまで様々な場面で役に立ちました。私は面倒なことはすべて自動化して、自分が好きなことをやる時間に充てられるようにしています。ITエンジニアは効率化を図りやすい職種だと思います。また、お客様に自動化、効率化ができるシステムを提供する側でもあります。まずは自分の業務を効率化していくことで結果的にお客様にも良いものを提供できるようになると考えています。

また、今回の例では新しい「モノ」を創ることを目的に「時間」を作ったわけではなく、「時間」を作ったことで新しい「モノ」が生まれました。「時間」は使い方次第で色々な「モノ」を生み出すことができます。それは人によっては新しい経験や思い出になるかもしれません。やりたいことに使える「時間」を増やすことは充実した日々を送れて、それが豊かな人生を歩むことに繋がっていくのではないかと思います。

株式会社パソナテック
元々はエンジニアではなく営業職から社会人スタート。エンジニアに憧れSESとして運用保守、ヘルプデスク業務から始めて、徐々にインフラエンジニアの道へ。2015年にパソナテックへ入社。現在はインフラ構築の傍らシステム開発にも携わり、新サービスの企画から提案、開発、展開など他拠点と連携しながら業務に従事している。
また、新しい働き方を推進するため、2021年にoViceのバーチャルオフィスを導入。東京や愛知、島根、福岡と離れた拠点との交流や連携している業務のやりとりの改善につとめている。
パソナテック https://www.pasonatech.co.jp/

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